4月24日午後3時10分、雨がぽつぽつ降り出したので、家に引き上げお茶をしていた。受粉の手伝いに来ていた妹が、「あ、雹だ」と叫んだ。地面を見つめると小さい、白いものがぽんぽん跳ねている。まさしく雹だ。次第にその粒が増し、勢いよく地面をたたいている。かなりの時間が過ぎた気がした。「これはまずい。」とっさに梨の花が散っている姿を連想した。同時に里山の近くの山下さんから電話が入り、「今、雹が降り、庭一面雪が降ったようにまっしろになっている。梨の花びらはなくなってしまった。」との一報。ただ事ではないと悟り、直前まで受粉していた梨畑に向かった。多少花びらは散ったが思ったより被害は少ないようだ。
ほっとして家に帰ると、まもなく梨選果場の部会長と副部会長が血相を変えて家に入ってきた。梨の様子を見に来たのだった。道すがら梨畑を見てきたが場所により甚大な被害が出ているとのこと。すぐに役員が招集された。集まった方々の話を総合すると、旧関城町では下町、桜塚、板橋、花橋、付近がもっとも被害が甚大で、花田、関舘も相当の被害が出ているようだ。下妻の一部もかなりやられたらしい。
やっと花が咲き、葉も出てきたこのとき、機関銃のように空から雹が振って来たのである。やわらかい花はひとたまりもなかった。東北の大震災に続き、ここ関城の特産物の梨も甚大な被害をこうむることとなった。このところ梨農家は五年連続自然災害が続いている。
地球全体が狂いだしたような気がしてならない。
4月24日午前10時
受粉作業は順調だった。
4月25日午前7時撮影
(選果場付近・被害が大きい圃場)
梨の花びらが殆ど無くなっている。
葉もぼろぼろだ。 花は皆無に等しい。