里山日記

NPO法人「里山を守る会」における活動の内容。
その日にあった様々な出会いと、感じたことをつづりたい。

今年も終盤

2018-12-18 05:07:06 | Weblog

いよいよ今年も残り2週間足らずとなった。

今年の漢字は「災」である。 まさに災害の1年となった。

「これまで経験したことのない・・・」という形容詞が頻繁に使われ、豪雨による大災害が各地で発生。大型台風の度重なる来襲。北海道の地震、それ

に伴うブラックアウト。

ここ数年の異常気象は恒常的に続き、異常とは呼べない事態に陥っている。さらに異常度もレベルアップし、地球規模でアラームが発動されている。

カリフォルニア州の山火事は沖縄県とほぼ同じ面積が消失したという。ドイツで起きた山火事もこれまでにない規模という。

日本の片田舎で細々と梨と有機米を作っている私も、今年の暑さには参った。 

「命の危険を感じる暑さ」と気象庁は言った。しかし、梨の収穫は太陽の下でないと適塾の色合いがわからない。

まさに命がけの収穫を体験した。葉っぱのないところの梨は、熱波によるやけどで黒ずんでしまい、売り物にならなかった。 梨にとっても今まで体験

したことのない熱さだったに違いない。

当たり前だが、すべての生き物には適温というものがある。人間や動物は日陰や、冷房の効いたところに逃げ込めるが、植物はそうはいかない。

動けないのだ。このままさらに気温が上がれば順応できずに枯れてしまうだろう。 お米も同じだ。高温に耐える品種が研究され始めているが、限度が

ある。

このまま、地球の気温が上がり続けたならば、まず農作物に影響が出始め、世界的な食糧危機が起こり、それに伴う暴動も発生し、想像を絶する地球規

模の悪循環が起きるだろう。

ポーランドで開催されていた COP24が閉幕したが、参加したすべての国が地球温暖化の対策をとることになった。しかし、具体策はこれからだとい

う。 

地球の環境を変えたのは我々人間である。 私たちの子孫がこれからもこの地球に住んで行くためには少なくとも30年前の地球環境に戻す努力をしな

ければならないという。

躊躇する時間はない。 とりあえず木を植えよう。今ある森を守ろう。 夜はもう少し暗くても良いのではないだろうか。

 

 

15歳の環境保護活動家が、気候変動問題に対する各国指導者の不作為に苦言を呈した

 

 

 

 


里山に続く、落ち葉掻き、焼き芋の煙

2018-12-09 06:54:18 | Weblog

11月29日(3年生、4年生)を皮切りに、西小児童の里山整備活動が続いている。

12月3日(月)は5,6年生(122名) 12月7日(金)は1,2年生(103名)が自然体験授業として来訪し、落ち葉集めに汗をかいた。

まさしく「一生懸命!」の言葉がぴったり。 熊手やもっこを使い、落ち葉集めに奮闘した。 恐ろしいほどまじめに取り組み、大人たちの想定を超え

る範囲の落ち葉を集めてしまった。 引率した先生もこどもたちの隠れたパワーに舌を巻いていた。

作業を終了し、冒険広場に集合した子供たちは いよいよ自由時間の号令を待っている。「これから自由時間にします。でも、遠いところまでいかない

でくださいね。」と低学年担任ならではの言葉を加えた。

「ワーッ」という歓声とともに、全方位に駆け出した。

先生方も里山体験学習を評価してくれている。初めて西小に赴任し、里山体験学習に戸惑った先生も、森の中で弾けるような子供たちの表情に驚

き、感激する。 教室の中では見たこともない表情を垣間見て、その子に対する印象も変わるという。

こうした言葉を耳にすると、本当にうれしい。

 

先生ご自身、里山体験を子供たちと一緒に楽しんでいる風にも見える。 子供時代に体験することがなかった穴を、一緒に埋めている先生も多いのでは

ないだろうか。

この関係はこれからもずーっと維持したい。 私たちがまさに望んでいた関係である。 少子化、ゲーム機器の氾濫の中で、時には子供たちが誘い合

い、「今日は里山で遊ぼうぜ。」の合言葉。 自然の中で「くたくた」になるまで遊んでくれたらいい。

少年、少女時代に友達と自然の中で過ごした一コマに「里山授業」が残ることを願っている。

 


