里山日記

NPO法人「里山を守る会」における活動の内容。
その日にあった様々な出会いと、感じたことをつづりたい。

第1回「ふるさとの森を守ろう」

2017-01-23 06:40:21 | Weblog

1月21日(土) 第1回「ふるさとの森を守ろう」を開催しました。

筑西市、筑西市教育委員会の後援、FLEX財団(USA)の協賛を得て前日の雪の影響もほとんどなく、須藤 茂市長 もご出席いただき盛会(180名参加)に開催することが出来ました。 一昨年より、企業・団体からの環境保全活動に参加したいとの申し込みが事務局に届くようになり、企業の社会的責任(CSR)の機運の高まりを感じ始めていました。

平成28年度の事業計画に、企業・団体との連携を見据えたイベントを開催すると明記し、昨年の5月の総会で承認を受けました。 

その後、地元の工業団地内にあるフレクストロ二クスインターナショナル(株)という多国籍企業(本社アメリカ)の推薦を受け、審査の結果、本社財団より10000ドル(100万円)の助成金を受け取る(世界で3団体)という幸運も重なり、開催に必要な資金も調達することが出来ました。そして今回の開催につながりました。

本当にこの世に「神」がいるのではないかと思ったものです。 

事務局より100を超える市内の企業・団体に イベントのチラシ、趣旨、参加希望の有無を添えて、郵送しました。

返事が戻ってきたのは10社でした。内、(参加希望は4社、3団体)でした。

NPO法人からの突然のお誘いに戸惑った企業も多かったと思いますが、想像以上の厳しさでした。

その後、事務局の宮本さんと木有戸工業団地に進出している企業を全社訪問し、再度参加を呼びかけました。理事の関根さんと日立化成(株)、その後 ファナック茨城工場にも足を運び、趣旨を説明して回りました。

残念ながら今回参加していただけなかった企業、団体が大半でしたが、めげてはいません。

私たち「里山を守る会」を知っていただく機会を得たこと、少なからずどの企業・団体も好意を持って対応していただき、次年度の参加につながる確信を持てたからです。

今、平地林を標的としたソーラー発電所の開発が活発です。筑西市においてもかなりの森林が伐採され、瞬く間にソーラー発電所に変貌しています。「環境にやさしい自然エネルギー」と国を挙げてソーラー発電に補助金を出し、推奨してきました。

しかし一方で、貴重な平地林が次々に消滅し、危機感を持った国も、開発に制限をかける姿勢を鮮明にしました。しかし、駆け込み需要なのか、ここにきて業者の動きが再び活発になり、ついに五郎助山の地権者にも所有する山林売却の打診が業者から相次ぎ、大いなる危機感を持っています。

幸い、売却に応じず、今まで通り、当会にその利用を託すといってくださる地権者がほとんどですが、たとえ1か所でもソーラー発電所となった場合、里山としての景観はダメージを受け、環境保全にも多大な影響を与えると考えています。

行政側にも保全を維持できる条例の制定をお願していますが、個人の財産権との関係もあり、強制的な執行はできません。やはり17年間培った地権者と当会の信頼関係、そしてこの活動のさらなる相互理解が最も重要であると再認識しました。

と同時に行政、企業、団体、市民がこぞって地球温暖化防止、環境保全に興味を持ち、そのために自分ができることを考え、実行に移すことが重要です。 今回のイベントが、そのきっかけになることを切に願っています。

〔筑西市における山林開発によるソーラー発電の設置、及び申請状況〕(筑西市農政課 資料)

小規模申請(1ha未満)20.5ha(H,25年~H,28年)

大規模申請(1ha以上)18.9ha(H,26年~H,28年)

〔今回のイベントに参加いただいた企業・団体〕

フレクストロ二クス インターナショナル(株)・関彰商事(株)ビジネスソリューショングループ、関彰商事(株)グリーンエネルギー部・(株)デザインアークつくば工場・筑西市・筑西市教育委員会・県農林事務所林業振興課・下館商工会議所・下館商工会議所青年部・西地区保護司会・森のようちえんごろすけ・関城西小、関城東小 ほかに一般参加の市民の皆様・茨城新聞社

