里山日記

NPO法人「里山を守る会」における活動の内容。
その日にあった様々な出会いと、感じたことをつづりたい。

西小1,2年生 自然体験

2016-06-28 05:04:29 | Weblog

6月22日(水) 西小1,2年112名が授業(生活)で五郎助山に来訪しました。

会員は9名でサポートし、今年度入会した田崎さん、永田さんにも体験していただいた。午前9:10分。里山の入り口から甲高い声が聞こえてきた。木々の間から見慣れた黄色や赤の帽子が見え隠れしている。 1年生は今日が里山デビューである。 スタッフも慣れてはいるが幾分緊張気味で子供たちを冒険広場で迎える。 

 五郎助山に到着、荷物を置く 

引率する先生方の中にも今年度 西小に赴任し、初めて里山授業を体験する先生もおいでになる。森や、虫が苦手な先生もいるはずで、はじめから里山授業を歓迎する方ばかりではない。 しかし、16年間、里山で自然体験のサポートをしながら先生方を観察(?)していると、回を重ねる毎にそうした先生が確実に変わって行く。

教室では見せない子供の一面を発見し、驚き、その子の評価が良くも悪くも修正されて行く。子供を深く知る上でとても貴重な場所でもあるのだ。また、ご自身が自然の中で子供たちと同じ空間を共有することで次第に教え子との距離が縮まって行くことに気づかされるようだ。

 学習(?) 遊び(?) 

しぶしぶ子供たちについてきた先生が、先頭を切り、はつらつとした笑顔に変わって行く光景は、この授業が子供たちのみならず、先生方をも変える効果があることを、秘かに確信している。

 とったどー  

この授業は 西小、東小の特徴ある授業としてぜひ続けて頂きたい。  

 


第4期わんぱく自然塾(二回目)開催

2016-06-15 05:17:12 | Weblog

今期、第2回目のわんぱく自然塾が6/12日(日)五郎助山で開催された。31名の塾生の内、一人が風邪でお休みとなったが、30名の塾生が揃い、ネイチャーゲームを中心とした自然塾となった。

 初回に渡された絵馬を掛ける塾生 

初回から感じていたが、8割が初参加なのに、塾生間の交流がスムーズで、今までになく、まとまりの良い自然塾になっている。スタッフはAM8:00に集合し、受付の準備、会場の準備を自然体でこなしている。

ネイチャーゲーム担当の、幸田さん、大窪さん、間々田さんも最終打ち合わせを行い、 里山名人の中学生二人もアシスタントとしてお手伝いに来てくれている。

さて今回の出し物は ・鳴きまね合唱団 ・カムフラージュ ・ミクロハイク  そしてポイントラリ―である。                                                                                         

子供たちの心をほぐす「鳴きまね合唱団」とは、三種類の動物の鳴き声を聞かせ、順にその声をメモする。リーダーが「2番目に聴いた動物の声を出して、自分と同じ鳴き声と思う友達を見つけて、仲間になあれ!」と言った。

私も仲間に加わり、「ウ~、ワン!」と叫んだ。すると同じような鳴き声をした仲間が次から次に集まり、一番大きな集団になった。

全員が仲間と思う友達を見つけ、落ち着いたところで、リーダーが「その動物の名前は?」と聞く。一斉に答える。もちろん答えは犬だ。 しかし、人は微妙にその声を聞き取り、ワンと聞こえる人、ウワン、ウヲーと聞こえる人、様々である。

出題される動物も次第に難しくなり、あまり聞いたことの無い鳴き声の動物を当てるのは大変だ。 参加者がこうしたゲームを通じ、次第に仲良くなって行く。

カムフラージュは場所を変え、1、2班・3、4班の2組に分かれ、中学生がアシスタントとなり、鳥獣保護区の境界ロープを利用して行った。 そのロープに沿って、自然界には無い人工物をそっと置き、それが何個あるか探すゲームであるが、簡単なルールをリーダーが説明し、いよいよスタートだ。簡単そうだが、その場所に溶け込む色の人工物が何気なく置かれているので中々見つけにくいのである。ゆっくりロープに沿って進み、心の中で「一つ、二つ、」と数えて行く。終点にはアシスタントの歩ちゃんと、泰知君んが待っていて、その数を聞いて、全体の数からするとのこの辺だよと体の位置を指して教えてくれる。お腹の位置だと半分位である。

