里山日記

NPO法人「里山を守る会」における活動の内容。
その日にあった様々な出会いと、感じたことをつづりたい。

都市農村交流事業 晴天の下開催

2016-05-23 05:06:59 | Weblog

去る5月21日(土) 台東区と筑西市による都市農村交流事業(台東区蔵前小児童51名・PTA39名、関城西小22名、関城東小15名)が予定通り、筑西の里山「五郎助山」で開催された。

お天気にも恵まれ、初夏の里山での自然体験を3校の児童が混ざり合って楽しんだ。 前日から会場の準備を進め、総勢180名近い参加者の昼食用意もあり、炊飯のため女性会員は早朝5時に五郎助庵に集合した。天ぷらとして提供する7種類の野草も前日から採取し、万全を期した。

  会場の準備 

 前日から記念品の準備 

歓迎の看板設置、会場の準備も整い、西小、東小の児童も家族に送られ、あるいは自ら自転車に乗って会場に到着した。主催者である筑西市農政課の面々も次々に到着し、次第に歓迎ムードが高まって行く。赤荻教育長、関城西小田宮校長、東小須藤校長も到着された。

その時、おもいもよらぬ情報が私の自宅から携帯に届いた。蔵前小の皆さんを乗せたバスが高速に上った直後に、事故渋滞に巻き込まれ、まったく動ず、何時に現地に到着するか見当がつかないという内容だった。担当の農政課に連絡をとったがつながらないため、私の自宅に掛かったらしい。一瞬頭の中が真っ白になった。間もなく担当の農政課齋藤さんとお会いし、確認するとすでに同じ情報が彼にも届いていた。時計を見ると8:30分を少し過ぎていた。順調なら丁度、守谷サービスエリアを出る時間である。少なくても1時間は到着が遅れることは確実となった。

到着した来賓の皆様、主だった会員に現状を報告する。一様に難しい顔でうなづいてくれた。私たちにはどうすることもできないことであるが、最悪のシナリオが頭をよぎる。

子供たちには今のところ何も知らされず、屈託なく遊んでいる。早速、農政課、守る会の事務局長、講師の小幡先生にも集まっていただき、善後策を検討した。結果、開会が1時間から1時間半遅れを想定し、この後予定されている協和地区での小玉スイカ収穫体験をずらして頂けるか確認を取り、状況の好転を待つこととなった。

しかし、集まってくれた子供たちにはこれから約2時間近くそのまま待っていてくれとは言えない。小幡先生と相談し、関城西小、東小のみで、植物観察会を予定通り開催し、本番に備えた予行演習の形を取ることにした。両校の児童に集合をしていただき、現在の状況を説明し、小幡先生を先頭に、森の中の植物体験スポットに子供たちを誘導した。

 一足先に観察会  

当初不安げな顔でついて行った子供たちも博物館学芸員という豊富な知識と巧みな話術で瞬く間に小幡ワールドに引き込まれ、落ち葉の集積場で見つけたカブトムシの幼虫に大興奮。いつの間にか両校の校長先生も子供たちと一緒に小幡先生の講義に聞き入っていた。

 カブトムシの幼虫を手に載せる 

その時、担当の齋藤さんから連絡が入り、蔵前小の子供たちを乗せたバスが、渋滞を抜け出し、約1時間遅れで五郎助山に到着出来るという。(これならほぼ予定通り、植物観察会も、里山遊びも出来ることになる。)ひとまずほっとした。

情報通り、約1時間遅れの10:30分に選果場の駐車場にバス2台が到着したと 出迎えの瀬端副理事長より連絡が入った。全員トイレを済ませ、神作会長、針谷校長を先頭にずんずんと森の中を歩いて来る。お二人は今回で3回目の訪問となる。会員の誘導に頼らず、遅れを取り戻すかのように速足で進んでいる。

 森の中をずんずん進む蔵前小の皆さん

会場入口には須藤筑西市長を始め市関係者、西小、東小の児童、先生方、会員が2列に並び蔵前小の児童、PTAの皆さんを待っていた。盛大な拍手と歓迎の言葉に迎えられ、蔵前小の皆さんは照れくさそうだった。市長の日程で記念撮影を先に行い、用意された100席の撮影場所に子供たちを誘導した。今回は東小の児童も参加してくれたので4段の階段を設営した。

 ちっくんもお出迎え 

そして全員が冒険広場に合集し、念願の開会式が始まった。須藤市長、神作PTA会長、田宮関城西小校長、針谷蔵前小校長のご挨拶があり、赤荻教育長、須藤関城東小校長のご紹介の後、私から里山(五郎助山)のこと、今日の日程についてお話した。

