本書の設定でも丁度今頃の季節でしょうか。
夏休みが明けてしばらく経った後の出来事、祐巳の弟祐麒が通う花寺学院の文化祭のエピソードですね。
#1年前はこの時期まだ祐巳は祥子さまに存在も知られていなかったと思うと感慨深いですねぇ。
マリみてのベースにあるテーマは祐巳の成長を通じていろいろなことを「理解」していくことにあると思うのですが、今回はある意味一つのステップが終わり、新たなステップに入るエピソードでした。
■祐巳が姉になる心の準備
これまでのエピソードではお姉さまである祥子さまを中心に、祐巳から他の人への想いについて語られてきたのですが、そのスタンスはあくまで妹というスタンスでした。
瞳子をはじめ、今回可南子というキャラを登場させることによって、祐巳は今度は他人から想われるということを経験していかなくてはならなくなりました。
つまりこれは姉になるための心の準備を着実に積ませ始めていて、これが新たなステップに入るという意味ですね。
■思い込みによる人物像
つぼみとしての風格がいつのまにかついてきた祐巳ですが、水野蓉子さまにも熱烈なロサ・キネンシスト?(私もそうですが何か)がいたように、薔薇様になる人たちは憧れの対象になるわけで、その憧れの中には勝手な思い込みも含まれてしまうんですね。
その思い込みの代表格として可南子を登場させているんですが、これは完全に一方通行のコミュニケーションになっています。
祐巳の特徴として双方向のコミュニケーションを成立させる能力を持っているんですけど、可南子はこの時点で対極にいるわけで、当面のテーマとしてこういう相手に対してどう接していくか?ひいてはこれを祐巳自身がどう解決し、成長させるかが新たなテーマなんですね。
#解決編はレディGoに譲りますが、妹ができるまではそういうテーマを持って進むんではないかな。
■余談ですが
思い込みや、勝手な期待による人物像ですが、この辺は『十二国記 風の万里 黎明の空』で面白いくらいに描写されています。
ご参考までに。
またこういう思い込みはネットでも言えるというか、ネットの方が顕著なのかもしれませんねぇ。
掲示板なんかでは自分の書き込みの反応が気になったり、管理人さんの反応が気になったり、相手がどんな事情か分からないにも関わらず、返事がないとそわそわしたり、双方向とは言っても使い手によっては一方通行に等しかったりするんで、僕なんかは結構気楽に考えてたりするんですけどね。
■祐巳-祥子さまについては
一方通行のコミュニケーションによる弊害はとっくに乗り越えているので、可南子の罵倒を浴びた祐巳の前に現れる祥子さまはかっこ良かったですねぇ。
もうこのへんで紅薔薇姉妹も磐石の体制が築きあがってきた感じがあって、自分の中ではひとつのテーマが終わったような気もしました。
つまり二人の理解レベルはある程度の基準値を超えて、安定曲線に入ったわけでちょっとやそっとでは揺らがない状態になってきたんですね。
これが一つのステップの終わり。
これで祐巳は妹を作るというテーマと姉との別れ(つまり卒業)という新しいテーマに取り組んでいくことになる。
こういう丁寧な成長表現ひとつをとってみても、作者の各登場人物に対する愛情が感じられます。
■紅薔薇姉妹のひとつの結晶として
ラストシーンがあるわけですが、光景自体ははたから見たら滑稽なんだろうけど、このシーン素直に好きですね。
どんな暗闇の中でも祐巳を見つけることができる、どんな格好をしていても祐巳を見つけることができる、それを有言実行できるだけの「絆」がこの二人にはあるわけで、まさに結晶という感じでした。
これでほんとに一つのステップが終わったななんて思いながら。
■おまけ
この方が書くWEB漫画が最高に面白くて、いつも楽しませて頂いているのですが、こんなラストでも面白かったなと。
#ネタバレ含むのでご注意ください。
たぶん、祥子さまは東仙に卍解「清虫終式・閻魔蟋蟀(すずむしついしき・えんまこおろぎ)」を喰らっても祐巳を探し出せる(殴
