5522の眼

ゆうぜんの電子日記、2021年版です。

ギョギョッ!

2020-08-02 22:21:36 | ことば

このところ連日、居住する愛知県下のコロナ感染確定数を読んでいるが、今日は新たに160件を確認という発表である。一次感染期の時は週末発生数の発表は月曜日以降ということだったが、二次感染期の今回は、県知事以下の行政側も週末返上で感染の行方を追っている。

160人の内訳は、名古屋市で103人、豊田市で8人、岡崎市で1人、他の市町村で48人となり、これで、県内の感染確定人数は2000超えの2146人となった。7月の感染者のうち、感染経路不明が56%、30代以下が70.4%だという。感染者増加にブレーキはかかっていない。

さて、今日のブログの話題をなににしようかと新聞を繰っていて、昨日(1日)の夕刊の<3ミリコント>欄に下呂の多喜壺さんのこんな投稿を見つけた。

   サンマ、今年も高い?
   大衆ギョ!
       ・・・消費者

近頃のイワシやアジやサバ、それにサンマといった魚が痩せて美味くなくなったとこのブログでも繰り返して歎いてみた。地球温暖化で海水温が上昇し、これまでの漁場がおおきく動いた結果だという。魚屋のつける値も上がり、コントのように、もはや「大衆魚」とはいえない「高級魚」となっている。

それにして、もこの「ギョ!」という音感が懐かしく感じた。いまどきの若い人たちにはこの「ギョ!」の可笑しさはわからないかもしれないなと思って、いや待て、〈さかなクン〉の口癖は「ギョギョギョ」だったから、「ギョ!」には馴染みがあるわけかと思い直す。

そもこの「ギョ!」っという感嘆詞(?)はいつごろから使われだしたのだろうか。

WEBで探って、国語辞典の編纂者、飯間浩明氏の〈考える人〉というウエブマガジンを見つけた。その連載の中「ギャフンとギョギョッ」という項で彼は「ギョッ!」についてこう説明してくれている。

〈さかなクン〉の「ギョギョギョ」というフレーズが有名になったのは2004年頃からだろうという。水木しげるの漫画のせりふからさかなクン本人が拝借して使ったということらしい。

さかなクンを遡ること55年前の1949年のこと。戦後のラジオの時代にNHKの人気番組だった〈陽気な喫茶店〉でコメディアンの内海突破が使ったのが「ギョギョッ」だ。

同じコメディアン伴淳三郎の「アジャパー」という流行語などとだいたい同時期だろうか。大阪の漫才師に「エンタツ・アチャコ」がいたりと当時のラジオには「何語ともわからぬカタカナコトバ」が飛び交っていたわけだ。

だから当時の日本人たちは面白がって「ギョギョッ」を連発し始める。飯間先生は黒澤明の映画〈醜聞〉や〈生きる〉にもこの流行コトバが使われているという。

だが「ギョッ」ということば自体は突破の発明ではなく「ぎょっとする」の形では江戸時代からあり、夏目漱石も使う普通の日本語だった。それを突破は「ギョッ!」と叫んでみせることで、流行語にしたのだ。

ふるくからある日本語だから、現代生活で驚いたときに「ギョギョッ」と使っても、昭和の流行語という感じは(それほど)しないはずだと飯間先生はまとめているが、たしかにそういわれれば、その通り。

3ミリコントの〈大衆ギョ!〉もその驚きのニュアンスがよく感じられるというわけだ。多喜壺さんも思いのほかお若いのかもしれない。

 


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