島が消えた

ＢＢＣニュースが面白い話題を取り上げている。地図にはあっても実際にはない島がオーストラリアとニューカレドニアの間の海上にあるというのだ。

名前はサンディ島。グーグルマップを見てみると、オーストラリアの東、珊瑚海に浮かぶニューカレドニア本島のやや西に白い小さな舟型が見つかる。ズームインすると、たしかにサンディ島（Sandy Island）との表記がみつかる。詳細な世界地図を持ち合わせないので確認はできないが、ＢＢＣニュースによると、多くの地図や海図にも表示があるという。たとえば、タイムズ世界地図には「セーブル島」とあるという。「黒テン島」というわけか。

地図にはあるのに「サンディ島発見出来ず」ということになったのは島の確認に１ケ月近くの航海をしたオーストラリアの研究者たち。島があるはずの場所は水深１４００メートルの深海が広がるだけだったのだという。

サンディ島がない理由が何なのかは研究者たちにも判ってはいないそうだが、昔の地図製作者のひとりの署名が残されたものではという意見や、単純なヒューマンエラーが偶然そのまま残ったのだろうという意見なども出ているという。

いずれにせよ、実際の確認もされず地図上に誤表記がされたままで長い時間が経過した。その間に出現したグーグルなどの電子地図も従来地図をコピーして作られたため、新旧数多くの地図に表記が残っているというわけだ。

人騒がせだが、なんとも可笑しい。いずれはこの小さな舟型は地図上からも消えてなくなるのだろうが、しばらくは話題にして楽しめそうだ。

島といえば、日本は隣国との国境を巡って島の所有を争っている。竹島にせよ尖閣列島にせよ、小さいとはいえ実際に岩礁が存在するから頭が痛いわけだが、若しこのサンディ島のように、地図上の名前だけで海上には島の影も形もないということなら、無用な国境紛争など起きることもなかっただろうに。


グーグルマップ
：http://bit.ly/UitPJO
Sandy Island: Google Maps and the untraceable Pacific island
：http://bit.ly/UWDP8a