里山日記

NPO法人「里山を守る会」における活動の内容。
その日にあった様々な出会いと、感じたことをつづりたい。

老人と園児の交流

2012-11-24 05:33:11 | Weblog

11月22日(木) 今日は「杏の会(会長・小林貫誠さん)」主催による五郎助山での施設入居老人の「里山探訪と焼き芋を食べて、園児と遊ぼう!」が開催された。

毎年この時期になると関城地区にあるボランティア団体の「杏の会」が企画し、当会がお手伝いをしている。昨年は原発事故により中止となったが、今年は地元、認定関城こども園の園児約50名との交流を目的に再開された。

当日は前日の雨も上がり、まずまずのお天気でほっとした。担当の会員はいつものように午前8時にはこの日にために用意した焼き芋用の材料に火をつけ、熾き火の準備に余念がなかった。今日の焚き木は西小5,6年生が用意してくれたものだ。

 

300本の焼き芋を完成させるにはかなりの材料と炎熱対策が必要である。(顔皮にやけどを負うことがある)

※ 火災と間違わないよう、毎回、消防署(関城分署)に届出をしている。

少し肌寒いのでお年寄りのために、いすの中央に焚き火を用意した。

 更生保護女性会(関本支部)の皆さんも応援に来てくださった。(赤いシャツ)

午前9:40分 園児たちを載せたバスが到着した。

 初めて五郎助山に来た園児もいた。

園児たちが持ってきたサツマイモを熾き火にいれ、縄で作った輪の中に園児たちを入れ、森の中や、池の周りを大人が先頭に散歩した。

途中、落ち葉の集積所のところで冬眠中のカブトムシの幼虫を見つけて大興奮。

約1時間の散歩を終了する頃、焼き芋が出来上がっていた。

 

この日参加したお年寄りの皆さんも焚き火を囲んで~ほっかっ、ほか~の芋に満悦のご様子。

子供たちと施設のおじいちゃん、おばあちゃん。園児たちは、握手(タッチ)をしてつかの間の里山の秋を惜しみながら迎えのバスに乗り込んだ。

 子供たちと握手をし、涙を流す、おじいちゃんもいた。

雨が降らず本当に良かった。

次回は、杏の会、子ども園、里山を守る会が、事前協議を重ね、より良い交流会になる様、協力し合うことを再確認した。

 

 

 

 

                                      


先進地研修

2012-11-21 18:15:47 | Weblog

11月18日、19日と二日間に亘り、静岡県富士宮市のホールアース自然学校を視察研修した。

一日目は近くにある身延山に登り、紅葉を楽しんだ。宿泊は近くの一軒宿に泊まった。後半のカラオケは大いに盛り上がり、全員が歌った。

 宿の夕食(ししなべ)

翌日、メインイベントであるホールアース自然学校に向かうべく午前8時に宿を出発。途中、国道とは思えないほど狭い山道を抜け、しばらくして人家が見えたときは正直ほっとした。

街道から一つ中に入った道を進むと意外なほど小さい看板に驚いたが、駐車場にはすでに松本さんという若い女性職員の方が待っていてくれた。

まず研修室の方へ案内され、本日、私たちに講義をしてくれる井戸直樹さんを御紹介いただいた。井戸さんから「里山を守る会」の概要を改めて紹介してほしいというので私から御説明した。

 研修室の前のあるクライミングウォール

井戸さんから施設を一回りしたあと、再び研修室に戻り、ホールアース自然学校の組織や理念、質疑応答に移りたいとの提案があり、まず井戸さんを先頭に施設を一回りした。 敷地面積は約2.5ヘクタールあるという。

 鶏(コーチン)を飼っている。

田畑あわせ約70アールほど耕作し、自給自足しているという。特に田んぼはアイガモを導入し、草取りをしているという。(私も20年アイガモ農法をやっている。といったら「それじゃ先輩ですね。」と言われた。)イベントに参加した親子の了解を得て、成長したアイガモをし、それを調理し、命を頂く、ということを考えてもらっているとのお話に、なるほど、と思った。

 事務所と関連施設

 高低差があるため板敷きの通路が作られている。

                                     これも職員手作りだそうだ。

 展望台(富士山が前方に迫る)

 この日はあいにく雲がかかっていた。

 この板敷きの上でテントを張るという。

 一回のキャンプで30~40人が参加

 敷地を降りると清流が待っていた。

                                    夏はここでカヌーや水遊びをするという。(うらやましい所だ)

