里山日記

NPO法人「里山を守る会」における活動の内容。
その日にあった様々な出会いと、感じたことをつづりたい。

定例作業

2016-01-18 04:41:20 | Weblog

1月16日(土) 年が明けて初めての定例作業である。本年は元旦から今日まで快晴が続き、梨の剪定、誘引作業も今までになく、はかどっている。しかし、あまりにも好天続きで、梅の開花も早く、このまま続くと梨の開花も相当早まり、晩霜による被害が早くも懸念され始めた。

地球温暖化は、様々な産業に影響を及ぼしている。果樹は一年一作であるため、開花時期に凍霜害に合うとその年の収穫は場合によるとゼロになってしまう恐れがある。昨年の12月から年明けてこの1月の高気温は農業者にとって不安を増幅させている。

さて、定例作業は枯木の処理、下草刈り、等である。また今日は社会貢献活動として、対象となる少年が、保護観察官、保護司と共に、野外ボランティアに参加される予定になっている。

枯木処理作業の途中、伐採した木が周りの木に引っかかり(かかり木という)倒れない。このままでは危険なので、この道60年のベテランの会員(82歳)にその対処を伺った。すると掛けてあったはしごを自ら「するする」と登り、命綱を付け、チェーンソ―を下から引き揚げ、エンジンをかけ、かかっていた木を見事に切って落とした。その技の見事さに、地上で見守っていた会員から思わず拍手が起きた。

      長老の名人芸                                

82歳とは思えない身のこなし、しかも10m以上の樹上での作業に皆、脱帽である。同時にこの技を引き継ぐ会員が育っていない現実に落胆と反省を覚えた。 ツリークライミングとの組み合わせで、より安全な高所での伐採作業が可能であるので、この技術を若い会員に習得していただき、長老に早く安心していただきたいと、しみじみ思った。

社会貢献は私と中山さんが担当し、伐採し、玉切りした木をリアカー、トコトコで運ぶ作業をお願いした。対象となるT君は五郎助山での作業は2回目である。担当の保護観察官と会員でもある田崎保護司と共に精力的にお手伝いをしてくれた。とても一人では持てそうにない大木を軽々と持ち上げ、運搬車に積み上げた。体格も良いが若い力に改めて舌を巻いた。

T君も2回目ということで、最初の時よりも幾分リラックスしていたようで、今回その怪力が知れ渡った。会員の指導でチェーンソーの体験もしたが、初めてにしてはとてもうまかった。3回目となる次回は更に溶け込み、自然体で一緒に作業ができると信じている。

私たちと一緒に汗を流すことで、「積極的に生きる」思いを持ってくれたら本当にうれしい。

さて、作業終了の後はおなじみの里山カレーである。 山入の雑煮は男会員が作ったが、今回はいつもの女性会員による愛情カレーである。

T君は今回もお替わりを遠慮せず手をあげた。女性会員はお替りが出ると顔が緩む。

   定番の愛情カレー  

また、以前、ボランティアで五郎助山の作業に参加していただいた若い(20代)信夫さんという方が久々に参加され、正会員の登録をしていただいた。 今後、可能な限り作業をお手伝いしてくれるという。早速、来月に予定されているチェーンソー講習会も受講手続きされた。

私たちの活動に賛同し、一人でも多くの方が加入いただけると会全体に活力が出て来る。会員獲得は会の存亡にも関わる大きな課題であるので今後も各会員が知り合いに呼びかけ、加入を働きかけてほしい。 自然を愛し、子どもに自然体験を積ませ、自然の中で自由に遊ばせたいと思っている方の参加を心より願っている。 

 

 


山入

2016-01-12 05:14:50 | Weblog

1月9日(土)今日は山入である。

9:30分集合 10時開始であるが8時に家を出た。五郎助山に到着するとすでに三須さんが来ていた。彼は本日の料理担当である。

昨年、山入の神事の後、参加者に雑煮が振舞われ、大変好評だった。今年は男性陣の有志がその料理(準備から後片付けまで)を受け持つことになったのである。

普段、里山での食事は女性会員が担当してくれているが、正月くらいは日頃の感謝をこめて、男料理でもてなすことになったのである。

主任は中里理事である。そば打ちの名人でもあり、料理の腕もなかなかのものと聞いている。そしてその助っ人に「男のキッチンスクール」に参加している4人(森、三須、鶴見、黒岩)が加わり、全員8:30分からその準備に取り掛かった。

