里山日記

NPO法人「里山を守る会」における活動の内容。
その日にあった様々な出会いと、感じたことをつづりたい。

リスク マネジメント研修会

2018-03-21 05:49:31 | Weblog

 

3月18日(日)関城地区のペアーノ(生涯学習センター)第一研修室で会員を対象に、リスクマネジメントの研修会を開催した。

近年、五郎助山には様々な人がそれぞれの目的で来訪され、その数も年々が増えている。身近な自然を手軽に味わえる場所として認知され、大変ありがたいことであるが、自然が相手ということで様々な危険(リスク)も潜んでいる。

私自身、オオスズメバチの巣に気づかず、近づき過ぎ、6か所も刺され、一日入院の憂き目にあった。 事前に作業場所の下見をし、危険個所をマークしていたら防げた事故だったと思う。今年はJTBモニターツアーのコースにも組み込まれ、都会の旅行者も来訪された。 

管理・運営を任されている当会が、来訪者が怪我や、事故に遭遇せず、楽しい思い出とともに帰宅できることを今まで以上に真剣に取り組む重要性を感じている。それは会員一人一人が同じレベルで危機感を共有する必要があり、専門的な考え方を学ぶ必要があると感じていた。

 

講師はNPO法人チャウス自然学校の加藤正幸代表である。昨年、当会の研修先として伺い、講話を頂いた。 全会員に聞いていただきたい内容だったので今回改めて講師としてお招きした。 会員30名の他、同じような活動をしている団体にもご案内し、2団体(4名)の方が参加してくれた。

■スケジュール■

1000 開会

1010 安全管理・リスクマネージメントの

    基礎知識

1110 危険予知トレーニングの実際(実習)

1150 質疑・応答

1200 昼食(休憩)

1245 クシ

活動をチェックする。

フィールド・プログラム・道具・緊

急時の対応・対策

※実際に活動現場をチェックします。

(約30分程度)

1330 現場から研修会場へ戻ってきて、現

 状の安全対策について考える

1450 終了

1500 解散

理事は8:30分集合。会場の準備に取り掛かった。椅子、テーブルを加藤代表の指示通りに配列し、プロジェクター、スクリーンを設置した。 加藤代表は9時に到着し、会場にご案内した。 「途中、果樹の棚を多く見かけましたが、この地域はブドウの産地ですか?」と問われたが、ここは梨の名産地で、私も梨を作っているとお答えした。

会場の準備ついては満足されたようで、代表の用意したパソコンに機器をつなぎ、すべての準備が整った。開会まで時間があったので私たちの活動拠点である「五郎助山」をご覧になりますか?と尋ねた。「ぜひ!」ということでご案内した。

五郎助山に着き、設立当時から今日に至る様々な施設を案内し、森の中を二人で歩いた。特に施設を見て「すごいなー、すごいなー」を連発されていた。

加藤さんのところは自前のホームグランドは持っておらず、子供たちを連れ、遠方にある海、山、川に出かけているという。そのためか五郎助山という身近な活動拠点を持ち、自前の様々な施設(手作りのバラックではあるが)のある環境をうらやましいと感じたのかもしれない。

私たちにとって五郎助山は当たり前の活動場所であるが、小さくとも事務所もあり、ほどほどに必要な施設も整っており、市街地にも近く、子供が学校から歩いてこられる距離で、コンパクトに保全された自然。そんなところははなかなか無いかも知れない。 改めてこの場所が多方面で優れた場所であることを再認識させられた。

特に水辺と、森が一体に配置されていることを好感されていた。しかし、この間、この場所に潜む「リスク」も私との会話、歩きながら的確に把握し、この後の講義に生かされることになった。

会場に戻ると、参加者は全員席に着き、開会を待っていた。予定通り午前10時きっかりに始まった。プロジェクターを使い、5,6人が一つのテーブルを囲み、自然体験のリスクにかかわる設問をみんなで意見を出し合う。私の班でも自分には思いつかない意見が飛び交った。

加藤代表が言う。「皆さんがそれぞれ活発に意見を出し合い、議論し合うこのスタイルがリスク回避にとって重要な作業です。」と・・・

当たり前であるが、慣れてくると、昨年もやったから何とかこなせるだろうという思いがあり、この部分をおざなりにしてしまうきらいがある。イベント終了後の「振り返り、改善、実行」が重要でそれを繰り返すことで、よりクオリティーを上げることが出来る。

あっという間に午前中が過ぎ、昼食となった。午後からは五郎助山に場所を移し、活動現場での研修となった。当会にはいくつかの部会があるが部会ごとにリスクを出し合った。ところが思いのほか足元のリスクが見つからず、他団体の参加者からの指摘にハッとさせられる場面も少なくなかった。

今後、来訪者、第三者からの指摘には謙虚に耳を傾けなければならないと感じた。現場での研修を終え、第一研修室に戻った。加藤代表より現場でのリスクを何点か指摘された。すべてがもっともなことで直ちに改善したい。

また、イベントの募集要項の記述についても指摘があり、専門家ならではの視点でとても参考になった。午後3時、予定の時間どおり研修を終了した。「今度はご家族を連れて遊びに来ます。」と加藤代表が言ってくれた。 研修は実行して初めて実になるものである。早速できるところから始めたい。




 

 

 


