「一日の秋にぎやかに祭りかな」子規
秋はまつりの季節だ。今日のNHK東海北陸7県のローカルニュースにも「まつり」の文字が並ぶ。
「ぎふ信長まつり」、「尾張津島秋まつり」、「津まつり安濃津丸」、「伊勢まつり」、「美濃関刃物まつり」、「たじみ茶碗まつり」、「清水港マグロまつり」、「掛川大祭」、、、
いわゆる商業まつりの類も多いのだが、中には歴史と伝統を誇る宗教的文化行事もみつかる。
すでに終わった我が町の神社の秋祭りでは、若衆たちが抱えてあげる手筒花火が目玉だった。三河近在にはこの手筒花火のまつりが多いのだが何故だろうか。
さて「季語集」の坪内稔典先生も「けんか祭り」としてこれを取り上げている。
「秋の神輿は荒れる」と先生は言って、10月15日の姫路「灘祭り」と翌16日の新居浜「太鼓祭り」を、荒々しい灘祭り、勇壮な太鼓祭りと紹介している。
敗戦直後、大荒れに荒れて人家に突っ込む神輿を見た進駐軍の兵士が、暴動と勘違いし発砲して神輿を止めた。というエピソードも伝えられているのだとか。
神輿は荒れるものだった。荒れるという行為が、神の現われと信じられていたからだ。祭りのけんかも神の力の表示であった。アメリカ人の感覚ではこうした日本人の心性を判れという方が難しいだろう。
先生の故郷、佐田岬半島の秋祭りも荒れる祭りだったという。原発のある伊方町だ。「はげしくぶつかり合う牛鬼や太鼓台。興奮した若者たちはこうして神に近づいていたのだろう」と書いているが、「牛鬼」とは胴体は牛で長首の先に鬼の顔のついた巨大な張りぼてだそうだ。
「牛鬼の胴傷だらけ秋まつり」稔典
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