私も心配で、様子を見に早めに家を出たのである。邪魔にならない様、ストーブに火をおこし、お湯を沸かし、お茶の準備をした。

中里さんが細かく指示を出している。「ニンジン、大根はいちょう切りに・・・」「餅は軽く焦げ目がつくように・・・」 ふだん、刈払機や

チェーンソーの操作をしている屈強の男たちが包丁でニンジンや大根を真面目に切っている姿はちょっと滑稽でもあったが、その真剣さに圧倒されてしまった。

  男性も真剣です。 

  餅もこんがり焼き目をつけて  

9:30分には続々と会員も集まり、男性陣は進んで料理や山入の儀式の準備の手伝いをし始めた。一方、女性陣はでーんとテーブルに座り、その仕事ぶりをチェックしている気配だ。

10:00 山入の儀が始まった。私は、にわか神主となり、境内を清め、参加者にお祓いを行い、里山の神に会員、来訪者の安全と健康を祈願する祝詞をあげた。その後、全員が玉串を神前に供え、それぞれの心の内を神に祈願した。

  森のようちえん親子も参加 

滞りなく神事が終了し、五郎助庵に戻った。テーブルに着き、いよいよ男料理の「雑煮」が運ばれてきた。女性陣はすでにでーんと構えて、目の前の男料理を品定めしていた。

私も女性陣よりちょっと離れた場所を選び、恐る恐るお椀に口を添えた。「いける!」緑の三つ葉、ゆずの香りが効いている。餅も程よい焦げ目があり、上々の出来である。

あまり「うまい、うまい」と云うと「でーんと構えた女性陣」が面白くない顔をすると困るので、控えめにした。

餅は2個入っていたが、ちょっと物足りなく、お替りを希望する人が多かった。(来年の課題である)

正月の男料理。 女性会員の日頃の料理に感謝して、年に一度ぐらいのおもてなしはとても良いと思うのだが、果たして女性陣の評価はいかに・・・

この後、希望者17名で恒例の自然博物館企画展に参加し、午後4時からは「えんむすび」において新年会(30名参加)を開催した。

 

 


三が日

2016-01-04 06:13:04 | Weblog

今年の三が日はゆっくりと家で過ごした。三日間とも穏やかで暖かな日が続き、「ちょっと良すぎるのでは・・・」と不安になるほどだった。農業にたずさわる者として、寒い時は寒い方が安心する。

元日、同じ敷地に住む長男家族が年始の挨拶に来た。あまりに良い天気なので孫たち三人を誘い、五郎助山に出かけた。途中、地元の関本神社に初詣をし、家族の健康と家内安全を祈願した。

五郎助山は冬とは思えぬ暖かい日差しを浴びて、ひっそりと静まり返っていた。一面茶色の風景が広がり、私たち四人だけの声が響いた。

落ち葉のじゅうたんを駆け回り、ターザンロープ、ハンモック、タイヤロープで遊んだ。

里山神社にはいつものようにしめ縄が張られ、鏡餅が供えられていた。手を合わせ今年の山の安全を祈願した。山入は9日であるが、一足早く来てしまった。

森の中の遊びが一区切りついたので、トンボ池周辺を散策した。2年生の女の子が池に張った氷を見つけ、採ってくれとせがんだ。手を伸ばし、1センチほどの厚さになったガラス状の氷を割り、三人に分けた。保育園に行っている下の二人は「キャッ、キャッ!」と笑顔で氷をもてあそんでいる。今年はまだ木陰の岸辺にしか氷は張っていない。

トンボ池を一周すると丁度、お昼になった。孫たちは森の中を抜けて車に戻った。

元旦に孫たちと里山で遊ぶのも悪くないと思った。