5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

しあわせなブッポウソウ

2020-07-03 21:31:51 | 環境

中学時代の夏休み、愛知県東部の鳳来寺山に1泊旅行をしたことがある。鳳来寺といえば「仏・法・僧」の三宝を象徴するという「ブッポウソウ」と鳴く鳥が生息している信仰の地だとしてよく知られていた。この夏旅もその鳴き声を聞こうというのが目的のひとつだった気がする。前夜は枕投げも早々に寝て、まだ暗いうちから起きて聞き耳を立てたが、結局、鳥はウンともスンとも云わず、我々の目的は達せられなかった。

昔は夏になるとNHKのラジオから「ブッポウソウ、ブッポウソウ」という鳥の声がよく放送されたものだ。ブッポウソウと鳴くのはブッポウソウという名の鳥ではなくコノハズクというブクロウの一種だというのもNHKに教えてもらった。

実際には見たことがないが、ウイキによると、ブッポウソウという鳥は、ユーラシア大陸東部からオーストラリアで繁殖、日本には夏鳥として飛来し、冬は東南アジアに渡る。全長30cm。雌雄同色で、黒褐色の頭、光沢のある青色の胴、嘴と脚は赤橙色をしているとある。なかなかおしゃれな鳥のようだ。

「ブッポウソウ、今年も来たよ 天龍村役場で子育て」という中日長野版の記事を見つけた。

長野、静岡、愛知の三県境にある下伊那郡天龍村は人口千人ほどの山村だ。5月8日、役場の屋上にある巣箱には、今年もブッポウソウが海を越えて飛来し、同23日には産卵が確認されている。今では四羽の雛が身を寄せ合い、親鳥の運ぶエサを待っている。

地元の天龍小学校では20年以上前からブッポウソウの観察会を毎年開いている。六月末には、小学生十人が、自慶院住職からブッポウソウの生態について話を聞き、双眼鏡で観察した。役場をはじめ村内一円には巣箱が30箇所に設置され、天龍小もそのひとつ。今年も四月には、生徒たちが巣箱を作って設置している。順調なら7月2週頃には雛が巣立ちそうだという。

ブッポウソウを「村鳥」と決め、「守る会」が活動し、巣箱を置いて、子どもたちが観察学習続ける山の村。これだけ手厚く保護してくれる村民たちとひと夏を過ごすブッポウソウたちは幸せである。

 


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