 カムフラージュ 

1回目ですべてを見つけられる人はほとんどいない。自信を持って答えたら半分にも達していないというのはよくあることだ。  

2回目からは更に真剣になり、目を凝らして歩くようになる。3回ほど回ったらいよいよ正解を求め、一個づつ回収しながら、確認をして行く。「あ!、こんなところにあったんだ」「なんで気づかなかったのだろう」 見落とした悔しさと、見つけたうれしさが交互に言葉となって出て来る。集合場所に戻り、見落としたものが、なぜ見つけにくかったのか、カメレオンや里山に棲む動物をたとえて子供たちに説明する。「保護色」と言った言葉が子供たちから出て来る。 遊びの中に自然界の不思議を知ってもらうのもネイチャーゲームの良いところである。

 人工物を確認し「保護色」を知る 

カムフラージュが終わり、水分補給をする。時間の関係でミクロハイクは次回のお楽しみとなった。一息ついて、今度はポイントラリーである。

担当の宮本さんは子供たちの冒険心をくすぐるチェックポイントそしてミッションを8か所用意していた。特に鳥獣保護区の中に設置したチェックポイントはやぶをかき分け、入り込まないとたどり着けない場所なので、ちょっとした勇気が必要である。

 チェックポインのマークとミッション

しかし、これが子供たちの冒険心に火をつけた。勇気ある男の子が一人入り込み、やぶの中に消えた。ほどなく甲高い声があたりに響いた。

「あった!」ついに赤と白のチェックポイントを見つけたようだ。その声に勇気をもらい、次々にその足跡をたどり、やぶの中に入って行く。しかし、躊躇する女の子もいる。やがて満面の笑みを浮かべ、やぶの中から勇者が戻って来た。

 やぶの中のチェックポイントから出てきた塾生たち

「征服者の顔」とでも言おうか、なんとも言えない笑顔である。最初の班がチェックポイントを見つけると後続の班はその足跡をたどるとその場所につけるので、とても楽である。いつの時代も未知の世界を切り開くパイオニアは大変だ。勇気ある男の子に拍手を送ろう。

やぶの中から出てきた一行は次に水の音の違いを感じていた。江連用水の取水口の音、五郎助山の地下を流れ、排水溝に落ちる水の音。その違いを感性を頼りに書き込まなければならない。その感じ方は人によってさまざまである。その総意を班としてまとめ、書き込むのである。

8か所のチェックポイントを通過し、集合場所に戻った4班の塾生はチェックポイントの課題に対する答えを班ごとに発表する。同じ課題でも感じることは微妙に違う。自然への感じ方は「みんな違って、みんないい」のである。

 チェックポイントの課題について、各班の発表

今回は11:30でプログラムは終了である。塾の終了を宣言し、次回の案内を伝える。次回は8月7日(日)お楽しみの「流しそうめん」が予定されている。また、そうめんを食べる竹の器、箸づくりを自分で作らなければならない。

塾生たちは迎えの家族の車が来るまで自由に遊んでいる。 次回も全員揃って楽しい自然塾になるよう、スタッフは今日の振り返りと、次回の企画を話し合った。

 

 


6月定例作業日

2016-06-15 04:30:58 | Weblog

6/11(土) 定例作業日。 トンボ池とその周辺の整備を行った。

 ハスの除去は重労働  

トンボ池のハスを縮抜し、水草を除去した。 花はすは咲いている時はとても美しいが、ほおって置くとその生命力はすさまじく、トンボ池全体を覆うほどに繁茂する。

この蓮の取り扱いを巡り、これまでいろいろ議論を重ねてきたが、いったん全てのハスを刈り取り、トンボ池が誕生した当時に戻すことになった。刈取っても、また芽が出てくるはずであるが、根気よく、その都度刈り取る予定である。マコモについてもこの際、全て刈取ることにした。

隣接するホタル川の整備も同時に行われ、繫茂した水草が水の流れをせき止めていたが、縮抜したことで、小川のせせらぎが戻った。22日に西小の1,2年生がザリガニ取りに来る予定になっているが、これで安全に、気持ちよくザリガニを捕まえることが出来るだろう。

