蒼穹のぺうげおっと

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ガンダムSEED DESTINY 第23話 「戦火の蔭」 感想

2005-03-27 01:42:29 | ガンダムSEED DESTINY
届かなかったカガリの声、突きつけられた現実を前に「想いだけでも、力だけでも」というテーマが今作でも大きく意味を成してきた第23話「戦火の陰」、アークエンジェルサイドの苦難の道はこれからだと言わんばかりのラストの(意図された)後味の悪さにこれからの展開が興味深いと思いつつも、オレンジ色の人(もしくは西川さん)は散らなければいけない運命のかというハイネに合掌。

■想いだけでも、力だけでも
放送開始当初からカガリの苦悩と成長は最後まで続いていくと思っていたのですが、今週はそういう意味で事実上カガリにとどめをさされたというか、どん底まで落とした、そういう意味がありましたね。
後半に描かれるであろうシンデレラカーブの底辺、それが今回なのかな。

「オーブの獅子を越えて行け」が恐らくカガリに課せられた作中のテーマの一つだと思うのですが、これまでのカガリの描写はシンの「奇麗事はアスハのお家芸だな」に反論できない、「想いだけでも、力だけでも」の「想いだけ」しか体現できていない、そういう風に描かれてきました。
「想いだけ」しか今は持てないカガリに突きつけられた現実が今回の「届かなかった声」に帰結してしまった、だからこそカガリの成長物語は「想いだけでも、力だけでも」を体現していかなくてはならない、「オーブの獅子を越えて行け」、それに向かうためのトリガー、それが今回の戦いの意味だったのかなと。

他国を侵略せず
他国の侵略を許さず
他国の争いに介入しない

目の前でムラサメが落とされ、目の前でアストレイが撃つ、そうしてヤキンの開戦を止められなかったときと同じく、結局何もできなかったカガリの悔しさがやはり今回の後味の悪さにつながっていて、是非ともカガリには、ひいてはアークエンジェルサイドにはこの悔しさを晴らして欲しいものです。
今のアークエンジェルは「想いだけでも、力だけでも」と分かっていつつも、現時点では「想いだけ」になっていて、今後の道は今欠けている「力」の部分をどう補うのか、やはりそこはミネルバサイドとの合流として描かれて欲しいなと、個人的には思わずにはいられないところ。
恐らくその時には必ず今回のシーンが引き合いに出される、つかそうであって欲しい。

■亡国の・・・。
ギリシャ神話に登場する、どんな攻撃をも跳ね返す楯。それがイージスの語源だ。
しかし現状では、イージス艦を始めとする自衛隊装備は防御する国を失ってしまっている。
亡国の楯だ・・・。
それは国民も、我々自身も望むものではない。
必要なのは国防の楯であり、守るべき国の形そのものであるはずだ。
(福井晴敏『亡国のイージス』序章 宮津隆史『亡国の楯』より)

最近読んだ『亡国のイージス』からの一節ですが、「イージス艦」を「タケミカヅチ」に、「自衛隊」を「オーブ国軍」に置き換えるとまさにこの状況はオーブという国が理念を忘れ、「国の形をなくした」状態とも言えます。
「力だけ」になってしまったオーブが再び起つとすれば、やはりそれはカガリにかかっていて、是非とも「想いだけでも、力だけでも」のテーマをオーブという国だけでもいいから実現して欲しいところです。

つか、あれです。今回の悩めるトダカさんに「うらかぜ」艦長の阿久津さんを見た思いです。

■ハイネとアスランとキラ
先週の感想で揺れているアスランをミネルバへ定着させるのが彼の意義じゃないかと書いたのですが、まさかそういう形で来るとは思いませんでした。「Meteor」はむしろハイネへのレクイエムかと思いましたよ。
ハイネというキャラの死を目の前で見たアスランは、これでミネルバサイド定着へのトリガーが引かれたような感じですね。

