Ruby の会

シニアライフ~能楽・ボランティア・旅行・食べ歩き・演劇などを綴っています

本 「百歳」

2014-08-26 | 

 8/24(日)、高岡 瑞龍寺で「高岡薪能」が行われた(このことはいずれ書きます)。例年より少しは涼しい日だったが、台所前の広い部屋で着替えをしているとやはり汗がポタポタ流れ落ちる。「蒼山会」の素謡は「三笑」で、私は地謡なので気分はリラックスなのだが、20分ほどの出番でも1時間以上前には着付けをすませなければならない。

 いつも一緒に着替えをしながら雑談する先輩方の中で、入院しておられる方や亡くなられた方などをつい思い出してしまう。寂しいことだ。先日、カーラジオで久しぶりに「ぼやき川柳」を聞いていたら、”老人会 暗い話で 盛り上がる”と言うのが入賞しており思わず笑った。が、盛り上がりはしないまでも話が自然にそこへ行ってしまうのは、私が弱気になっているから?そう言えば、今朝の新聞によると「ペコロスの母に会いに行く」の岡野雄一さんのお母さんも亡くなられた。

 帰宅後、夜着物を広げたら、襟元や胸に汗のシミがペットり。やはり家で洗濯できる化繊の絽にすればよかった。濃いえび茶色より茶々姫さんにいただいた白地に桔梗の方が好きで、変えたのだ。翌日すぐクリーニングに出さないと…。
 月曜日はクタクタ。膝も痛ければ腿も痛い。能「羽衣」を正面にまわりずっと立って見ていたせいもあるだろう。

 そこへ川越のTOさんから電話がかかった。今度の上京の際に会う場所の打ち合わせ。ついでにあれこれ話し、「羽衣」のことも話したら、「いいわね~。私も今ちょうど白洲さんの本で’羽衣’の能について読んでいたところよ」と言われる。白洲正子さんの「老木の花・友枝喜久夫の能」と言う本らしい。喜多流の能楽師の方である。
 TOさんは登山家なのだが、山に登らない時は本をよく読まれる。暑い時に読書もいいもんだ。なはさんから何冊も借りている本は?と探したら、返したと思っていた柴田トヨさんの「百歳」が積んだままになっていた。              

  1911年にお生まれだから、2011年この詩集を発刊された年に100歳になられたのだ。90歳になってから詩作を始め、新聞に投稿し続けられたとか。処女詩集「くじけないで」は映画になった(私は見そこなったが)。↓のようなページに大きな活字で平易な言葉で語られるのですぐ読めます。        

  ↑の詩、「空に」はこんな詩です。

       病院の
       ベッドから
       眺める空は
       いつも やさしい

       雲は ダンスをして
       笑わせる
       夕焼けは
       心を洗ってくれた

       でも 明日は退院
       この一と月
       ありがとう

       家に帰ったら
       手を振るわね
       気がついてね きっとよ           

 映画では、八千草薫さんが演じられたが、ご本人もこんなに優しいきれいな方です。