里山日記

NPO法人「里山を守る会」における活動の内容。
その日にあった様々な出会いと、感じたことをつづりたい。

アイガモ放鳥

2019-05-28 04:19:04 | Weblog

5月18日(土)有機圃場にアイガモ(56羽)を放鳥した。

約52aの田んぼは結構広いので、群れを成して動いても、どこにいるのかわからない。

あいがも農法を初めて25年以上になるが、当初、7人いた仲間も今では私と八千代の北野さんだけになってしまった。 25年前、横浜のお米

屋さんに勧められて始めた「あいがも農法」。

 

5/10 生まれたてのヒナ到着(56羽)

 5/13日田植え

 

 

「安全で、美味しいお米を作ってください。できたお米は全部買い取ります。」今は亡き中村社長の熱い思いに共感し、手探りから始めた

が、当初は失敗の連続で、野犬に網を食いちぎられ、大切に育てた「あいがも」が一夜のうちに全滅したことも一度や二度ではなかった。

電線を編み込んだ網が開発され、ほっとしたのもつかの間、今度は空からカラスが襲い、毎日、数羽がいなくなった。

カモがいなくなった田んぼはヒエだらけの田んぼとなり、毎日、妻とヒエ退治に田んぼに通った。

一周300メートルを超す網張もなかなか重労働で、150本以上の杭を立て、網を縛りつける。暴風や、外敵からカモを守るため、厳重にしなけ

ればならない。

 

 

 

 

ヒナを7日から10日小屋で育雛し、いいよ田んぼに放鳥の日

 

 

 

 

カモの進水式 孫も手伝ってくれた。

 

 

初めての田んぼ。カモも恐る恐る水に浸る。

 

放鳥して三日目。悠然と泳ぐようになった。

 

それでも、収穫されたお米は通常の1.5倍高く売れたので、皆頑張った。 しかし、東日本大震災の福島の原発事故により、状況は一変した。

今まで「安全でおいしい、あいがも米」として買ってくれたこだわりの消費者は関東以北のコメをまったく買わなくなり、流通がストップし

てしまったのだ。

専門機関で検査を受け、放射能の影響はないというお墨付きを頂いても、状況は変わらなかった。 

福島に直営の農場を持ち、東北産のお米を目玉にしていた中村商店の被害はさらに甚大だった。

あいがも米の買取は難しくなってしまった。

各自、販路を自己開拓し頑張ってほしいとの連絡が入った。 この原発事故で相当数の農家が有機農業から撤退したはずである。

私たちの仲間も一人、また一人と離脱していった。

私は、オリジナルの袋を作り、積極的にネットやスーパーに売り込もうと提案し、仲間の了解を得て、相当数の紙袋を発注したが、結果 誰

もその紙袋はいらないと言い出した。  結局すべて私が一人で持つことになった。

あいがも米をオリジナルの紙袋に入れ、スーパーを回った。「そんな高いお米は売れません。」予想どうりの反応だった。

その間、有機JASの認証も苦労して取得した。

このお米の価値をわかってくれる場所はどこだろうと考えた。 「つくば市」が脳裏に浮かんだ。石を投げると博士に当たると言われている

「つくば市」なら、このお米の価値をわかって買ってくれる人がいるに違いないと思った。

「つくばイーアス」のカスミにアポも取らず、お米を持参し、突撃した。

「すみません。責任者の方にお会いしたいのですが・・・」「責任者は今日不在で、私が受けたまわりますが・・」

このお米を作った熱い思い、有機認証も取ったこと、思いつく限りのことを言った。「このお米を置くことでカスミさんのイメージアップに

もつながると思います。」とまで言ってのけた。今考えると赤面の至りであるが、必死だった。

「あのー、生産者のコーナーはつくば市在住の農家さんに限っています。あなたは筑西市ですよね。 ダメですね。」

あっさり切られた。 

そうですか・・・・・。 ところで「どんな物が出品されているのですか?」 一覧表を見せてくれた。その一覧表の最後の方に筑西市の方

が一人いた。

目の前に光が射した。「ここに筑西市の方がいるじゃないですか!」 担当の方はまじまじと一覧表を見つめ、「う~ん。チーフと相談しま

すので、しばらく時間をください。」といった。

後日、正式契約を取り交わし、現在「つくばイーアス カスミ」の生産者コーナーの一角に「愛がも米」のオリジナルの紙袋が並んでいる。

その後、ふるさと納税の商品としてラインアップし、今年の7月オープン「筑西市道の駅 グランテラス」にも並ぶ予定である。

「挑戦すること」「あきらめないこと」「自分の製品(商品)に自信をもつこと」 を身をもって学んだ。

愛がも米の栽培は、年を重ねるごとにきつくなってきたが、このお米を買ってくださる方がいる限り、また体力が続く限り、栽培して行

きたいと思っている。

 

 


