里山日記

NPO法人「里山を守る会」における活動の内容。
その日にあった様々な出会いと、感じたことをつづりたい。

最後の里山

2014-02-27 05:34:03 | Weblog

2月25日(火)西小5,6年生が落ち葉さらい、枯れ枝拾い をし、里山の環境保全のお手伝いに来る日だ。もちろん焼き芋体験もある。

6年生にとっては最後の五郎助山の実習となる。9:10分、元気に約130名がやって来た。ブルーのジャージに身を包み、通いなれた

ホームグランドに来たという感じである。

     里山到着

 

早速、今日の実習内容を6年担当の樋山先生と確認し、サポート会員を紹介し、山崎事務局長より各クラスごとの担当者、実習内容を発表す

る。一クラスに会員が一人付き、作業実習のサポートをする。担任の先生も子供たちと一緒に実習だ。

子供たちとはあうんの呼吸で繋がっている。5,6年生ともなると、かなり広い五郎助山ではあるが「ガッテン、まかせて!」という

感じで詳しい説明もいらないくらいだ。

各エリアに分散し、いよいよ実習開始!

 まずは枯れ枝拾い

             落ち葉掻き

 もっこの使い方もうまくなりました

 いっぱいになった集積場

手慣れたように熊手、もっこ、を扱い、落ち葉が集められて行く。3m角の集積場も瞬く間にいっぱいになって行く。

子供たちの力は侮れない。 新たに開発した区域の整備も西小の子供たちのパワーにどれほど助けられたか計り知れない。

作業を始めて30分が経過した。子供たちは一心不乱に落ち葉掻きに集中している。ちょっと疲れが出たようだ。

「小~休~止、」号令をかける。

休憩の合間に子供たちを集め、落ち葉が取り払われた表土を掘らせた。ふかふかの感触である。これまで何十年と放置され、積み重なった落

ち葉が土になって行く過程であること、落ち葉が深すぎると植物の芽も出ないことを話した。

このエリアにある1本の山桜の前に子供たちを誘導する。「さてここに山桜の木が1本あるが、さてどれだろう? これだと思う木に触れて

ほしい」と言った。一人が名乗り出た。おもむろに進み、目指す木をそっと撫でた。

「違う」と思う人はいないか? 又、一人手を挙げた。木に向かって行く。悩みながらも一本の木に抱き付いた。

「ふ~む  どちらかが正解です。」二人の行動をじぃ~と見ていた子供たちに聞いた。

「最初の木だと思う人?」三分の一ぐらいの手が上がる。「な~るほど」「2番目だと思う人?」「正解は・・・さんが抱きついた二番目の

木です」。溜息と歓声が同時に上がった。

このあと、山桜の特徴や、この山桜が特に珍しく、他の山桜よりかなり早く咲き、花も大きく、今、専門家に品種を調べてもらっていること

を話した。

 再び、実習に戻り、見違えるほどにきれいになった雑木林に満足し、意気揚々と集合場所に戻った。

焼き芋はもう少しかかるようである。ここで30分の自由時間。一斉に歓声があがった。蜘蛛の子を散らすように遊具に飛びついた。「ハン

モック」「ロープのぶら下がり」大した遊具はないが、この時間が一番楽しい。

      

            ハンモック                   ロープ ブランコ

              

 

ひとしきり遊んだ頃、焼き芋が出来上がった。いよいよ「試食タイム」と思っていたら、先生より「感謝の会を行います。」とのこと。

5,6年生整列!・・・・・ 見事に整列。 6年生の代表者数人が前に出て「感謝の会」を進行。

代表者2名から6年間の里山での自然体験の感謝の気持ちを伝えていただきました。

そして、記念の写真・思い出をつづった文集 を頂きました。 最後に6年生全員で「感謝の歌」を披露してくれました。

会員一同、大感激です。

  

 会を代表し、

「こちらこそ、6年間一緒に作業をし、五郎助山をきれいにしてくれた皆さんに心から感謝したいと思います。6年間とても楽しい時間を一

緒に過ごすことが出来、大変うれしく思っています。中学生になっても五郎助山に遊びに来てくださいね。」とお答えしました。

 

感動冷めやらぬ中でホカホカの焼き芋が配られ、身も心も暖かくなりました。今日の焼き芋は格別の味です。

 (最後の晩餐)ならぬ小学生最後の焼き芋

 

 

6年間の思い出を胸に、子供たちは林の中を母校に帰って行きました。

また きてね-

 

 

 

 


