里山日記

NPO法人「里山を守る会」における活動の内容。
その日にあった様々な出会いと、感じたことをつづりたい。

ベイシック ツリークライマー講習会

2014-11-27 05:02:33 | Weblog

去る11月22,23日の二日間、五郎助山に於いてベイシックツリークライマー講習会が行われた。講師はツリークライミングジャパン所属の後藤由紀夫氏。受講者は会員の木村さん、中川、そして一般受講者のつくば市在住、倉持さんの三人である。

 座学もあります 

後藤さんは里山フェステバルのツリークライミングでお世話になっている方で、ツリークライミング技術の資格で日本で四人しかいないワールドツリークライマーの一人である。

里山フェステバルでもツリークライミングは子供たちに大人気で、見上げるような大木に安全な装備と技術で昇り、木の上から眺める景色にかなりの興奮と感激を覚えるものである。

初めての子供でも的確な指導で一時間で昇れるようになる。慣れるまでは肩に力が入り、相当な運動量になるが慣れると楽に昇れ、しかも安全に確実に頂上に到達する。

降下する場合もロープの操作を確実に行うことで、簡単で安全に降りることが出来、老若男女、そして身体にハンディを持った人でも楽しめるのである。

先週は、ネーチャーゲームのリーダー講習会をこの五郎助山で開催したが、自然の中で自然と調和しながら楽しく遊び、子供たちに自然との対話をより楽しく、より深く、伝える手段として一連の講習会を実施している。会員が専門的な知識や技術を習得することにより、より中身の濃い自然案内人としての自覚や役割を理解していただき、今後の活動に活かしていただきたい。

一般で応募した倉持さんとは初対面であるが、ご友人がすでにこの資格を最近取得し、薦められ、ホームページで五郎助山で開催することを知り、直接本部に応募したとのことであった。

さて、講習の方は、器具の名前、ロープの結び方から始まり、発祥の地がアメリカということで、動作や器具の呼び名は全て英語で進んで行く。当初戸惑ったが、インターナショナルの技術であるのでその方が都合が良いらしい。先生に何度も聞かれ、試されて行く中で次第にその言葉に慣れ、理解できるようになって行く。不思議なものである。

 講師の後藤由紀夫氏 

昇ることでとても重要なことはロープの結び方である。一つ間違えると大きな事故につながり、そのため繰り返し、繰り返し、結び方を訓練する。「午前中、覚えた!」 と思って午後挑戦すると途中で手が止まり、はて? ここはどうだった? の繰り返しである。 

 ←この結び方を確実に、正確に覚えるのがポイント

結び方を後藤さんに検査をしていただき、いよいよ目指す木にとりつき、「お願いします」を木に話しかけゆっくり、慎重にロープをたぐる。

 

 横に張り出した枝に腰を下ろし、休む予定

 樹上より後藤先生を撮る 

 木への負荷を軽減する器具

 一本のロープに命を託すので、そのロープの取り扱いはとても慎重に、大切に扱う。ロープを収納する時、必ずシートを敷き、素手で砂や、泥がついていないか、傷んだ箇所がないか確認しながらバックに収納する。

二日目は一日目で訓練した技術を応用し、ロープで安全を確保しながら横枝渡り、ハンモックを使った休憩所の設置や、利用技術を習った。

 まず、後藤先生の模範演技

 上部のロープで安全を確保 

私も挑戦

        

 こんなに細い枝まで移動できる

ハンモックの利用 (後藤先生が設営)

 木と木を利用し、ハンモックの設営 

早速、挑戦

 木村さん(里山会員・ボーイスカウト)

 ご満悦。(とっても楽ちんでした)

二日間の講習は好天に恵まれ、とても楽しい二日間でした。二日目に行われたベーシッククライマーの筆記試験も全員合格となり、晴れてベーシックツリークライマーとしてツリークライミングを楽しむ資格を得ました。

しかし、子供たちや一般の方に指導するには更にツリークライミングの訓練や、経験を積み、ツリークライマー、さらにファシリテーターという資格を取得しないとできません。当面は後藤さんたちに御来訪頂き、子供たちにツリークライミングの楽しさを指導していただくことになります。

そうした機会をこれから企画したいと思っています。

 

 

 


茨城県自然博物館 開館20周年記念式典

2014-11-23 05:35:49 | Weblog

11月13日(木)茨城県自然博物館 開館20周年記念式典に出席した。

平成6年11月13日にオープンした自然博物館が今年で開館20周年を迎える。博物館より招待状を頂き、出席させていただいた。

午後2時45分から記念式典が開催された。常陸宮殿下をお迎えし、橋本知事を始め、吉原坂東市長、県議会議員、林 良博氏(国立博物館館長)、全国博物館関係者、上野動物園副園長、そして、今日まで博物館を支えてこられた自然博物館友の会の皆さん、自然博物館ボランティアの皆さん、そして関係者が一同に会し、20周年という記念すべき日を祝った。