第7期「わんぱく自然塾」12校(30名)でスタート

2019-05-15 05:50:55 | Weblog

5月12日(日) 第7期「わんぱく自然塾」がスタートした。

当日のお天気もまずまずで、12校・30名(男18名、女12名)のうち26名(4名は他の行事と重なった)が元気に参加した。

初参加の児童が18名。2年連続8名、3年連続4名という内容である。

また、会員12名(男5名、女7名)、里山名人(中学生)7名が塾生たちの指導、サポーターとして布陣している。

初めて五郎助山に来た塾生たちはさすがに緊張気味であるが、入塾式(午前9時)30分前から会場に到着し、初めて会う同年学の子たちと言葉を

交わしている。ロープにぶら下がったり、あちこち珍しそうに保護者と森の中を探検していた。

8時半から受け付けが始まり、次々に保護者に付き添われながら手続きを済ませていた。

手続きが済むと、冒険広場に集合した。

理事長、幸田塾長より開塾式の挨拶があり、1年間楽しく元気に過ごし、仲良くなることを誓った。

まず最初に班分けをし、自己紹介の時間をたっぷりとった。 

 

 

 

その後、五郎助山と里山を守る会の活動を紙芝居形式で紹介した。

その後、お互いの距離をさらに縮めるイニシアティブゲーム(「クマの爪」「日本列島」「フラフープ」「ビー玉リレー」)等を各班ごとに

行った。スタッフもその輪に加わり、歓声と笑い声が森の中を駆け巡った。

ひと汗かいて小休止。

次はオリエンテーリングだ。

予め、スタッフが広い森の中に10か所のチェックポイントを置き、そこには塾生たちへのミッションが提示されている。

3,4人のグループに分かれ、チェックポイントが書かれている地図を頼りに一斉に駆け出した。 地図の見方、方向、現在地、戸惑いながらも

必死にチェックポイントを目指し、奮闘している。 これも互いに協力することで絆を深めることに繋がるのである。

 

約40分から60分かけて各班が出発地点に戻ってきた。

担当の竹澤会員より、出題の答え合わせが始まり、ため息と歓声が交互に上がった。

思いっきり森の中を走り回り、おなかがすいたころ五郎助庵からカレーのいい匂い。

「さあ、お昼にしましょう!」 幸田塾長の声が響いた。

全員、手を洗い、五郎助庵のテーブルに陣取り、ベテラン女子会員の作ったご飯(コシヒカリ)とカレーを自分で盛り付ける。

お腹がすいたこともあり、あっという間に一皿を平らげ、2皿目に挑戦する塾生が続出。カレーとご飯は充分にあり、ほとんどの塾生は2皿目

をゲットした。

お腹も満腹。心も満腹。

初顔合わせの入塾式はこれまで以上に打ち解け、塾生もスタッフも十分楽しんだようだ。

初日のアンケート結果の感想が塾長より届いた。

「お世話になります。

昨日は わんぱく自然塾入塾式 お疲れさまでした。

今回導入しました 班づくりでのクラス会議で自己紹介などができ、話し合えたことから

イニシアティブゲームとオリエンテーリング すごく良い流れで出来 楽しくできたと思います。

イニシアティブゲームの成功したときの みんなのよろこびの歓声がとても良かったです。

アンケートでも 友達がたくさんできたとの回答があり うれしく思います。」

 

 

次回もスタッフ一同力を合わせ、楽しく、愉快な自然塾にしたい。


 

 

 

 

 

 

 



平成~令和へ

2019-05-01 07:02:15 | Weblog

昨日、現天皇が退位され、午前零時を持って皇太子が天皇となり、元号も平成~令和となった。

昭和天皇が崩御されたときは、悲しみが日本全土を覆い、新しく天皇になった現天皇への慶事は目立つこともなかった。国民全員が喪に服

し、華やかな催しは自粛され、そのため経済も停滞した。

その反省もあって、平成天皇は国民に向かい、一石を投じたのだろう。

その英断はまさしく国民の心をとらえ、ご退位が、これほど「ねぎらいと祝福に満ちた」思いで国民に受け入れられた例はなかったのではな

いだろうか。

新しく天皇になられた皇太子も晴れやかなお気持ちで象徴天皇としてその役目を果たされると信じている。

このような文化の国に生まれて良かったと思う。 

天皇家は日本民族の代表者であり、その一挙手一投足は常に全世界の目が注がれている。

天皇・皇后の外遊は1000人の外交官に匹敵すると言われる。

海外の要人も天皇、皇后のお人柄に触れた人はたちまちのうちにファンになるという。お二人の人徳のたまものだと思う。

日本ではこのところ大きな自然災害が頻繁に起き、そのたびに、お二人の被災地慰問の様子をテレビを通じ拝見するが、慈愛に満ちた被災者

への対応にいつも心が温かくなる。

政治家とは違い、本心で国民のことを思い、世界の平和を願っているのだと思う。

天皇制を批判する勢力もあると聞いているが、純粋に日本の平和、繁栄、そして世界のすべての人々の幸せを願っている皇族が現存するとい

うのは素晴らしいことではないだろうか・・・・

世間の垢にまみれないためにも税金の一部が皇族に使われることに異議はない。