 せせらぎの音が蘇ったホタル川 アジサイも縮抜した。

森も、水辺も適度に人間の管理が必要で、昔から掘りざらい、水辺の草刈りは農家の人たちが生活の一部として、協力しながら行っていた。 ハスの花が観られなくなることで寂しい気もするが、会員が環境整備を自在にコントロールできる自信がついたら、何時でも復活できるだろう。

  スッキリと広くなったトンボ池 

会員の老齢化が進み、手が付けられない状況になる前に、コントロール可能の状態に戻すことも必要である。

ホタル川は今後さらに整備し、不必要な水草は撤去し、小石を川底に敷き、カワニナの住み処になるよう、整備される予定である。もちろんその前に、理想的な水辺空間とはどんなものか会員同士のコンセンサスを図ることが重要である。

 


映画「植物図鑑」とのコラボ

2016-06-10 04:43:11 | Weblog

6/5(日)主に中学生、高校生を対象に植物観察会を五郎助山で開催した。

4月末、茨城県生物多様性センターより、映画「植物図鑑」が6/4に公開されるタイミングに合わせ、県内22か所でそれぞれの自主企画で5月~6月まで植物観察会を開催していただきたいとの協力要請が当会に届いた。

すでに5月中に3回の植物観察会を予定していたが、電話での担当者のご説明では特に中学生、高校生を対象にした植物観察会という形が望ましいとの内容であった。中・高生の植物への関心がすこぶる低下し、殆どの草花の名前を知らない子供たちが増えていることへの危機感からこうした企画が持ち上がったらしい。

理事会に諮り、検討した結果、5月は無理なので、6/5に開催することになった。 しかし、部活や他の活動が多い、中高生が果たして何人集まるのか、理事会でも懸念する声が多かった。

市報、HPに「植物観察会」の開催内容を掲載し、応募を待っていたが、1件の問い合わせもなく、時間は過ぎていった。

初めて体験する重い空気が流れて行った。

たまらず、地元中学校、小学校の各クラスにポスター掲示をお願いし、巻き返しを図ったが、好転はしなかった。すでに中学校には県より協力要請が届いており、担当の先生も生徒に督励をかけていたようだが、その反応は鈍く、先生もさじを投げた状態だった。

仕方ないので、会員に協力を要請し、会員の勉強会にしようと腹をくくった。

悪いことは重なるもので、講師にお願いした木村さんが体調を崩し、緊急入院したとの知らせが開催日2日前に入り、急きょ、他の方に講師をお願いすることになった。

そして、当日(6/5)を迎えた。快晴で絶好の観察日和である。結局、申込者1名(大人)という前代未聞の観察会当日となったが、飛び入りの来場者を期待し、受け付けのテーブルを並べた。観察会は9時からであるが、すでに8:30分を過ぎていた。

すると二人の小学生が自転車でこちらにやって来る。スタッフの間でざわめきが起きた。思わず駆け寄り「観察会に来てくれたの?」「ううん?さかな釣り・・・」ガックリしたが仕方ない。

  ぼくらはやっぱり魚とり 

すると今度は3人の親子ずれが駐車場から歩いて来る。今度は間違いないようだ。「観察会ですか?」明るく声をかけた。「虫取りです!」 よく見ると補虫網を持っていた。

続いて、中学生の女子二人がやって来た。「観察会?」「違います。」 しかし、今までとはちょっと様子が違う。どうやら様子を見にやって来たようだ。半ば強引に観察会に勧誘した。

予定の9時になった。谷貝さん、黒岩先生、八板さんを講師に、予定通り、観察会を開始した。途中、大窪さんも加わり、観察会らしい雰囲気になった。しぶしぶ参加した中学生も講師の説明を聞き、次第に興味を持ったのか、真剣なまなざしで聞き入っている。

やはり、体験することによって最初に抱いたイメージとは違った反応が出て来る。理科離れが著しいと言われる昨今の子供たちも何かのきっかけで普段何気なく見過ごしている身の周りの雑草(植物)に興味を持つのではないかとの期待を持った。

これに懲りずに、企画力を発揮して、中高生を里山に引っ張り込む仕掛けを考えたい。