里山日記

NPO法人「里山を守る会」における活動の内容。
その日にあった様々な出会いと、感じたことをつづりたい。

史上最速の梨開花

2018-04-06 06:41:45 | Weblog

今年は桜の開花も記録的であったが、梨も史上最速の開花となった。例年4月20日前後がこの辺では幸水、豊水の満開日であるが、それから比べると2週間近く早い。植物は低温にさらされると休眠が打破され、その後の雨量と気温の関係で開花が進むという。昨年の暮れから今年にかけて特に寒さが厳しく、雨量も多く、3月が記録的な気温上昇となった。今年の気候がまさにそれに当てはまったようだ。 

私も約60aの梨を栽培しているが授粉用の花摘みと受粉の準備でてんてこ舞いしている。田んぼの準備も始まり、すべてが一度に集中してしまった。 開花が早まると、晩霜の危険性が高まり、梨農家にとっては今後の気象情報に目が離せない。受粉直後に晩霜に合うと、結実せず、大きな被害が出てしまう。 梨は一年一作なので、この時期の晩霜は死活問題となる。

梨農家は年々減少の一途をたどっているが、こうした毎年のように起きる異常気象もその一因になっている。 関城地区の20代、30代の梨農家後継者は現在5名前後と聞いている。 私の息子もサラリーマンで農家は継がない。 親父が元気なうちに梨棚を整理し、更地にしてほしいと言われている。

更地にするのに10a当たり20万~30万かかるといわれているので息子としてはその負担を自分が負うことに不安を感じているらしい。  梨農家の友人たちは皆同じ事を言っている。昔は誰かがその梨園を借り、規模拡大を図ってきたが、現在では借り手も無くなり、 梨栽培から身を引くにしてもお金がかかる時代になった。

この地区では農協を通じた一元出荷が昔から定着しており、観光梨園の芽を育てなかった。そのことが果たして農家にとって吉となったのか、私は大いに疑問を持っている。経営的にもいろいろな取り組み、その後押しがあってもよかったのではないだろうか?

今さら言っても始まらないが・・・  いや、今からでも遅くない。・・・・


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5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
お疲れ様です・・・ (土浦・さくらい)
2018-04-06 11:08:42
 「今からでも遅くない・・・」同感ですよ、観光農園は自宅の近所にもありますが、大賑わいではないですがそこそこ、お客さんありますよ!
 それから、更地に引き継ぐのも何か寂しいですよね・・・・・。
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お天道様には逆らえない (ゆきじい)
2018-04-07 06:58:59
コメントありがとうございます。
改めて農業はお天道様次第と感じています。
また、このところの異常気象は人間が作り出した現象でもあるのかなと感じています。
気象は100年単位で考えるものと聞いたことがありますが、その変化を十分理解したうえで、専門家は深刻な地球温暖化への警鐘を鳴らしているのだと思います。梨を含む果樹面積が減ることで、更に温暖化が進むことになります。

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断腸の思い (おおくぼ)
2018-04-10 06:22:47
長年慈しんで育ててきた梨園。
整理するのはお辛いことでしょう。
また,実家の弟が
遺産の土地の整理で苦しんでいるのを見ているので
息子さんのお気持ちもよくわかります。

子どもたちのために,と
親世代が必死に守ってきた農地や山林が,
引き継ぐ者の負担となってしまっている現状。
何とかならないですかね。
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複雑な心境 (ゆきじい)
2018-04-12 05:55:56
コメントありがとうございます。
先祖が子孫繁栄のため、汗水垂らして取得し、守ってきた農地ですが、農業を継がない後継者はその管理負担を嫌い、二束三文の値段で投げ売りされています。20年前、10a当たり200万、300万で取引のあった田んぼが30万、40万の値段で取引され、当時を知っているものにとってはまったく異常な状況です。
世界の人口は70億人を超え、水と食料の危機が迫っているという報告もある中、食料を生産する農地がこんなに軽んじられた時代はないと思います。需要と供給の結果だから仕方ないと言いますが、このつけは必ず、払わされる時代が来ると思います。
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作業日・・お休みします。 (土浦・さくらい)
2018-04-12 14:30:17
毎度、申し訳ありません。倉持さんも私も作業日に
家事都合が付かず欠席します。
 よろしくお願いします。

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