 受付風景

 FLEX財団からのメッセージ

 須藤市長も出席

 サツマイモを包む

 太田先生の「里山の保全について」

 作業現場へ移動

 かごが似合っています

 お仕事中

 大人も子供も一生懸命 

 落ち葉の集積

 ごほうびの「里山カレー」

 自然の中でカレーを食べる  

 焼き芋も食べました。

また会いましょう。

 

                                                   

 

 

 


山入の儀

2017-01-09 07:16:19 | Weblog

2107年1月7日(土) 恒例の山入の行事が行われた。 当日はトンボ池も全面氷が張り、霜柱も立つ、1月らしい寒さだったが山入にふさわしいすがすがしい朝日の中で厳粛に行われた。

9:30分集合となっているが、この日は恒例で山入の後、男性会員による雑煮が参加者全員にふるまわれることになっており、担当の中里料理長をはじめ、腕に覚えのある山中、森、三須、鶴見の面々が包丁を持ち、朝8:00からその準備に取り掛かっていた。女性会員はこの日はお客様である。 会員が到着するたびに、あちこちで新年のあいさつの声が聞こえてくる。

 餅焼きの準備です。

 本日の台所は男が仕切ります。

里山神社に奉てんする「玉串」の準備に中山会員も忙しい。手の空いている会員は次々に約50人分の玉ぐしを作る作業に参加する。私も新しくなった鳥居をくぐり、ご神酒、清めの塩、鰹節を神殿に供えた。

一年間お世話になる、ナタ、ノコギリ、チェーンソー、刈り払機も神社の前に並べられた。

森のようちえんのお母さんたちもお子さんを連れて到着した。 午前10時。予定通り里山神社の前に集合し、山入の儀を行う。理事長である私がにわか神主となり、一年間の作業の安全と、来訪者の安全を祈願した。その後全員が順序良く玉ぐし奉てんし、安全祈願を行った。

 ひとりづづお参り

  子供たちも玉ぐしを奉てん

 

ご神酒をいただき、チェーンソーによる初伐採も行った。

五郎助庵に戻り、いよいよ男料理の雑煮の出番だ。腕によりをかけた雑煮が運ばれてきた。森のようちえんのお母さん、子供たちもニコニコしている。 とても出汁の効いた雑煮で、2つ入ったお餅をあっという間に完食した。残念ながらお替りはない。

 男の雑煮はうまかった。

この後、希望者で自然博物館に行き、午後4:30分から「えんむすび」さんで新年会という予定になっている。 私はこの日、11:00~同級生の総会があり、山入が終了後そちらの会場へ向かった。真新しい鳥居とともに心も新たとなり、良い1年になる予感がする。

 

 


新しい鳥居

2017-01-05 05:21:11 | Weblog

今から約15年以上前、五郎助山に生息する動植物、会員、来訪者の安全のよりどころとして祭った里山神社が冒険広場の一角にあるが、その鳥居が老朽化し、当時鳥居を建立した小島長老も気になっていたようだった。

昨年の暮れから小島長老、大工の相沢さんが中心となり、新しい鳥居の制作を始め、7日の山入を前に、このたび新鳥居が完成した。

長老曰く、「俺が死んでもこの鳥居は残るよ。五郎助山をこれからも守ってくれっぺ。」  老朽化した鳥居に誰よりも心を痛めていた長老は、ひそかに鳥居の建て替えを計画し、材料を自宅から持ち寄り、大工の相沢さんの協力を得て、7日の山入に間に合わせてくれたのである。

新調された鳥居を山入の時に初めて目にする会員も多いと思う。

長年五郎助山の番人として貢献してくれた小島長老の思いに、心から感謝したい。里山を愛するお気持ちがひしひしと伝わってきた。

昨日、コンクリートが固まるまで固定していた補助材を取り外し、基礎のコンクリートを化粧(上塗り仕上げ)し、7日の山入にふさわしい新鳥居が完成した。

 12月25日(小島長老、相沢、坂本、)

 2017年1月4日 支柱材取り外し(小島、坂本)

 基礎コンクリート化粧直し(上塗り仕上げ)

 ほぼ完成

 

平成29年1月7日(土)は新たな気持ちで「山入」を迎えることになるだろう。