里山日記

NPO法人「里山を守る会」における活動の内容。
その日にあった様々な出会いと、感じたことをつづりたい。

総会近づく

2021-05-12 03:53:05 | Weblog

5/15日(土)に令和2年度総会を予定している。

昨日、監事より会計と共に監査を受けたが、収支がかなり厳しく、このままだと活動がまたボランティアになりかねない状況になっている。

賛助会員の減少、会員の減少、そしてコロナのため、各種イベントは中止となり、原資となる資金が底を着き始めた。

「NPO法人はボランティア団体ではないよ。活動を継続したければ、しっかりと利潤を考えなさい。」十数年前、当時キープ協会(現公益財団法人キープ協会)の川島直さんに指摘され、そのための準備や、努力をしてきたつもりだったが、厳しい現実が迫っている。

理事、会員に対し、事業の継続には資金が必要で、どんな良いことでもボランティアには限界があることを機会あることに主張してきたつもりであったが、いまだ十分に浸透していない。

当会は、企画力、人材は豊富で、五郎助山・丸山という、とても価値のある里山を利用できる立場にある。また、自然体験の指導ノウハウも、国内の自然学校に引けを取らないと思っている。

問題は、各種自然体験(各種観察会、キャンプ等)の料金体制を安価に抑えているため利益が出ないということである。

ボランティアから始まった活動のため、料金を取るということに大きな抵抗があり、少しづつ改善はしているが、今後、

料金体制の見直しや、参加者への理解、啓発の努力も併せて進めていかねばならない。

市から里山の整備管理費として年間39万円を頂いているが、五郎助山、丸山合わせて約6ヘクタールの整備管理には月1回~2回(20人から30人)の作業を行っているが、とても足りなく、各種助成金に毎年応募し、運よく採用されて、しのいでいる。

里山に訪れる方々の「ここはとても整備されて、安心して癒されます。」「子供たちが、自由に遊べていいですね。」の言葉に励まされ、頑張っている。

この場所は、行政や地主さんの協力を頂きながら地域の憩いの場所、子供たちの自然体験の場所として永久に保全して行きたいと願っている。

しかし、それには労働力と資金が必要である。

 

 


第8期「わんぱく自然塾」開催

2021-05-10 04:13:57 | Weblog

5/9日(日)第8期「わんぱく自然塾」が予定通り開催された。暑くもなく、寒くもなく、まさに五月の太陽と心地よい風が森を抜け、絶好の開催日となった。

今年もコロナは終息していないが、里山(野外)という環境を活かし、感染対策をしっかり行い、実施した。

市内20校の小学校のうち9校、24名(男17・女7)の児童が応募してくれた。うち19名は初参加である。

また、サポーターとして中学生となった里山名人が8名参加、高校生になった里山名人1名も今回スタッフとして加わり、総勢20名で子供たちをサポートする体制となった。

初めて参加した子供たちがほとんどだったが、年の近い中学生や、高校生のスタッフが身近にいることで、安心感につながったようだ。

里山名人や、高校生のスタッフはとても活躍し、会員の出番が少なくなるほどだった。

カリキュラム通りに運営は行われ、時がたつほど子供たちの垣根は低くなり、里山名人が作った「友情カレー」はとてもおいしく、その後の自由時間に名人の発案で行われたネイチャーゲームではすっかり打ち解けた子供たちの笑顔が広がっていた。

いつも思うことであるが、森に響く子供たちの声は、なんとも心地よく、駆けずり回るその躍動感に頼もしさを覚えるのはなんでだろう。

未来の世界への安心感なのだろうか? 迎えに来た家族が来ても飽くこともなく森や池であそぶ子供たち。そんな我が子を見て、親もまた笑顔を見せている。

「ああ、やはりこの場所はいいところだ。」「人間の素を出せるところだ。」自然は人を優しくさせる魔法を持っている。

この環境とこうした企画はこれからの子供たちに是非とも必要だと改めて感じた一日だった。


厄年

2021-05-08 02:32:48 | Weblog

年が明け、もうすぐ半年になるが、今年は私にとって「厄年?」と感じる時が極めて多い。 農作業についてもあり得ないことが起きたり、私生活でも予期せぬ不幸が続いた。

体力の衰えもあり、消極的な思考に陥っている。こんな時は小さなミスが、命取りになることもある。 自分に言い聞かせている。「焦るな、落ち着け、朝の来ない夜は無い。」と・・・・