 総勢約180名の参加者が終結 

続いて今日のメインイベントである植物観察について小幡先生よりお話があり、観察会のサポートを務める会員5名が紹介された。その後、三校の児童を二組に分け、それぞれ森の中に入り、遊歩道を歩きながら五郎助山に生息する植物の説明を聞き、天ぷらにして美味しいギボウシ、ツリガネニンジンを採取した。その後6班に細分化。森と水辺を行ったり来たりしながら、環境により変化する植物の違いを勉強した。

 森と水辺を行ったり来たり 

そのころ、冒険広場の会場では会員が3つの大きな天ぷら鍋で山もりの山草を汗だくになって揚げていた。何しろ180人分の天ぷらである。しかも7種類もある。揚げたてを種類ごとにテーブルに並べ、揚げる前の写真を立てた。

子供たちが森から会場に戻って来た。「あ~ お腹空いた」と誰かが言った。天ぷら油の香ばしい香りが食欲をそそる。早速手を洗い、揚げたての山菜てんぶらが山のように並ぶテーブルの前に班ごとに集合し、バイキング形式で、タラの芽、ツリガネニンジン、柿の葉、ウド、ギボウシ、ウコギ、お茶の葉が次々と箸で挟まれトレイに盛られて行く。

 各自トレイに天ぷらを盛る 

今回も無農薬のアイガモ米のおにぎりと、味噌汁が付いた。各自、思い思いの場所で楽しい野草の昼食会が始まった。

 初夏の森の中、昼食は格別 

私が提供したアイガモ米も評判が良く、「おにぎりもおいしい」と言ってくれた。筑西市のふるさと納税の一覧に載っているので、是非ご覧ください。とPRを忘れなかった。味噌汁もお替りが続出し、大なべ2つがあっと言う間になくなった。

女性会員は早朝から30kのアイガモ米を炊き、おにぎりを作り、味噌汁、漬物、すべて180人以上分用意し、忙しいことだったと思う。16年以上、裏方として、私たちの昼食を毎回作っていただき、特にこうしたイベントには欠かすことのできない存在である。この方々の後継者もこれからの課題だ。

 釣りがやっぱり大人気 

さて、お腹を充分に満たし、子供たちは自由時間だ。釣り、ターザンロープ、ハンモックに分かれ、約1時間好きな場所で三校の児童が入り乱れて遊んだ。あっという間の3時間が経過し、お別れのセレモニーが始まった。

各校から代表者が今日の感想を述べ、「西小、東小の皆さんがとても親切にしてくれてうれしかった」と蔵前小の代表者が言ってくれた言葉が印象に残った。

 各学校の代表者が感想を述べる

 記念品のペンダントを送る

迎えたときと同じように2列に並び、蔵前小のお友達、お父さん、お母さんを見送った。

 来た道を帰る蔵前小の皆さん

私たちは、駐車場までついて行き、2台のバスに「またきてねー」と手を振った。 バスは農政課の職員が先導する車の後につき、次の体験学習の場である協和地区の小玉スイカのビニールハウスへと出発した。

当初、思いがけないアクシデントが発生したが、お天気に恵まれ、ほぼ予定通りの内容で日程が消化でき、本当に良かった。

西小、東小の子供たち、先生方にもご協力力いただき、感謝している。

秋(11月)もまた、予定されている。

 


第13回「NPO法人里山を守る会」通常総会終了

2016-05-16 03:48:37 | Weblog

昨日(5/15〕河内公民館において第13回通常総会を開催し、来賓として赤荻教育長、須藤関城東小校長、田宮関城西小校長、堀江関城中校長、認定関城こども園山田園長、大谷生涯学習課長、關農政課長の皆さんがお忙しい中、ご出席頂いた。

1号議案(平成27年度事業報告の承認)2号議案(27年度活動決算等の承認)3号議案(定款変更の承認)4号議案(28年度事業計画(案)の承認)5号議案(28年度活動予算(案)の承認)を上程し、審議の結果、全議案、可決承認を頂いた。

27年度は新たな事業(都市農村交流事業・社会貢献事業)が2つ加わり、忙しい年度となったが、いずれも受託事業であり、当会の知名度、存在価値を高める事業となった。

一方で、総会の挨拶でも申し述べたが、事業量が増加し、仕事を持ちながら事務局を担当する二人の会員はまさに東奔西走、毎日、里山を守る会のことが頭から離れない日々だったに違いない。私自身、慣れているはずの家族から苦情が噴き出した。

専従の事務員を雇用しなければならない状況であるが、まだ、安定的に給与が支給出来る財政でないのが悩みだ。子どもの笑顔と、事業達成感がいわば報酬である。会員すべてがそんな感じである。