西小3,4年生「落ち葉さらい」体験学習

2018-12-01 05:57:36 | Weblog

11/29(木) 今日は西小3,4年生の自然体験学習の日である。 いよいよ11月も終わりに近づき、これから落ち葉さらい、枯れ枝拾い、の体験学習が目白押しとなる。 今年は特に暖冬で、落ち葉が少ない。木枯らし1号はまだ来ない。

この時期、五郎助山は熊手やもっこを使い、一途に落ち葉集めに没頭する子供たちの姿と、その笑い声に包まれる。 その姿は一見の価値があると思うほどだ。 この日も3,4年生約120名は一心不乱に落ち葉集めに狂騒し、予定の面積をはるかに上回る落ち葉をかき集めてしまった。

引率の先生も、この後の5,6年生、1,2年生の自然体験の時、落ち葉があるのかを心配するほどだった。

地球温暖化はこんなところにも及んでいる。 

急遽、副理事長と相談し、5,6年が来る((12/3)までに臨時作業を行い、下草刈りを早めることになった。

この日担当スタッフは6名(2名は焼き芋担当、4名は落ち葉さらい担当)。

焼き芋担当は、午前8時に着火し、熾火づくりを開始している。

 落ち葉さらいの担当はリアカーに、熊手、ほうき、竹かご、もっこ、てみ、を積み込み冒険広場に運ぶ。 子供たちのリックサックを置くブルーシートも用意した。

今回、新たに加入した会員も参加し、経験を積んでいただいた。

午前9:10分。かすかに子供たちの声が聞こえてきた。 ブルーのジャージを着た3,4年たちがやってきた。担任の先生を先頭にずんずんと森の中を進んでいる。 スタッフに集合の合図を送る。

冒険広場に全員が整列した。 子供たちの元気なあいさつの後、今日の仕事の内容とスタッフの紹介、今年は温暖化で落ち葉が少なく、温暖化防止のためにもこうした森を守って行きたい。というお話をした。

各自持ってきた芋を一輪車に学年ごとに集める。

 すでに3,4年生は昨年も体験済みなので各クラスに会員を一人付け、それぞれの持ち場に案内した。

そしていよいよ落ち葉集めの作業開始である。 それぞれ気に入った用具を持ち、一斉に落ち葉を集め始めた。 一心不乱という言葉があるが、まさに

熱気を感じるほどの張り切りようである。

 

さぼっている子供は一人もいない。瞬く間に、落ち葉はなくなり、その範囲は広がって行く。予定していた

場所に落ち葉は無くなり、更にその範囲を広げた。子供たちは自分の判断でさらにさらに作業範囲を広げ、予定の倍以上の面積が整備された。

引率の先生から、「次は5,6年生が来ます。さらにパワーがありますので、作業場を確保してくださいね。」と言われてしまった。

冒頭の臨時作業は、このいきさつから決定した。

作業が終了し、芋が焼きあがるまで自由時間となる。子供たちはこの時を待っていた。先生から「自由時間にします。!」と宣言があると「ワー」と歓

声が上がり、思い思いの場所に駆け出した。 

遊び方も心得ている。3,4年生もなると五郎助山は自分たちの庭だ。あちこちから歓声が上がり、笑い声が絶えない。

ひとしきり遊んだころ、笛が鳴った。 「よ~し、焼き芋だ!」 子供たちは知っている。森のあちこちから一目散に集まってきた。

一人一人にアツアツの芋が手渡され、袖に芋を包んで持ち帰る。 そして「頂きま~す」の合言葉で実食。 

森に静寂が訪れた。

芋をほうばる顔はどれも笑顔、笑顔。 働いた後の食事はうまい。 秋の風物詩となった落ち葉さらいと焼き芋。 子供たちの心にどんな風に残るのだろう。

自由に焼き芋が出来る環境が少なくなった現代。

この場所はとても貴重だ。この環境は無くしてはならないと改めて思った。