5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

冬の明星

2015-12-09 21:52:23 | 天候・気候
冬の夜空に明るい星が月と並んでいる。文字通りの明星、金星である。

冬の星は光が鋭く冴えるというのは「季語集」の坪内稔典先生。12月の季語の一つに「冬の星」というくくりで説明をしているのだ。季語では「寒星」「荒星」「凍星」などと使うとある。天の川は「冬銀河」だ。

先生はその冬銀河を眺めながら俳句仲間と「冬の星」の句を読んだのだそうだ。紹介されているのは次の女性の三句。いずれも今風にしゃれている。

「冬銀河二人はすぐに漂って」津田このみ

「瞬きは羽ばたきに似て冬銀河」小枝恵美子

「もつれるなら冬の大三角形よ」小玉硝子

NHKの夜9時のニュースでは、金星探査機の「あかつき」が金星を廻る軌道に入り、衛星になったというJAXAの発表をホットニュースで伝えている。「あかつき」が撮影した美しい金星の表面映像も合わせて表示された。

5年前に打ち上げられた「探査機」は打ち上げ後一年弱で金星軌道に入る計画だったものが、メインエンジンが噴射中に壊れて、軌道誘導は失敗、太陽の周りを周回し続けてきたのだが、今回はベストのタイミングを探して、残った小型エンジンで軌道侵入に再挑戦し、見事に成功したというわけだ。

日本の探査機が地球外の惑星軌道を回りだしたのは初めてのことだそうだ。
ニュースではJAXAの女性スペシャリストの緻密な軌道計算が今回の狭いマージンでの成功を実現させたとレポートしている。

地球に一番近いこの惑星は、生まれた時期や大きさが地球とほぼ同じで、地球の「双子星」と呼ばれている。だが、その気象は地球とは大きく異なっていることが知られ、それがまた探査機の活躍することにもなるのだそうだ。

5年のハンディは残るが、願わくば搭載された観測機器も順調に活動してくれて、宇宙研究に有用なデータを次々と地球に届けてほしいものである。

これからは、冬の夜空に輝く明星を見つければ、その周りを「あかつき」が廻っているのだと、また違った感興で眺めることができるだろう。気持ちが宇宙に向かって拡がっていくのはよいものである。





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