里山日記

NPO法人「里山を守る会」における活動の内容。
その日にあった様々な出会いと、感じたことをつづりたい。

令和の米騒動

2024-08-29 04:58:50 | Weblog

テレビや新聞で「令和の米騒動」というタイトルで連日報道されているが、米(愛がも米)を出荷している現場の一員としてこの現象について述べてみたい。

実際、私が卸している道の駅「グランテラス」でも、つくばイーアスの売り場にもおコメの在庫がほとんどない状態で、特にグランテラスでは8名から9名の生産者が出荷していましたが、現在私を含め3名の方のお米しか売り場にない状況で、私も毎回、精米・玄米合わせて約30キロを出荷していますが、最近では2日で店頭から無くなり、その都度、駅長から出荷要請ががかかっています。

うれしい悲鳴とも言えますが、私自身、家族、契約米の関係もあり、応じられていません。 

昨日、常総市の294号沿いを通過すると、ついに稲刈りも始まり、9月中旬にはかなりの新米も出回り、ほどなく「令和の米騒動」も落ち着くと感じています。

今回騒動の大きな原因は昨年の異常な高温がもたらしたコメの等級下落、それによる精米の歩留まりが低下したこと、インバウンドによる需要の増加などが指摘されています。

しかし、各JAの倉庫には平年並みの在庫があるとの報道もあり、正確な原因が今一つ分かりません。卸業者が出荷を絞り、価格操作をしているとのうわさもあり、平成5年に起きた東北の冷害による米騒動を思い起こしました。

現在、米麦を主体とした普通作農家は規模の拡大を進めています。関本地区の広大な水田は約6,7軒の担い手農家(農業法人)が栽培を委託されており、1軒で30ヘクタールを超える受託面積を有している方も居り、管理能力が限界に近付いている気がします。

10年前、田植えの時期は各農家の軽自動車が農道を埋め尽くし、なかなか通れない状況でしたが、現在では大規模農家の車と田植え機くらしか見当たらず、まさに隔世の感という思いです。

その大規模農家においても後継者不在、高額な設備投資、労働力不足がささやかれ、決して順風満帆とは言えません。何よりも主食である米価が安く、将来に不安を抱える経営者が少なくないと感じています。

私はいわば趣味でコメ作りをしていると思われている変人ですが、担い手農家といわれている方々が、米作りに失望したとき、耕作をあきらめたとき、日本の農業はどうなるのでしょうか?

輸入をすればいいという簡単な問題ではありません。

まず、米価の最低保証をすることだと思います。 米作りに限りませんが、野菜においても、今後、温暖化、異常気象が恒常的に起きることを想定し、食料を生産する農家・企業に対し、再生産可能な価格保証が重要になると確信しています。

軍事力による安全保障とともに、食料安全保障が、70%輸入に頼る日本において、喫緊の課題だと感じています。

 

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猛暑続く!

2024-08-04 03:06:38 | Weblog

35度以上の猛暑が続いている。今、梨(幸水)の収穫真っ最中であるが、朝6時から作業に入り、午前中には作業を終える日々が続いている。

5時からでも作業は可能だが、熟度の色合いが6時すぎないと判断が難しい。今年はカメムシの大発生で、梨の実が変形し、出荷できない果実が相当数発生している。

春先からカメムシ大発生の予報が出ており、それなりの防除をしてきたが、多目的ネットを張っていない圃場は壊滅的な損害が出ている。選果場に集荷されるコンテナの数も例年よりかなり少なく、そのため価格も高騰している。

とにかくサウナの中で作業をしている状態で、命がけの収穫作業だ。 これはかつて経験したことのない状況で、高齢者にとっては来年以降、梨栽培を続けるかどうかの判断に影響を及ぼすと感じている。

温暖化の悪影響は数年前より肌で感じていたが、今年はそのステージが一段上がった感覚である。 果樹に限らず、農作物全般に赤信号がともり始めた気がしてならない。 私の目の黒いうちに世界の食糧事業が一変するかもしれない。 

世界では今年も大規模な山火事が発生し、カナダで発生した山火事はその煙がアメリカにまで達し、大リーガーの試合まで中止に追いやったとのことである。 あまり大きく報道されていないがシベリアでも大規模な森林火災が今年も発生している。

もはや温暖化の進行を止めることができないのかもしれない。 世界的な異常気象は恒常的となり、人的被害も甚大であるが、農作物の被害は人類を飢饉にさらす。

戦争をしている場合ではない。 地球の危機が目の前に迫っている。世界の英知を結集し、いくらかでも温暖化を遅らせる対策をやれることから始めなければならない。 一人焦っても仕方ないことだと思うが、胸騒ぎが収まらない。

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