#ブリーチ読んで無い方、ごめんなさい。
夏休みが明けてしばらく経った後の出来事、祐巳の弟祐麒が通う花寺学院の文化祭のエピソードですね。
#1年前はこの時期まだ祐巳は祥子さまに存在も知られていなかったと思うと感慨深いですねぇ。
マリみてのベースにあるテーマは祐巳の成長を通じていろいろなことを「理解」していくことにあると思うのですが、今回はある意味一つのステップが終わり、新たなステップに入るエピソードでした。
■祐巳が姉になる心の準備
これまでのエピソードではお姉さまである祥子さまを中心に、祐巳から他の人への想いについて語られてきたのですが、そのスタンスはあくまで妹というスタンスでした。
瞳子をはじめ、今回可南子というキャラを登場させることによって、祐巳は今度は他人から想われるということを経験していかなくてはならなくなりました。
つまりこれは姉になるための心の準備を着実に積ませ始めていて、これが新たなステップに入るという意味ですね。
■思い込みによる人物像
つぼみとしての風格がいつのまにかついてきた祐巳ですが、水野蓉子さまにも熱烈なロサ・キネンシスト?(私もそうですが何か)がいたように、薔薇様になる人たちは憧れの対象になるわけで、その憧れの中には勝手な思い込みも含まれてしまうんですね。
その思い込みの代表格として可南子を登場させているんですが、これは完全に一方通行のコミュニケーションになっています。
祐巳の特徴として双方向のコミュニケーションを成立させる能力を持っているんですけど、可南子はこの時点で対極にいるわけで、当面のテーマとしてこういう相手に対してどう接していくか?ひいてはこれを祐巳自身がどう解決し、成長させるかが新たなテーマなんですね。
#解決編はレディGoに譲りますが、妹ができるまではそういうテーマを持って進むんではないかな。
■余談ですが
思い込みや、勝手な期待による人物像ですが、この辺は『十二国記 風の万里 黎明の空』で面白いくらいに描写されています。
ご参考までに。
またこういう思い込みはネットでも言えるというか、ネットの方が顕著なのかもしれませんねぇ。
掲示板なんかでは自分の書き込みの反応が気になったり、管理人さんの反応が気になったり、相手がどんな事情か分からないにも関わらず、返事がないとそわそわしたり、双方向とは言っても使い手によっては一方通行に等しかったりするんで、僕なんかは結構気楽に考えてたりするんですけどね。
■祐巳-祥子さまについては
一方通行のコミュニケーションによる弊害はとっくに乗り越えているので、可南子の罵倒を浴びた祐巳の前に現れる祥子さまはかっこ良かったですねぇ。
もうこのへんで紅薔薇姉妹も磐石の体制が築きあがってきた感じがあって、自分の中ではひとつのテーマが終わったような気もしました。
つまり二人の理解レベルはある程度の基準値を超えて、安定曲線に入ったわけでちょっとやそっとでは揺らがない状態になってきたんですね。
これが一つのステップの終わり。
これで祐巳は妹を作るというテーマと姉との別れ(つまり卒業)という新しいテーマに取り組んでいくことになる。
こういう丁寧な成長表現ひとつをとってみても、作者の各登場人物に対する愛情が感じられます。
■紅薔薇姉妹のひとつの結晶として
ラストシーンがあるわけですが、光景自体ははたから見たら滑稽なんだろうけど、このシーン素直に好きですね。
どんな暗闇の中でも祐巳を見つけることができる、どんな格好をしていても祐巳を見つけることができる、それを有言実行できるだけの「絆」がこの二人にはあるわけで、まさに結晶という感じでした。
これでほんとに一つのステップが終わったななんて思いながら。
■おまけ
この方が書くWEB漫画が最高に面白くて、いつも楽しませて頂いているのですが、こんなラストでも面白かったなと。
#ネタバレ含むのでご注意ください。
たぶん、祥子さまは東仙に卍解「清虫終式・閻魔蟋蟀(すずむしついしき・えんまこおろぎ)」を喰らっても祐巳を探し出せる(殴
#ブリーチ読んで無い方、ごめんなさい。