 金屏風の前が殿下の御座所

叔父が健在であったら、今日の日をどんな思いで迎えただろう。

林 国立博物館館長がご挨拶の中でおっしゃっていたが、交通の便や人口密度の低い、地方の博物館が継続して安定した集客することは至難の業であリ、年間40万人を超す来館者が訪れる自然博物館はまさに稀有な存在だとお話しされていた。開館以来の入館者数は880万人を超えたそうだ。

このところ県歳入が減収となり、博物館も年々、厳しい予算の中で運営していると伺っているが、20年間に亘る膨大な資料の保管庫の確保が喫緊の課題であり、その予算化を菅谷館長も謝辞の中で橋本知事に要望されていた。

式典が終了後、場所を変えてレセプションが盛大に行われた。常陸宮殿下もご臨席され、厳粛な中にも和やかに開催された。志郎叔父の家族もご招待を受け、久しぶりに叔父の昔話に花が咲いた。

 レセプション会場

一足早く会場を後にしたが、途中、叔父の書籍が並ぶコーナーに立ち寄った。見慣れた叔父の写真と蔵書が整然と並んでいた。

   

 中川 志郎 蔵書コーナー

なんとも懐かしい思いが蘇り、「もう少し長生きしてくれたら良かったのに・・・・」と思った。

 

 

 

 


お年寄りと園児たち

2014-11-20 06:54:52 | Weblog

11月18日(火) 今日は「NPO法人、天神の郷」が発起人となり、恒例の老健施設の入居者と地元園児たちの交流会が五郎助山で行われた。

これまでは「杏子の会」が主体で行っていたが、発展的な解散をされたことにより、その活動を引き継いだ「天神の郷」が企画された。

当会も初回からその活動に参加し、協力をさせて頂いている。関城子ども園(5歳児~6歳児)の園児、約60名が自ら落ち葉をさらい、焼き芋のお手伝いをし、焼き上がったお芋をお年寄りと食べ、交流を図るという企画である。今年で10年目を迎える。

参加団体は、老健施設から筑圃苑、梨花苑、紫穂苑、そして、せきじょう子ども園、子育てサロン、天神の郷、里山を守る会、そしてボランティアの皆さんである。総勢131名、約300本の芋を会員は上手に焼くのである。

焼き芋担当の会員は7:30分に集合し、3か所に作った芋焼き場に枝を積み、熾火を作る。この作業がかなり大変で、その熱さのため、皮膚が焦げるくらいなのだ。防炎頭巾をかぶり、汗だくになって美味しい焼き芋をつくる。

  防炎頭巾    

今日は風もなく、お年寄りにとっては絶好の交流会となりそうである。それでも森の中は日差しが少ないので、念のため並べられた椅子の中央に火を熾して待つことになった。10時、老健施設の車に乗ったお年寄りが到着する。早速、火の周りに集まり、暖を取った。

ほどなく子ども園の園児たちを載せたマイクロバスも到着し、元気な声が森に響いた。事務局の山崎さんから今日のお手伝いのお話を聞き、早速落ち葉さらいに挑戦。

その真剣で、楽しそうな笑顔に大人たちはいつも元気をもらう。

 

集めた落ち葉は芋焼き場に運び、じっくり焼かれている芋の上に里山のおじさんたちの手で覆われて行く。

お手伝いが終わり、子供たちは思い思いの場所でひとしきり遊びまわる。その中でもターザンロープは大人気。私もそのサポートに汗だくになった。

思い切り遊び、ちょっと疲れたころ、先生から集合の合図が鳴った。焼き芋が出来上がったようである。お年寄りが待つ焚き火の円陣に戻り、先生の指導で、お年寄りと一緒に歌を歌いながら、お遊戯をし始めた。園の先生方も今回は特に張り切って、次から次に歌を繰り出す。

お年寄りもひ孫のような子供たちに引き込まれ、手拍子を打ち、歌を口づさみ、笑顔がこぼれっぱなしである。

  

この交流会の神髄はまさにこの場面に凝縮されている。子供たちもお年寄りも、そして、それを見守る全ての参加者に笑顔がこぼれる。

熱さに負けず、美味しく焼いた芋が皆に配られた。ほく、ほく、ほっか、ほっか、の焼き芋に皆満足。

 なんと正座して焼き芋を食べる園児たち

11:30分 迎えの園児バスが到着。なごりを惜しみながら園児たちはバスに乗り込んだ。

老健施設のお年寄りたちも施設が用意した車に乗り、五郎助山を後にした。

今回、今までになく進行がスムーズに進み、特に幼稚園、保育園の先生方が積極的に園児たちにお年寄りとの交流を促し、その時間を多く取れたことはとても良かったと思う。

やはり事前打ち合わせの効果と、何よりも先生方がこの交流会の意義を深くご解いただいた結果だと思う。

各団体が協力してこうした交流会に参加し、お互いの交流にもつながるイベントは大歓迎である。

穏やかな日で本当に良かった。

 

 

 

 

 

 


