「トーク・アバウト・イングリッシュ」は英語を学習する人々の為にBBCが制作する20分ほどのポッドキャスト用の番組だが、この最近のプログラムでは、10月31日に行われたハロウィーン (Halloween)についてのものだった。
ブライトンの英語学校の生徒がハロウイーンについてこもごも語る形式で、非常に簡単にハロウイーンとは何かを説明している。
落雷の音、狼の吠え声、女の叫び、葬式の鐘を聞かせて、そこから連想されるハロウイーンの行事は何かと先ず答えさせる。生徒たちの答えは「トリック・オア・トリート」であり、「セクシーな仮装」であり「かぼちゃのジャック・オ・ランタン」である。このファッションは日本でもすでにおなじみだ。
ハロウイーンが元来は英国の原始宗教に由来する古いもので、次第にキリスト教に取り込まれ、清教徒らによってアメリカにもたらされて、モダンハロウイーンへの変化したものが、逆輸入で現在の英国にもたらされていると説明がされる。この日には死者の霊が家族を訪ねたり、精霊や魔女が出てくると信じられていた。仮面(変装)やランタン(かぼちゃを使うのはアメリカ、スコットランドでは蕪だとのこと)は、魔除けのための行事だという。
余談だが、「トリック・オア・トリート」で思い出すのが、1992年のルイジアナ・バトンルージュでの日本人高校生の誤射殺事件。日本的に云えば、死んだ高校生の浮かばれない霊は、夏ではなく、アメリカの晩秋に人々のもとに戻ってくるということになるのだろうか。こうした「人の死」や「霊」に因んだハロウイーンだが、世界中から集まったブライトンの生徒たちも、ホラー映画を好きなものや、おばけを信じるもの、迷信だと言い張るものと、様々な回答を寄せる。中には受験の最中に「金縛り」にあった経験を語るアラビア人青年もいた。
面白いと思ったのは、司会者がコメントした「最近のアンケートでは英国人でゴーストの存在を信じるものが68%いる」という説明だ。司会者は生徒たち20人のうちで何人がゴーストを信じるのかと聞き、挙手をしたのが9名。こうなると、50%が国際指標だから、英国人の68%は結構多い数字だと説明した。
ホラー好きな日本人でも、幽霊を信じるものはそうはいないのではないか。イギリスには、都会を少し出れば何処にでも、キリスト以前の古墳や宗教遺跡や、深い森などがたくさんありそうだ。外国人には感知できないが、土着の彼らだけに感応するようなゴーストからのメッセージやは、ほんとうに彼らの身近に存在するのかもしれない。近頃はTVにもゴーストが出なくなった日本に比べて、「ハリー・ポッター」を生んだイギリスにはもっと不思議なものが残っていそうで、羨ましい。
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