5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

清掃マニュアル

2008-07-09 22:40:52 | くらし
最高気温はほぼ30度。珍しく甘いものが口にしたくて金山のドーナツショップに入る。定番のハニーディップを1個とアメリカンコーヒーで388円。しばらく来ないうちに、ここのドーナッツもきっかり2割の値上げがしてある。

イートインの店内も少し高級感をねらった模様替え。席は午後のコーヒー客でほぼ一杯だ。少し離れた席に着こうとした女性が、トレイのバランスを崩した。 

「アッ」という小さな悲鳴と一緒に、ドリンクのプラカップが宙に舞ってフロアに叩きつけられ、クラッシュアイスと液体が周辺に飛び散った。幸い近所の客には迷惑を掛けずに済んだが、彼女は無念そうな顔のままでサービス係りにテーブル拭きでも借りにいったのだろう。

すぐに席にやってきたサービスの女の子は、状況を見て彼女になにやらひとこと。さてどうするかと見ていると、すぐに同じ新しいドリンクをトレイに乗せて帰ってきた。さらに、二人の観察を続けると、周辺が空いているのを判断した店員さんは、近くの別席にトレイ毎案内して「どうぞごゆっくり」とにっこり一礼。これで客の自尊心は大いに救われた。接客マニュアルはなかなかイイ線を行っている。

次に店員さんは、パントリーからモップを、キッチンから角バケツをそれぞれヨッコラしょと運んできて、床に散らばったジュースとアイスの雑巾がけに入ったのだが、こちらの方はマニュアルが充分でないのか余りスマートではなかったのだ。

モップも水切り角バケツも床の全体を拭き掃除するためのもので、300CCほどのジュースが飛び散った床面局部を素早くクリーンにするのにはいささか大きすぎるのだ。水切りペダルも巧く動かない。周辺に他の客がいなかったからよかったものの、若し席が埋まっているような場合だったら、デカイ掃除器具だけで客の不評を買ってしまいかねない。店長がペーパータオルを持って状況を見に来たのは、無理な姿勢のモッピングがある程度済んでしまってからだった。

店員さんが特別不恰好だったわけではないし、客処理は適切だったのだから、文句をいうものではないのだが、そもこのドーナツショップの親会社は事務所や家庭に清掃材料をリースする、いわば掃除のプロ。それなのに、どうやら、営業中の客席清掃についての方法や器具がルール化されて決められているわけでは無さそうなのが、不思議だと思うのである。

テーブルの下にハンドルが回りこむ小型のモップや雑巾、小さなバケツ、食べ物飲み物を扱う素手で処理するのがマズイのであれば掃除用の手袋など、備品を考えるだけでも店員の動きが機敏に見えそうではないか。

ドリンクを床にこぼしたり、飛沫が衣服に掛ったり、ペーストリーを踏み潰したりという小さなトラブルは連日起きるものなのだ。店側の怠慢というより、客の不注意によるものがほとんどだろう。

ならば、客席をステージに見立てる形で、掃除のプロの本領が発揮できれば、本社業務のPRにも一役買えるとおもうし、テーブルクリーニングのマニュアル化は、ヘンテコなアクセントの接客フレーズを教えて終わるサービストレーニングよりも、よほど優れた社員教育だと思うのだがどうどだろう。



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