蜂蜜採取

2014-11-09 08:14:30 | Weblog

我が家の日本ミツバチの蜂蜜採取を先日行った。関根さんがほとんどの機材を準備してくれ、自然落下による採取方法で行った。

 巣が最下部まで到達し、蜂が入りきれない状況

5段に成長した巣箱の最上部の巣箱に蜜は貯まっている。細い針金を使い、4段目と5段を切り離した。蜂が興奮しないよう、慎重に行うが、それでも、蜜を盗られると思うのかすごい数の蜂が関根さんの周りをブンブン羽を鳴らして飛び回っている。

 最上部の5段目を切り離す

巣箱の中はそれぞれエリアが分かれ、最上部に蜜を貯蔵し、蜂の生活エリアはその下になる。最上部の箱を取り除くと、新しい箱を用意し、一番下に置く。その上に残った4段を重ねるのである。少なくなった蜜を増やすために蜂は更に花粉を集め、子供たちを増やす。

さて、切り離した5段目の巣箱にはぎっしりと詰まった蜜が見える。

 黄金の色をした蜂蜜

ナイフで慎重に箱から切り離し、蜜蝋(蜜を貯蔵する袋状のもの)を取り出す。

蜜蝋をさらにナイフで薄く剥がすと、いっぱいに貯まった蜜が流れ落ちた。全ての巣を同じようにナイフで皮をはぐように削ぎ、蜜を貯める容器に入れた。

一口、蜜蝋に包まれた巣を口に入れた。「なんという甘さだろう。蜜の香りが口から鼻へそして脳まで達した。」養蜂に携わる人の醍醐味が少しわかった気がした。

   

3つの容器に分け、日なたに置いて、自然落下による採取を行った。暖かい日は蜜が柔らかくなり、落ちやすい。三日目になるとほとんどの蜜がろ紙を通過し、容器に貯まった。

 自然落下による採取 

何とひと箱で約5リットルの蜜が採れたのである。

  

関根さんのお話だと糖度が低い蜜は容器に容れておくと発酵するが、高い糖度の蜜は発酵しないという。幸いにも我が家の蜂蜜は、発酵もせず、芳醇でとびきりあま~い蜜であった。

興味深く近づいてきた孫たちに、早速、出来立ての蜜を舐めさせた。「あ、あま~い」「ほんとに、あま~い」いつも目にしている蜂たちが作ってくれた自然の恵みを不思議そうになめていた。

まさか自家製の日本ミツバチの蜜を味わえるとは思いもよらず、なんとも幸せである。 里山の養蜂にも弾みがついた。 

 

 


グリーンフェスタ・森林保全2014に参加

2014-11-03 04:48:20 | Weblog

去る10月31日(金)那珂市中央公民館で開催されたグリーンフェスタ・森林保全2014に中川、山下、山崎 日向野(ュ)、佐藤、そして地権者を代表し、關啓子さん 計6名で参加した。

私と佐藤さんは第1部の総会に出席するため、一足早く出発した。総会では茨城森林ボランテイア団体連絡協議会規約の一部改正や役員の改選が行われ、今年度から田村輝穂会長が退任し、多田恒夫氏が会長に選任された。

第2部は活動発表大会が開催され、昨年、森林・山村多面的機能発揮対策事業交付金を交付された11団体がそれぞれの事業の発表を行った。(当会は平成26年度事業より交付)

活動発表に先立ち、感謝状(森林ボランティ活動推進功労者)の贈呈式が行われ、筑西市からは当会の活動エリアの地権者である「關 啓子」さんに感謝状が贈呈された。永年ボランテイア活動を支え、所有している山林を提供し、森林の保全にご協力いただいた功績をたたえた表彰である。
 
關さんは当会の活動エリアの中では最多の面積を所有し、その半分以上を無償で当会に提供されている。今大会では他に1名、同じ理由で表彰された。
關さんは、かなり緊張されて、檀上に上り、県会議長名の功労者表彰状、及び副賞を受け取られた。

 關 啓子さん(右)

第2部は午後4時までの予定なので昼食後、關さんと3名の会員は帰路に着いた。私と佐藤さんが残り、11団体の活動発表を見守った。各団体15分の時間を有効に使い、これまでの活動の内容、25年度の実績を発表した。

休憩をはさみ全ての団体が終了し、審査員が別室にて審査し、優秀賞には「十一面山平地林保全連絡協議会」,優良賞「NPO法人こが里山を守る会」,奨励賞「NPO法人宍塚の自然と歴史の会」がそれぞれ受賞された。

 実績発表の11団体

どの団体も10年以上の活動実績を持ち、森林ボランティアでは良く知られた団体である。

一昨年は同じ会場で、当会が森林ボランティア部門で「知事賞」を受賞したが、新たな審査方法になったので、この事業担当の佐藤さんも真剣に各団体の発表を聞かれていた。

大会の日程がすべて終了し、午後5:30分に帰宅した。

10月は約15日、家を留守にした計算になったが、あっという間の31日であった。

来月も予定がびっしり詰まり、梨の剪定の遅れを妻が心配している。