5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

レジオネラ菌と高橋さん

2019-07-03 21:08:58 | 環境

レジオネラ菌とういう名前を教わったのは旧お仲間の高橋さんからだった。もうずいぶん前のことで、たしか浴場での健康被害がニュースになっていた。彼は定年退職をした直後、元会社のコネで私設コンサル業を始めたばかり。最初に係ったのが、これも当時話題だった「水質浄化」の経営指南。化学洗剤を使わず水流だけで汚水洗浄が可能になるマグネットを販売するという、いわば訪問セールスの片棒かつぎだった。セールスの結果がどうだったかは敢えて聞かなかったが、水質改善には興味があったらしく、インド洋に浮かぶセイシェルでの海水を真水に変えるプロジェクトなるものにものめり込んでいた。彼も今はどうしているのだろうか。

国立感染症研究所のHPによると、レジオネラ症とされる病気は、レジオネラ・ニューモフィラを代表とするレジオネラ属菌による細菌感染症で、その病型は劇症肺炎と一過性の発熱症とがある。レジオネラによる肺炎は、1976年、フィラデルフィアで行われた在郷軍人集会(Legion)で集団肺炎として発見されたところから、そう名付けられた。

レジオネラ属菌は、元来、土壌や水環境に普通に存在する菌だが、生活の快適性や水の節約のため、噴水、冷却塔、ジャクジー、加湿器など、エアロゾルを発生させる人工環境や循環水を利用した風呂が増えたことなどが感染機会を増やしているものと考えられる。

7月に多く発生し、多くは旅行と関連してみられる。人から人への感染はない。2013年には約1100例が報告された。誰もが発症するわけではなく、細胞内寄生細菌であるため、細胞性免疫能の低下した場合に発症しやすい。

レジオネラと高橋さんのことを想い出したのは、今日のNHK静岡局が、浜松の高齢者福祉施設からレジオネラ菌が検出されたというニュースを出したからだ。我が家の超高齢者も昨日、福祉のディサービスに行ってきたばかり。免疫性低下が危ないと云われるとやはり気になってしまう。

この高齢者施設は先月半ばに半年一度の施設定期検査を実施し、浴槽から採取した水から浜松市が決めた基準の8倍にあたるレジオネラ菌が検出されたという。検出は男性の浴槽だけらしい。男の方が汚いというのだろうか。検査後には延べ138人が入浴しており、個別に健康状態の聞き取りをしたが、これまでのところ、健康被害の情報はないということだ。

今日から男性は入浴禁止になり、緊急施設検査を行う予定だという。今年1月の定期検査でも同じ浴槽からレジオネラ汚染は報告されているようだが、いったい何が原因なのか。早急の原因確認が必要だ。浜松市の担当者には感染症研究所のアドバイスをもらうことをお勧めしておく。

在郷軍人会にも入れそうな年齢の高橋さんは今頃このニュースを読んでいるだろうか。








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