「第6期わんぱく自然塾」始動

2018-03-12 06:23:32 | Weblog

 

3月10日(土)は定例作業日である。前日、前々日の大雨の痕跡が残る里山であったが、浸透性の良い森の中はフカフカで作業は順調に進んだ。伐採した丸太、枝を運び、刈り残ったエリアの下草刈りを行った。

女性会員の心を込めたカレーを頂き、午後からは作業部会を開き、理事会での議案の報告、今後の事業の日程、打ち合わせ、を副理事長の関根さんの進行で行った。3月18日(日)は会員を対象にしたリスクマネジメントの講習会が開かれる。講師は昨年、研修先として訪問したチャウス自然学校の加藤正幸代表である。

お陰様で里山は子供たちの自然体験の場、住民の憩いの場として定着し、今後は筑西市の観光資源の一画としても期待されているが、自然が相手だけに安全面でのリスクが高い。来訪者の事故や怪我を100%防止することは無理かもしれないが、できる限り回避する努力をしなければならない。

来訪者に対する万一の保険は市、そして当会が重複して加入しているが、リスク回避に対する会員の共通の心構え、その対策を習得することは極めて重要であり、そのためのセミナーを開催する予定である。 同じような活動をしている他団体にも呼びかけ、参考にしていただけたら有難い。

作業部会終了後、第6期わんぱく自然塾に向け、スタッフの会合を行った。過日(卒塾式終了後)新塾長として副塾長の幸田光子さんを推薦し、快諾を頂いた。幸田さんは当会の貴重な若手女性会員であり、ネイチャーゲームの指導員でもある。お子さんと共に様々な当会のイベントに参加し、当会の活動意義を十分理解し、今後の「里山を守る会」を担っていただける方と確信している。

わんぱく自然塾のスタッフは女性が多い。しかも30代、40代、50代の若い世代で当会でも際立ったセクションになっている。

第6期は新たに2名の若手女性会員が加入し、スタッフ13名中、6名が女性(5名がネイチャーゲームリーダー)となる予定であり、子供たちにとっても保護者にとっても女性スタッフはソフトで男性スタッフとは違った安心感があるようだ。

五郎助山で「森のようちえんごろすけ」という自然保育育児の会が現在活発に活動しているが、スタッフ3名はその卒業ママである。 

「幼児期の子供たちを自然の中で自由に遊ばせたい」と思うお母さんたちの集まりであるが、私たちの活動と共通する理念であり、私たちも全面的にバックアップしている。将来、そのお母さんの中から、当会のスタッフとして参加していただけることを大いに期待している。

世代間のつながりが少しづつ実を結び始めたが、まだまだこれからが大切で、誠実にしっかりとこの活動を継続し、共感していただける新しい会員の拡大を図って行きたい。

里山日記をご覧くださっている方にも是非参加していただけたら大変ありがたい




小学生最後の里山授業

2018-03-01 05:35:58 | Weblog

2月26日(月)今日は西小5,6年生が今年度最後の里山授業に五郎助山に来る日だ。6年生にとっては小学生最後の授業となる。恒例の授業となって久しいが、体験授業の後、子供たちからは6年間の感謝の集いが私たちに向けて行われる。

 5,6年生来訪

 冒険広場に集合

会員は8:00集合。この日はできるだけ多くの会員に出席していただくよう連絡済みで、私たちにとっても6年間一緒に自然体験・里山整備に協力してくれた子供たちに一言お礼を言いたかった。

手斧による薪割り、動力機械による薪割り、伐採した木の枝を砕くチッパーの体験、大ノコギリによる大木切り、小ノコギリによる枝切り、そして枯れ枝拾い、と6種類の作業を6班が20分間隔でそれぞれが体験する内容になっている。

学校から徒歩で約20分(5、6年生の足)通いなれた五郎助山への道も今日が最後となる。

9:20分。先生に引率された子供たち110名が到着した。5,6年生にとっては勝手知ったる庭になった五郎助山。会員が待つ冒険広場に余裕で整列し、本日の日程を事務局長より聞く。

大ノコギリ担当の中山、小島、相沢。

皆大きくなった。初めて五郎助山に来た1年生の頃を思うと感無量の親心になってしまう。各担当を紹介し、早速その後に付いて現場に移動。私は昨年に引き続きチッパーの担当である。

 チッパー体験

 薪割り体験(手斧)

 薪割り(動力)

 大のこぎり切り

約1時間半の作業を終了し、休憩の後、自由時間となった。最後の五郎助山を慈しむように思い思いの場所で友達と戯れる子供たち。この場所がいつまでも続くことを改めて願った。

11:00、感謝の集いが始まった。進行は子供たち。まず、代表者から6年間の五郎助山の思い出と感謝の言葉が朗読され、感謝状が当会に授与された。その後、みんなで「ふるさと」を3番まで合唱した。

 

「ふるさと」の歌詞には「うさぎ追いし、かの山 こぶなつりし、かの川」とあるが、大人になり、この歌を歌うとき、五郎助山の森やホタル川・トンボ池が友達の顔とともに蘇ってくれることを願っている。

当会からは返礼に会員が製作した梨の木で作ったモニュメント「絆」を贈呈した。 是非「里山を守る会」と「西小学校」の絆の証として玄関にでも置いていただけたら嬉しい。

6年生には「中学生になっても遊びに来てね。」と言った。