Ruby の会

シニアライフ~能楽・ボランティア・旅行・食べ歩き・演劇などを綴っています

瑞龍寺法堂での「薪能」

2014-08-27 | 能楽

  8/24(日)、国宝高岡山瑞龍寺で「高岡薪能」が催された。午後1時、第一部の高岡能楽会会員による素謡が法堂で始まる。私たち蒼山会は「三笑」で、わりと遅い出番だった。↓は、「望月」の方たち。             

  ↓は、私たちの「三笑」。いつも素謡から聞きに来て下さるなはさんが正面から撮ってくださった。              

  終わって、着替えている頃、空模様が怪しいから第二部のお能は、境内の舞台ではなく法堂内で行うと連絡が入った。初めて薪能を見に来て下さる「あかね」の友人たちや姫ちゃんに電話で知らせる。能楽会理事長の上田先生はじめ、先生方は前夜から天気予報とにらめっこ、夜も寝ておられないだろう。昨年、ギリギリまで粘り、たくさんの座布団がびしょ濡れになったので、今年は座布団も敷かず様子待ちだったのだ。大事を踏んで早目に法堂内に切り替えられたのだろう。

 法堂へ行くと、なはさんがもう席をとってくださっていた。仏様に向かい右側の最前列。燭光能は仏様にお能を奉納するけど、今日は逆方向だから?と思ったが、昨年はどちらにいようと、大勢の人で舞台を見るようなわけにはいかなかったことを思い出し、そこに座っていた。               

  ↓ まず、理事長の上田博先生が開会のご挨拶。                 

  ↓ 林副市長のご挨拶。                 

  ↓ いつものように金井雄資先生が「羽衣」についての解説をされる。富士山が「世界遺産」に登録されたのは、その美しい景観だけでなく、そこから多くの芸術を生み出し、また信仰の対象であるという特別な価値を認められたから。芸術には「万葉集」や「竹取物語」、北斎の版画、そして三保の松原の「羽衣伝説」も含まれる。「いや疑いは人間にあり、天に偽りなきものを」との天女の言葉にあるように、能「羽衣」は、清浄な美しい作品とのこと。 (ここまではフラッシュ撮影禁止)                

  この後、舞囃子「七騎落」と狂言「鐘の音」を見たが、やはり横から見ているといまいち迫力が足りない。金井先生と金森先生の仕舞は真っ正面から見たい、となはさんと二人、最前列の特等席を離れ立ち見覚悟で正面へ回った。正面(お賽銭箱のある所)へ行くと、やはり満員。階段の上しか空いていない。1段下にようやく隙間をみつけわりこませてもらう。
 仕舞は、金井先生の「邯鄲」と金森先生の「花筐(クルイ)」。柱があるので、ずっと全身は見えない。「邯鄲の夢」ってこんなきびきびとした舞とはしらなかった。床を踏む所作が軽やかで若々しい。一方、「花筐」は狂女照日の前の秘めたる思いが伝わるような静かだが力強い舞。正面から見ることができてよかった。

 いよいよ、能「羽衣」。シテは大坪喜美雄先生。1ヶ月前の富山薪能での家元の「羽衣」と、どう違うか楽しみにしていたのだが、この辺りからカメラを放さない煩いおばさんが割り込んで来ていじくらしいことこの上なし。「許可もらいましたから」と傍若無人の態度。自分の位置が悪くて撮れないのか、隣の人にシャッターを切ってと頼んでいる。「足もとまで全身入るようにお願いします」だって。結局、最初から最後までカメラを構えていた。能の鑑賞ではなく、いい写真を撮りに来たらしい。コンテストにでも出すのだろうか。
 と言うことで落ち着いて見られなかったが、ただ、太鼓がよく見える位置だったので、徳田先生のバチさばきに見とれ、瀬賀先生の(姿は見えないが)笛に聞き惚れていた。

 なはさんのブログに、K新聞の1面を飾る写真がアップされていたので、K新聞南部営業所へ電話をして1部もらって来た。快く無料でくださった。法堂でのお能なんてめったに見られるものではない。遠方でブログを見てくださる方もおられるので、やはりこの写真は見てほしかった。