里山日記

NPO法人「里山を守る会」における活動の内容。
その日にあった様々な出会いと、感じたことをつづりたい。

焼き芋とネーチャーゲーム

2011-11-30 19:08:35 | Weblog

11月29日、今日は西小3年生約60名(2クラス)が焼き芋とネチャーゲームを体験しに来る日だ。いつものように午前8時には積み上げた枯れ枝に点火し、約1時間かけて熾き火にする。子供たちは9時半に五郎助山に到着の予定だ。山下、八板、黒岩のお三方が焼き芋担当である。ネーチャーゲームは私と平田さんそして森さんに助っ人を頼んだ。

予定通り9時半ごろ里山の入り口付近から、甲高い声が聞こえ始めた。木々の間から黄色いぼうしが見え隠れしている。子供たちのご来場である。担任の先生に引率された子供たちはの顔はいつものようにニコニコだ。

「おはようございまーす。」元気な声が響いた。、いつもの場所に集合。リックサックからそれぞれ芋を取り出し、焼き芋のおじさんに手渡す。

子供たちを前に、「みんな上を向いてごらん。今年は葉っぱがまだいっぱい着いている。なぜだろう?」と尋ねた。すると一人の男の子が、「地球温暖化のためにおそくなった。」と答えた。「ふ~む。そのとおりだね。こうして自然のなかにいるとはっきりとそれがわかるね。」と応じた。子供の中でも温暖化という言葉は日常的になったのかもしれない。しかし今年は特別遅い気がした。

さて子供たちにはネーチャーゲームの前に、落ち葉を集め、焼き芋の場所に運ぶお手伝いをしてもらうべく、熊手、草刈かご、もっこを準備していた。子供たちは積極的に熊手、もっこを取り合いながら面白がって、あっという間に今日の分を集めてしまった。

 いよいよネーチャーゲームがはじまった。1組はカムフラージュ。平田さんと森さんが仕掛けをしている現場に子供たちを導いた。自然のなかにある人工物を見つけるゲームだ。一回ですべてを見つけるのは容易ではない。

2組は動物当てゲームから動物交差点へとゲームが移ってゆく。背中に動物のカードをつけ、自分がどんな動物なのか相手に質問をし、その答えをヒントに自分の背中についた動物を当てるゲームである。

11時になると焼き芋ができたたという報告があり、ゲームを終了した。

みんな焼きたての芋をほくほくしながら食べた。11:30分いよいよ学校に戻る時間となった。この後、給食だというが、給食の分は空けてあるとのこと。恐れ入りました。

 

12月1日は子育て支援の親子が約80名、五郎助山に来て、焼き芋体験をすることになっている。

当分は焼き芋が続きそうである。

 

 

 

 

 


焼き芋から異常気象を考える。

2011-11-15 04:03:44 | Weblog

初冬と言うのにちっとも寒くならない。タイではまだ洪水の被害が続いている。里山でもここ数年、木々の落葉が遅くなっている。

この時期は焼き芋体験の依頼が多くなる時期なのに、落ち葉の確保がとても大変だ。

今月だけで、すでに三件の要請が来ている。焼き芋はあらかじめ、枯れ枝や落ち葉を、芋を投入する約2時間前から燃やし、細かく、熱い炭の層を作り、その中に芋を入れ、上から落ち葉を載せる。

約1時間でおいしい焼いもができるが、約100本の焼き芋を作るには軽トラック5~6台分の材料が必要なのだ。

確実に温暖化は進んでいるようだ。自然の中にいると、それをはっきり感じる。今年は歴史に残る災害の年になってしまったが、来年が穏やかな年になる保障はない。むしろ、異常気象はこれから当たり前になるかもしれない。

科学者は以前から地球温暖化による環境の悪化に警鐘を鳴らしているが、その波が私達の足元にも確実に届き始めたと感じる。

今年、世界の人口は70億を超えたという。1年に6千万人が亡くなり、1億3千万人が生まれるという。(米国調査局と国連データからの推測)

又、1分に137人、1日で20万人、1年で7千万人、増えているそうだ。  食糧危機も叫ばれている。

石油の枯渇が近づき、表土と森が失われている。これから私達はどうしたらよいのか?

焼き芋をしながら、その辺のことをじっくり話し合える時間を持ちたい。

 

 

 

 


ボランティアと生業

2011-11-11 06:11:29 | Weblog

このところ里山関係の行事、用件が多い。

生業である農業・不動産業が低調だ。特に不動産についてはその名のとおりまったく動かない状況である。農業は季節と共に連動する作業であるから、その遅れはもろに収穫に影響する。「二足のわらじは履けぬ」、「二兎追うものは一兎をも得ず」とは先人が言った言葉であるが、仰せのとおりである。

しかし折り合いをつけながら進まなくてはならない。これから梨の剪定が始まり、里山では秋の自然体験活動が活発になる。どちらもとても大事な仕事だ。今までより少し肩の力を抜こうと思う。ボランティアと生業。私にはどちらも大事だ。

 

 