 研修室に戻り、講義を聴く。

研修室に戻り、いよいよホールアース自然学校についてのレクチャーを受ける。1982年、当初、動物農場として開設。1983年学校向け自然体験教室、キャンプを開始。今年で30周年を迎えるという。現在の正職員は38名。

1年間の研修期間があり、それを経て、採用・不採用が決まるという。富士山本校のほか沖縄校(がじゅまる自然学校)、新潟校、神戸六甲校などがある。

全体の売り上げは2億4000万円というからすごい。しかしほとんどが人件費ということだった。環境省からの指定管理者の指名を受け「田貫湖ふれあい塾」も運営。大きく7つの事業を展開している。

1、自然体験型環境教育プログラムの開発・実施                                                            

2、地域資源の調査・研究                                                                               

3、 人材育成

4、災害救助活動

5、国際協力

6、観光交流による地域振興

7、企業との協働     

である。

3時間という限られた時間での研修だったので、もう少し聞きたいこともあったが、私たちのこれからの活動に多くの示唆を頂いた。里山を

守る会でも実現できることがいくつもあると感じた。

昨年は長野県のやまぼうし自然学校を研修し、今回は自然学校では老舗といわれるホールアースさんを研修地に選び、おぼろげながら

目指す方向が見えてきたような気がする。いよいよ来年度から当会でも「わんぱく自然塾」がスタートする。研修の成果を子供たちにぶつけ

てみたい。里山を守る会らしい自然体験プログラムも開発したい。

 ホールアース自然学校 http://www.wens.gr.jp/   

 やまぼうし自然学校   http://www.yamaboushi.org/      

 

 

 

 

 

 

 


ソロプチミスト 第33回贈呈式 出席

2012-11-11 06:44:27 | Weblog

11月8日(木)札幌コンベンションセンターで開催された第33回 「ソロプチミスト日本財団」主催の贈呈式に推薦してくださった「SIつくば」の加藤会長他2名の皆様と出席させていただいた。

午前9時、羽田を飛び立ち、10:35分、新千歳空港に着いた。新札幌駅に11:30着。会場の札幌コンベーションセンターには11:40分に着いた。

午後2時式典開始ということであるがすでに大勢の関係者が到着していた。 会場となる大ホールは2500名収容という巨大ホールである。 ちなみに今回参加された人数は約1800人だそうだ。

 会場にて(私の隣が加藤会長)

 

 とても大きな会場だ。

所定の手続きを済ませ、主催者がご用意してくださった昼食会に加藤会長と二人出席した。ソロプチミスト日本財団の田中 田鶴子理事長の御挨拶の後、昼食会となった。

午後2時より開会式が始まり、高橋はるみ北海道知事(副知事代理出席)、植田文雄 札幌市長が来賓として御出席された。

贈呈式の前に外部審査委員として高島 肇久氏(元NHKロンドン支局長・解説員)より講評があり、千 嘉代子賞(初代・理事長)を受賞さ

れた藤野 正二さんの功績に触れられ、その内容に私も心打たれた。

贈呈式は「社会ボランティア賞」・「学生ボランティア賞」・「社会貢献賞」・「千嘉代子賞」・「ソロプチミスト日本竿団活動資金援助」の順に行

われ、私たちの団体は最初の「社会ボランテイア部門」である。60の団体、個人が表彰された。受賞者と推薦SI代表者が登壇し、各々が

田中理事長より表彰状を手渡された。 各団体の活動写真が会場の大スクリーンに映し出され、短めの解説が付いた。

次に 

 学生ボランテイア賞15団体(個人・団体)

 社会貢献賞 5名(大平まゆみさん・藤野正二さん・田崎和江さん・福武總一郎さん・黒崎伸子さん)

 千 嘉代子賞   藤野正二さん

 ソロプチミスト日本財団活動資金援助  20団体

以上である。

 

 