これからもこの事業を継続するには、現在の状況を甘受していては後継者が育たないし、核となる会員が二の足を踏んでしまう気がする。 NPOも企業感覚が必要なのだ。

3号議案として定款変更を上程させていただいた。正会員の定義、新たな会員制度の創設(ジュニア会員、家族会員)等の変更である。

きっかけは昨年、男子中学生の保護者から「息子が正会員にどうしてもなりたいと言うので加入させてください。」と、私に電話があった。私も良く知っている子で里山キャンプに3回連続参加し、中学生になっても後輩の指導を手伝ってくれた頼りがいのある男子である。

 定款を見ると年齢に関する規定は無く、原則 何歳でも加入出来ることになるが、年会費、定例作業、総会の議決権、等、小学生、中学生にはなじまない項目も多種あり、即答できる状況になかった。

お父さんに事情を説明し、理事会で今後検討するお約束をして了解していただいた。

思いがけない申し出にちょっと驚いたが、一方でとても嬉しい出来事だった。それから内々に、未成年者の会員制度について参考となる資料を調べ、県自然博物館の友の会制度に注目した。そこには賛助会員の他に子供会員、家族会員の項目があり、これをヒントに、事務局と検討を重ねた。

一つの案が宮本さんから提示され、理事会で検討された。皆、法律に関係する事案なので確信が持てず、県NPOの相談窓口に改正案をメールで送り、専門家に見ていただいた。その後、担当者より電話があり、疑問点が提示された。そのことを宮本さんにお伝えすると、直接、水戸 旧三の丸庁舎内にあるNPO関係の事務所に出向き、担当者と調整してくれることになった。

その結果が今回上程された3号議案である。正式には県NPO担当室の承認を得ないと発動されないが、当会の新たな発展(若年層の開拓、後継者の育成)にもつながる大きな一歩になるはずである。

また、今年度の新規事業として「みんなで森を再生しよう!(仮称)」を計画している。                       昨年、有難いことに、企業から森林整備のボランティアの申し込みが 相次いだ。当会の作業日に合わせ、地元企業である関彰商事(株)、(株)富士通テレコムネットワークス関城、下館ローターアクトクラブの皆様が会員と一緒に汗を流し、里山カレーを食べて頂いた。

近年、企業の社会的責任(CRS)の一環として森林等の環境整備に積極的に社員が参加することを奨励する企業が増えているという。

この機を逃さず、行政と連携し、市内の企業、団体等に呼びかけ、1月下旬に落ち葉さらい、枯れ枝拾いを体験していただき、身をもって環境保全に関わっていただき、お礼に落ち葉で焼いた焼き芋をご馳走する計画である。この企画を通じ、当会の活動を知っていただき、出来れば賛助会員となっていただきたいと秘かに願っている。

もちろんご家族での参加も大歓迎で、各層からなる大規模な落ち葉さらいを今から楽しみにしている。

 

 

 


植物観察会

2016-05-12 04:27:05 | Weblog

5月7日(土)植物観察会(一般募集)を開催。

お天気にも恵まれ、30名の親子で楽しく、美味しい植物観察会が出来た。 当初申し込みが低調で、「今回は参加者が少ないなー」と思い

、森のようちえんのお母さん方に呼びかけて頂いたところ、直前に、定員となった。改めてラインの威力に驚いた。

 会場に集まる参加者  (受付)

講師はおなじみの県自然博物館の学芸員「小幡和男」先生である。丁度この時期、五郎助山名物「キンラン」、「ギンラン」も咲き始め、

絶好の観察会となった。

 講師は小幡和男先生 

約1時間、五郎助山の散策コースに沿って小幡先生の楽しく、興味をそそる説明を聞きながら、植物の名前と特徴を教えた頂いた。

とても貴重な、クモキリソウ、サイハイラン、フタリシズカ、等も観察し、ちょっぴり専門的なお話もしていただいた。

 ケーブルテレビも取材中

 ホウチャクソウの群生地

 教わった植物をイラストに描いている。

里山は人間がほどほどの整備をすることにより、様々な植物を復活させることに役立っていることを改めて学んだ。

その後、各自 美味しい山菜をかごに摘み、会員が待つ、天ぷら会場へ・・・選別の後、男子会員が見事な箸さばきで、

摘みたての山菜を天ぷらに揚げて行く。「ジュッ」という音と香ばしい油の香りが食欲をそそる。

 男性会員による天ぷら揚げ

バイキング形式に並べた7種類の山菜を各自トレイに取りながら、塩でいただく。女性会員手作りの「おにぎり」も配られた。

見慣れた光景であるが、お母さんも子供たちも、微笑んでいる。

  天ぷらバイキング  

シートを広げ、初夏のピクニック気分で揚げたての天ぷらとおにぎりをほうばっていた。

来年も「春だ! 観察会だ! 山菜天ぷらだ!」が楽しみである。