となるとアスラン自身は「想いだけでも、力だけでも」の理念を理解しているはずで、それに基づいてセイバーという「力」を手にしたのに、キラたちの「想いだけでも、力だけでも」の理念とはいつの間にか同じことを考えているはずなのに、スタンスが異なってしまっている。
この辺うまいな、というか、アスランとキラの再対立が恐らくあると次回予告からして思ったのですが、同じ想いを抱いている(た)はずなのに、すれ違ってしまったという状況を作ってるんですね。

また今回の後味の悪さはアークエンジェルサイド=キラにも、本当にそれで良かったのか?と思わせるところもあるし、流されているアスランもまたそれで良いのか?というのもあります。
だからこそ、このタイミングで顔をつき合わせて意見をぶつけるというのはめちゃめちゃ面白いと思います。
しかもそれを取り持つのはミリィですか!既に次週が楽しみで仕方ない。
中盤でこういう一度微妙なスタンスの違いをはっきりさせておくという手法は良いなと。
個人的には絶対正義とか悟りきった人とかよりも、こういう答えを模索していく作風の方が好きです。

ここからは気になったところを。

■蹴散らされるガイアたん
今週は見所がいろいろとありましたが、中でも僕の心を鷲掴みにしたのはガイアたん(犬モード)ですね、間違いなく。
・ムチで叩かれるガイアたん(しかも二回、上下ワンツーみたいな)。
・飛んだら落とされるガイアたん(しかも水没)。
・とどめは蹴散らされる(もちろんガンダムキック)。
#結果としてハイネが散ったことはトラウマになりそうですが。
もちろん痛めつけられるステラたんが最高に良かったことは言うまでもありません、最高です。

■キラ強すぎ
主人公シンですら一瞬のうちに。
#フレッツのCMがしゃれになりません。
フリーダム改修ということはそれ相応の大打撃を受けるはずなんですが、こんな無敵キラを相手にできるのは種割れしたシンしかいないってことですかね。もしくは種割れしたアスランですか?
うーん、ここはさすがにシンに期待したいところ。

■デストロイ
公式でも発表されていましたが、OPの巨大MS(MAじゃなかったですね)はすごいネーミングですね。
サイコガンダムMk.2のような感じですけど、気になるのはパイロットですよね。
一応ザムザザーとかゲルズゲーとかが今後の主流になると(とあるオジサマが)言ってましたが、その流れを汲むなら複座型なんすかね?
ここからはかなり妄想ですけど、自分の中ではファントム・ペインが離反して欲しいなぁなんて密かに思っているので、救えないタイプの強化人間がまた出てこないかなと思ったりもするわけで、新キャラとか出ないんすかね。
でも今の時点でキャラ追加とか聞かないし、無いかな・・・。強化人間複座型でデストロイして欲しいんですけど。
じゃないとステラたんが乗ってしまいそうで、フォウとかロザミィとか思い出して欝になりそうなんで。

■ザクとは違うんだよザクとは!!
ビームライフルを掴まれるシーン、ファーストとの比較キャプだれかやってくれませんか?キャプ師の皆様。
とりあえず西川さんとしては美味しい、つか、一度は言ってみたい言葉です。

■トラサメ、トラスーツ
虎のムラサメはトラサメと呼びたいのですが、如何?
トラスーツがオーブ版で拝めた!笑った!いや、むしろ好きです!

■そんなにうちのことが嫌い?
辛らつな言葉を投げかけるキラに対して、カガリには是非とも静流の声で涙目でこう言って欲しいと舞-HiME第25話を観た人は思ったに違いない(え、僕だけですか?)。

えー、次週のミリィがとにかく待ち遠しい(いや、キラ、アスラン、カガリの会話ももちろん楽しみですよ)んですが、何気にマリューさんは前作より格段にカッコよい艦長さんになっている気がします。マリューさん、好きです(はっ、言ってしまった)。