特に 千 嘉代子賞 を受賞された新潟県の藤野正二(ふじの しょうじ)さんは1980年カメラマンとしてエベレストの写真を収める為、ネ

パールの山村を訪れ、その劣悪な環境に衝撃を受けたという。特に学校に通えない子供たちに校舎を建てる援助を行い、今まで5校の建

設を支援している。その情熱がネパールの政府を動かし、昨年までに郡の42集落全てに学校が出来たという。

 特筆すべきことはネパールの山村では生活力が身に付く30歳前後の男性が、12~13歳の女児と結婚する習慣があり、肉体的にも未

熟な女児が結婚し、妊娠・出産するため支援開始当時の母子死亡率が70%強。無事出産してもすぐ労働を強いられる状況に驚愕した藤

野さんは村の大人たちの考えを変える必要性を痛感し、日本の産婦人科の協力を得て女性の結婚や出産に関する教育を始めた。多くの

男性が反対する中、20年以上をかけて地道に活動を続け、女性は18歳まで結婚しないという習慣を定着させ、その結果、出産時の母子

死亡率も改善され、ほぼ皆無になったという。(推薦文より抜粋)

 受賞に際し、藤野さんからのコメントがあった。当時、12歳で結婚した女児の結婚式に招かれ、翌年その女児の嫁ぎ先に再訪問したとこ

ろ、出産時に体調を崩し、女児は生まれたばかりの赤ちゃんと共に亡くなったことを知らされたという。言葉を詰まらせながら語る藤野さん

に私も胸が詰まった。 

「私は、しかし、重要なことを忘れていました。私の後継者を育ててこなかったのです。私がいなくなった時、又、昔の風習に戻るのではな

いかと不安でたまりません。これからそのことに残りの人生をかけたいのです。」とおっしゃった。

 知らないところですごい方がこんなにいるのかと思い知らされた一日でした。

 この受賞に恥じない「心」を持って、活動を継続しなければと思っています。そして後継者づくりも忘れずにしなければなりません。

ちなみに社会ボランティア賞の副賞として20万円の目録を受領しました。

有効に使わせていただきます。

 「千 嘉代子賞」の藤野さん(左)、右はSI上越(推薦者)

 SIつくば 加藤清位会長と共に

 左から 大久保さん、中川、加藤さん、高塚さん

 ソロプチミストhttp://www.soro-jpf.net/


正倉院展

2012-11-06 16:13:32 | Weblog

10月30日~11月1日まで京都・奈良に行って来た。本命は奈良国立博物館で開催中の第64回正倉院展である。

妻と二人、ツアーで参加した。第一日目は比叡山延暦寺に入り、横川・西塔・東塔を参拝した。

  横川中堂

 西塔 釈迦堂

 東塔 根本中堂

延暦寺は1571(元亀2年)に織田信長の焼き討ちによってほとんど消失してしまうが、13年後の1584年に山門が復興されたという。

 当時のままで各御堂が残されていたらすべてが国宝になっていたかも知れない。信長は良くも悪くも日本の歴史を変えた特異な人物だったようだ。

二日目は京都御所と大原・三千院を拝観した。

 京都御所前

 御所、車寄せ

 玄関に飾られた生け花

 紫宸殿(重要な儀式を執り行う正殿)

写真は右近の橘↑

  左近の桜

そのあと大原・三千院に参拝

 三千院山門

 こうした地蔵が苔むした庭にある。

(恋に疲れた女連れが多かった)

 山門前の茶屋で食べた鯖寿司定食 (おいしかったです。)

その後、東山慈照寺(銀閣寺)と足を伸ばす。

 

 暗い室内へ光を反射させる効果もあるという

 祖父・足利義満が作った金閣寺(鹿苑寺)はきらびやかな建築であるが

侘び、さびのたたずまいを見せる義政公の銀閣寺にとても惹かれた。 銀閣寺を出て「哲学の道」を歩いた。

 晩年、法然上人が過ごしたという法然寺に立ち寄る。現在の貫主である梶田真章さんの文章を掲載した機関紙が境内にあったので一枚

頂いた。「寺は仏法を伝える場としてはほとんど役割を果たさず、先祖供養、現世利益、観光、駐車場経営、墓地管理で今日まで維持管

理されてきた。時代は流れ、墓を建て、花や菓子を意のままに供えられるようになると、故人は墓の下に眠っていると信じられ、浄土に

往生し、成仏されたとは信じていただけなくなりました。手向けの花も一輪に感謝と追悼の想いを託すからこそ尊いのであって、昨今の葬

儀の際の供花の大量消費はもったいないというほかありません。」という文があった。

私も漠然と、お寺の役割はいったいなんなのかという疑問をずーと持っていたので、仏門にいる方が、お寺さんの現状に危機感を持ってい

る事を知り、なぜか安堵しました。日本の仏教会は世の中にどのような貢献をしているのか?何のためにお寺があるのか?もう一度原点

に帰るべきなのではないか・・・・  などと思った。

 

つづく