5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

Eメール派、テキスト派

2010-12-22 23:10:00 | PC・インターネット
メールをチェックしに入った名古屋駅前のマック。冬休みに入ったせいか若者で一杯である。右も左も前も後ろも、皆がハンバーグを頬張り、仲間としゃべり、携帯を読みつづける。こうした騒然が、若いアドレナリンを滲み出させるのだろう。どうやら疲れ気味なのは自分一人の様だ。

こちらが入電したメールを読み、その返事を打鍵している中、右隣の女の子二人は携帯の写真を見比べてキャッキャッとけたたましいし、左隣の男の子は黙々とスマトフォーンのメッセージ情報を読み続けている。彼らのコミュニケーションには、すでに各種の「IT機器」無しでは成り立たなくなっているようだ。

20日、ニューヨークタイムズの「テクノロジー」欄には、「様相一変の電子メール」という記事が載っている。

オンライン・チャットとテキストメッセージ伝言を好む若者がますます増えて、電話による会話はもちろん電子メールの存在まで脅かし始めていると云うのだ。

日本ではすでにその状態だというのは、隣を見ればすぐにわかる。テキストメッセージというのは日本語だと「伝言サービス」「ショートメール」とでも云うのだろうか。

ログインをして、主題を入力、メッセージを考えて、最後には気持ちもないのに《sincerely》などと入力して、やっと送信したのに、長い間待っても返事ひとつ戻ってこないEメール。若者にすれば、こんな面倒なにはもう「飽きた」という訳か。

「クイックに返事が戻るのが嬉しい」という「直感的な喜び」を語る女の子。フェイスブックの対応はまさにここらあたりを突いている。

テクストメッセージ型でEメール型ではないフェイスブックは、面倒な主題入力や、CCやBCCの機能も省略。エンターキーで即送信だから、ワンフレーズのショートテキストがどんどん送られるという訳だ。

従来の「手紙の約束事」は無視して「もっとリアルタイムで、会話型で、カジュアル」な「インスタント・コミュニケーション」に拘るフェイスブック。「メディアがメッセージではなく、メッセージこそがメッセージなのだ」というのか。

事実、ヤフーメールやホットメールなどの利用は2009年の後半をピークにして、6%の減少。12歳から17歳までの利用では18%も落ち込んだのが、こうした若者のメール離れ、テキストメッセージ、フェイスブック指向のトレンドを示している。

今や、フェイスブックでは、なんと一日40億メッセージが交換されると云うから驚異的である。

旧いEメール派の自分としては、テキスト派の「勝手な形式、省略形の多様、絵文字」など、気に入らないことも多いのだが、アメリカにも「眉をひそめる」中高年は多いようだ。

「文法無視の短い自由文ばかりが増えると、言葉の裏にある深い思考や感情は表現できない。」
「アメリカ人の書き言葉によるコミュニケーション技術がどんどん劣化している。」
「アメリカ英語のアートや美しさが損なわれる。」 

というのだ。日本語の乱れも同様の環境にあるはず。

ところが、アメリカの子供世代は反対の意見で、NYTに取材された、ある20代の子持ち主婦は、友達とのコミュニケーションはいまや殆どがテキストメッセージ、次が電話でEメールはその次。直接訪ねてゆくことなどまず無いのだという。世の中変わってきている。

こうしたアメリカ人の行動変化に応じる形で、ヤフーやGメールでも、サービス機能はどんどん多様化し、チャットやテキストメッセージ、ビデオ会議、さらに電話機能も含まれる。電子メールはもはやその一部という位置に後退した。

「時間が経てば、電子メールもこうしたワンフレーズ型のメッセージに変化して行き、年寄りも適応せざるを得ないだろう。」という学者先生の意見もあるが、10代が打ち込む「最短最速テキスト」の「意味不明」には、ひょっとして「取り残された」のではと感じる20代の若者もいるようだとNYTは結んでいる。

両隣の写真メッセージ交換とテクスト読み下し作業は依然継続中だが、こちらは外へ。空には大きな月が出ている。皆既月食が今日だったらよかったのにと思った。



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