5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

ケルヒャーの企業PR

2007-10-25 21:29:11 |  文化・芸術

邦字新聞はどれも同じなので、面白い記事がないかと図書館のDAILY YOMIURIを斜め読みしてみる。「日本橋の洗浄はドイツの会社」という小さなコラム記事は邦字版の読売にはなかったようだ。英語の読解力が現役時代よりも大分落ちているのは仕方の無いことだが頑張って。



記事によると、今架かっている日本橋は徳川家康の命で1603年に架けられた第一代から数えて19番目のもので、1911年の架橋になるらしい。あと数年で100年の節目というわけだ。



1999年に国の重要文化財に指定されているわりに、東京オリンピック以後は首都高速が真上で蓋をして折角の石造アーチ橋が目立たないし、さらに、長年の排ガスやゴミ埃などが積もり積もってその見栄えをずっと悪くしている。



こんな日本橋を磨き上げようと言い出したのが、ドイツの高圧洗浄器メーカー、ケルヒャーである。業務用の洗浄機器がメインだが、家庭用の小型器は、テレビショッピングなどでおなじみの定番売れ筋商品になっているようだ。



「清掃文化」を企業ポリシーとする会社なのか、ユニークな企業PRの方法を長年にわたって採用している。WWCプロジェクト=World Wide Cleaning Projectと題されて、世界各国の記念碑的建造物のクリーニングを請け負うプロジェクトである。ミソは必要な清掃費用をケルヒャーが負担するということ。



調べると、プロジェクトの始まりは1980年、今までに47件の建造物を得意の高圧蒸気による洗浄できれいにしてきているのだ。ブランデンブルグ門、サンピエトロ広場、ワシントン記念塔やコパカバーナのキリスト像といった大型からカルダーの彫刻のような小型まで種々なモニュメントが対象になっている。やはりドイツの会社なので、その半数がドイツ国内だが、海外ではアメリカ、ギリシャ、エジプト、ドバイ、オーストリア、ブラジル、ポーランド、ヴァチカン、 イスラエル、ハンガリー、チェコ、フランス、ポルトガル、等でやはりヨーロッパやアメリカが多い。日本では2000年に広島平和記念公園のモニュメント清掃がなされている。



すでにケルヒャー側の状況調査は終了しているようだが、問題もある。築100年に近い石材のヘタリがあって、高圧水を吹き付けるのには材料の補強をする必要があるというのだ。予算措置など面倒なこともあって時間がかかりそうだ。しかし、5000億円と試算がされる首都高速道路を地下へ通して景観を復活させたい構想に比べれば何十分の一の予算でですむのだろう。折角のドイツからのオファーだ。日本橋の100年ぶりの化粧直しは是非やったらいい。



PRはケルヒャーだけのものでなく日本のものにもなるのだから。黄色い高圧洗浄機が、今や東京人にも忘れられそうな日本橋の存在をもう一度あきらかにさせる役割もはたすだろう。








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