暗黒のコロナの世界が続いているせいなのかもしれないが、私の心に得体のしれない不安の渦が巻いている。

不思議なことだが五郎助山に行き、無邪気に遊ぶ親子に出会うと心が晴れる。次第に濃くなる緑と満々と貯めた池を見ると心が落ち着き、穏やかになる。

「ああ、この場所はいいところだな。」「もっとゆっくり生きよう。」 と思う。

二胡を習い始めて何年になるだろう。 きわめて上達が遅いが、自分の中ではまずまずだと思っている。

これも不思議だが二胡を弾いているときは、全てのことを忘れ、一心不乱という言葉がぴったりの境地になる。

音楽という世界が何千年も続く理由は「音」「メロディー」は人間、或いはすべての生物の感情をコントロールする魔力(威力)があったからかもしれない。

コロナ禍で音楽家たちは苦難の時を過ごしている。

こんな時こそ、心安らぐ音楽を聴く時なのかもしれない。

早く穏やかな日常が戻ることを祈るしかない。


春の植物観察会&天ぷら、おにぎり

2021-05-04 03:09:12 | Weblog

5月3日(月・祝)予定通り「植物観察会&天ぷら」を開催した。スタッフは女性6名、男性5名である。

その中に春日部市から本年、正会員となられた小林さんご夫婦も現地を6時30分に出発し、この観察会にご参加を頂いた。

ご夫婦にとって初めての観察会にもかかわらず、到着直後から私たちのお手伝いに加わっていただき、大助かりした。

スタッフは9時集合となっていたが、「てんぷら、おにぎり」担当の女性陣は8時には到着し、その準備を始めていた。

(いつもながら、頭の下がる思いです。)

講師の小幡和男先生(県自然博物館学芸員・植物)も8時前にすでに五郎助山に到着し、現地調査を行い、今日の観察コースと戦略を練っておられた。

お天気は素晴らしい五月晴れではあったが、風が強く、満々と貯めたトンボ池も波立っていた。

男性陣はコロナ対策を念頭に集合会場の準備を急いだ。検温器、非接触消毒器、一方方向の座席のセッチング等、コロナ禍での対策を講じた。

9時30分ごろから参加者の車が続々と里山駐車場に吸い込まれ、親子連れが会場に向かってくる。検温、消毒、受付を済ませ、予定時刻10時きっかりに(参加者総数28名)観察会をスタートさせた。

小幡先生を先頭に、冒険広場を出発し、まずトンボ池に自生している「菖蒲」から観察が始まった。

長年、この観察会で講師をお願いしている小幡先生は、地元の生まれで、里山会員でもある。

森の隅々に至るまで詳細に調べ上げ、子供にも理解できる語り口で、興味を掻き立てる材料を豊富に持っていて、毎回「な~るほど」と思ってしまう。

五郎助山には「絶滅危惧種」と言われる貴重な植物も少なからず生息し、その生態や、保護についても詳しく説明があり、参加者も深くうなづいていた。今年は貴重な「キンラン」「ギンラン」も例年より10日以上早く咲き始め、今日の観察会に、歩調を合わせてくれた。

参加者が様々な植物を愛でている頃、五郎助庵の厨房では山菜の天ぷらが続々と揚がっていた。

「タラの芽、ツリガネニンジン、ギボウシ、お茶の若葉、ノビル、柿の若葉、ウド、セリ」等五郎助山、トンボ池周辺に自生する山菜ばかりである。

約2時間、観察隊が予定のコースを終了し、五郎助庵に戻ってきた。

各々、手を洗い、長いテーブルの上ににずらりと並んだ山菜の天ぷらに思わず、ごくりと唾をのむ。

品種ごとに並んだてんぷらを各自お皿に載せ、テーブルに着く。てんぷらは塩でいただく。

無農薬有機米のおにぎりも各自2個づつ配られた。「いただきま~す。」

お父さんもお母さんも、そして子供たちもお皿に載ったてんぷらの正体を確認しながら慎重に食べ始めた。

「う~ん、これおいしい。」「これ、なに~」生れてはじめて口にする食材がほとんど。

幼稚園に通う女の子は「お茶の葉」が美味しいという。「柿の若葉」も人気だ。大人は「ギボウシ」が人気のようだ。

有機「アイガモ米」のおにぎりも評判が良かった。

今回、初めて参加していただいた方がほとんどだったが、「とても心に残る観察会で、面白かった。」と多くの方から感

想を頂いた。

コロナ禍で、心も体も閉塞感に陥っている状況が続いているが、自然豊富な里山でほんのいっときでも心を和ませていた

だけたらとてもうれしい。

こんな時こそ、身近な里山「五郎助山」に足を運んでいただき、緊張した心と体を癒してほしい。

末尾になってしまったが、この日、筑西市の「チック・タッグ」の皆様がこの日のイベントの取材に来てくれました。

お忙しい中、ありがとうございました。