先進地NPO法人研修

2011-11-04 06:10:18 | Weblog

去る11月1日、2日と先進地研修を行った。里山を守る会では4年ぶりの宿泊研修である。当初22名の参加予定であったが2名が急用で欠席となり20名(内女性4名)の研修となった。

お天気にも恵まれ、副理事長である金沢さんの運転で午前8時にペアーノを出発した。金沢さんはレンタカーを経営する社長さんである。自らハンドルを握り、この道30年以上のベテランである。

まず1日目の研修先、牛久市の「うしく里山の会」に9:30到着。代表の坂さんが出迎えてくれた。パワーポイントによる会の構成、活動の様子を説明していただき、質疑応答に入った。

 説明する坂 理事長

うしく里山の会は平成18年より「牛久自然観察の森」の指定管理者となり、その運営を牛久市より受託し、正職員5名、非常勤8名の職員が配置されている。その外、あやめ園の管理業務等の受託事業と、自主事業(森林整備・自然観察出前講座・農業体験講座)を運営し、自主事業は殆どボランティアで行っている。

又、特別事業として市と協働で市内の巨木を登録(緑化推進課)し、その保全活動を行っている。その他、公開里山セミナー(農政課、緑化推進課)里山フォトコンテスト(観光協会、教育委員会)等を行っているそうだ。市の各課との連携がとても緊密で、殆んどの課の事業にうし里山の会が関係していると伺った。 この会の特徴的な部分である。

室内での研修のあと、森を案内していただいた。21ヘクタールという広大な敷地であるが、よく整備されていた。約20年前に環境省の補助事業で全国に10箇所作られたそうだが、現在、全国の自然観察の森の中で一番入園者が多いとのことであった。

特に指定管理者として運営されてから倍の入園者となったとのこと。(民間のパワー恐るべし)

里山を守る会においても今後指定管理者の受託、市との更なる協働という点について、大変参考になった。

又、里山フォトコンテストは私達のところでもすぐにでもできるイベントである。

 いろいろなクイズが要所にある。(答えは2枚目にある)

 途中、小学生の一団と遭遇。 近隣よりバスで着ている。

 野鳥観察所

 あずまや休憩所

 

うしく里山の会 http://u-satoyama.web.infoseek.co.jp/index.html

午前11:30分、坂理事長と記念撮影のあと、五郎助山での再会を約し、一路、長野路へと向かった。

途中、昼食をはさみ、碓氷峠を越える頃は紅葉も鮮やかに映え、両親が長野県出身という山崎さんの迷(?)ガイドによる車内漫談もあり、和気藹々の内に、今晩のお宿、戸倉上山田温泉に着いた。

一風呂浴び、6時から宴会となった。飯田さんのリードで次々にカラオケ曲がセットされ、いつの間にか全員が歌わされていた。

車内で大きな声でガイドをしてくれた山崎さん、なぜかカラオケの前では声が小さかった。

11月2日(火)快晴。

宿を8時に出発し、目指すは菅平高原。約1時間でNPO法人やまぼうしさんの事務所に着いた。丁度、理事長さん、事務局長さんが準備を終えて、事務所に戻られたところだった。

とりあえず事務所の中を案内していたき、その後、活動拠点に移動した。

 

 各イベント募集が所狭しと並んでいた。

  加々美理事長さんはやまぼうしのホームページの中でセレブぽい雰囲気を醸し出しているお嬢様タイプと表現されているが、そのとおりの方で、事実、グラビアの表紙を飾った経験もある日本的な美人の方だった。

 事務局長の瑞慶覧(ズケラン)さんは珍しいお名前ですが沖縄出身の方で、小柄でキュート、バイタリティー溢れる方でした。

 地元旅館組合の土地を借りて活動している。(炭窯)

 キャンプ場

 女性6名、男性1名のスタッフと100名を超えるインタープリター(自然案内人)が登録されており、年間2万人を超える、子供達を受け入れているという。(全国の学校からの体験学習依頼が来ている。)

 

旅館の一室を借りての研修

NPO法人やまぼうし自然学校 http://yamaboushi.org/

やまぼうし自然学校のスタッフ6名はこの活動(仕事)が本業であり、自主事業はほとんど有料となっている。年間4000万ほどの売り上げがあると聞いて驚いたが、人件費、賃借料、その他で決して楽ではないということだった。

ちなみに3泊4日のキャンプ体験は一人4万円ほどかかるそうだ。(年間10回開催・1回約40名)

自立した経営を行うというのは私達の想像を超える苦労がおありだと思うが、良くぞここまでやってこられたと心より敬意を表する次第である。

「里山を守る会」が今後どのようなNPO法人を目指すのか?そのヒントを求める研修でもあるが、会員それぞれ、感じたものが多かったと思う。

私は「里山を守る会」の独自性(アイディンティティ)を大事にしながら自立した経営を目指すべきであると・・・・

加々美さんが研修終わりにある方の言葉を引用された。物事を進める上で大事なことはたくさんあるが、なすべきことへの「情熱」が一番大事である。との言葉に深く共感を覚えた。

久しぶりの宿泊研修であったが、実りある研修ができたと思う。次回は更に多くの会員に参加していただこう。