5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

韓国版《高卒のすすめ》

2011-09-03 22:07:23 |  ニュース
名古屋が狙われるかと思っていた台風12号は、高気圧のへりに沿って西に進路変更、四国に上陸した。鈴鹿山脈が盾になっているのか、愛知県地方は強風が吹いたものの雨の攻撃は避けられた。

ジョギングスピードで進む台風の所為で強風は夜になっても収まらない。万歩の舗道には人影は少なく風に足をとられながらヨタヨタと歩いた。

途中のマックで開いたIPOD、聯合ニュースにあった今日の注目記事は、「学歴よりも能力、李大統領が《高卒のすすめ》」というもの。

水原市の某企業(名前は明らかにされていない)で開かれた李大統領主宰の「公正社会推進会議」の席で、大統領が主張する「韓国の共生発展」に関する雇用拡大の問題について「高卒者市場に注目したい」と表明したのだという。

全従業員の半数が高卒者の企業が会場に選ばれたのは、高卒者に冷たい韓国社会を変革しようという大統領の意思が反映されたものだと聯合は好意的である。

「高校生の就職率はなかば義務的にでも上げるべきであり、それによって、職の各分野での専門人材が育成できる」というのが大統領の考え方。「大学には行かねばならないという社会風潮に圧される結果として、進学率が不必要に高くなっている。」と指摘し「韓国では8割近くが大学に行くが、ドイツは3割程度。大学進学率の高さが先進国の尺度にはならない。」と自説を展開した。

英国プレミアリーグで活躍する中卒サッカー選手の例を挙げて「時代は学歴よりも能力だ。時代の流れに対応すべきだ。」とも指摘。大学の数だけが増えて質の低下と学歴インフレを起こしている現状を批判したと聯合は報じた。

事情は日本の場合もまるで同じだろう。

伊勢物語ではないが「誰もがすなる大学生なるものをしてみん」とて、目的なぞ無くても、とりあえず大学生になりたがる日本の若者たち。自分だけが高卒では肩身が狭いやというわけである。

名も知らぬ大学や、何を教えるのかわからない学部がどんどん増えれば、相対的に学問の質が低下するのは当然のこと。頭脳明晰な学生は一部の優良大学に行ってしまい、後発のテンプラ大学はさらにレベルをさげて、高額な学費をふんだくってまでノータリンの社会人化を遅らせる手助けをする。

今の高校の進路指導には就職担当がいるのかどうかは知らない。「高卒就職」という名前はもはや死語なのだろう。親たちも、教師たちも、役人たちも、人事課も、就職させる側のすべての意識から「高卒就職者」が消えてしまってひさしい。

しかし「少子化・高齢化」が大問題の今の日本にあっては「社会人化猶予システム」としての大学を持ち続ける余裕などないはずだ。若者の労働生産性を下げるモメントにしかなりえない。

李大統領の言い分は奇異に写るかもしれないが考えてみるべきだ。現在でも優秀な高卒を求める企業は多いのではないだろうか。特に「人材育成」急務の一流大手が高卒者を積極的に採用すると宣言をすれば、社会は大きく反応するかもしれない。

アントレプレナーもマイスターも高卒社員の方が作りこみ易いはずだ。金太郎飴的な4歳上の大卒者などもういらない。













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