チェーンソー講習会

2014-02-24 18:45:51 | Weblog

2月22日(土)、23日(日)の二日間にわたり、チェーンソー講習会を行った。

刈払機講習会は今までに2回開催したが、チェーンソー講習会は初めてである。刈払機講習会の担当者6人がそのまま講師となり、とり仕

切った。

今回、市報にも掲載しなかったが、会員6名、一般からの応募者12名、計18名のご参加を頂いた。

1日目は関本公民館でテキストを基に山崎、中山両会員が受け持った。午前9時から午後4時まで中身の濃い時間を過ごした。

久しぶりに学生のころに戻ったような雰囲気である。

 第1日目 公民館での講義

            

2日目は場所を五郎助山に移し、チェーンソーを操作し、伐採、枝払い、玉切り、を交代で行った。

 

五郎助山での講習 体を温め、開始を待つ受講生

 

昨日のおさらいをビデオでもう一度確認する

 

 

                             ずらりと並んだ実習用の機械器具

                        

いよいよ実習だ。(細い木材から切ってみる)

  

間伐体験

 

枝払い

午後からは かかり木の処置、機械器具のメンテナンスの講習を行い、当会より受講書を交付させていただいた。

3月15日には第3回刈払機講習会が予定されている。すでに6名の方が申し込みをされているという。安全な作業、安全な機械操作を行う

ためにも、一人でも多くの皆様に受講して頂きたい。


わんぱく自然塾 卒塾式

2014-02-18 19:55:49 | Weblog

第1期「わんぱく自然塾」の卒塾式が2月16日(日)に行われた。雪の為、予定より1週間ずれ込んだ。14日も雪が降り、五郎助山にもまだ雪が残ってい

たが、決行した。

 外はまだ雪が残り、寒いので五郎助庵にて炭火で暖を取る塾生

 

残念ながら全員出席は叶わなかったが、野鳥観察、シイタケの植菌、うすと杵を使った餅つき、「あぶらちゃん」という木の記念植樹と、盛り沢山のイベン

トだった。  お昼はつきたての餅を入れたお汁粉、きな粉餅に塾生もスタッフも大感激。 

 野鳥観察

           ズラッと並んだ双眼鏡

                      シイタケの植菌 

 

   記念植樹

        「あぶらちゃん」という苗木   

 

終了書の授与式に移ると一人の塾生から感謝の言葉を示した手紙が山崎塾長に手渡され、思わぬハプニングに   

「熊さん」 感激‼

        塾長「くまさん」より修了書の授与 

第1期塾生は23名であったが、地元小学校はもとより、市内8校の小学生が参加してくれた。一人で参加してくれた児童もいる。

 初めての試みでもあり、担当責任者の山崎さんにはをご苦労をおかけした。 地元にある身近な里山で同年代の子供たちが、地域の大人と一緒に

様々な自然体験を年間(6回)を通じ、共有した体験は貴重だと思う。毎回送迎してくれた保護者の皆さんにも感謝したい。  

この体験が今まで以上に、自然との距離を縮め、自然の中に浸ること、友達と自然の中で遊ぶことの魅力を再発見するきっかけになってくれたら嬉しい。

今年も3月から「第2期わんぱく自然塾」の募集が始まる。 是非多くの小学生に参加をしてもらいたい。当会のHPでも間もなく申込が出来る。

先日、NHKのテレビでお茶の水女子大学の名誉教授(女性)が、有名大学に入学した学生のうち、就学前(幼年期)に思い切り自由に遊んだという学生

の方が、いろいろ習い事をしたという学生よりも合格率が高いという調査結果がでている。ということを話されていた。大学の先生が調べた結果なので信

憑性は高いのではないだろうか。 この調査結果は、外で遊んでばかりいると学力が落ちると思っている保護者や、先生に一石を投じるものになるかも知

れない。一方で名誉教授は、幼年期に自分の意思で何で遊ぶかを自分で見つける体験(過程)が重要だと言っている。

文科省はゆとり教育から学力向上へとハンドルを切り、土曜日の授業復活も取りざたされている。

本当の学力とは何なのか?

ネット中毒社会に浸る今の学生、社会人は本当に健康な日常と言えるのか?

真の幸福とは何なのか?

 みんなが立ち止まって考えてみる必要があると思う。

特に幼年期、少年期の過ごし方で、将来の子供たちの人間形成に大きな影響を与えるとしたなら、その時期の子供達の環境をどう整えることが理想な

のか、学者、保護者、政治家、教育者、が こぞって考えなくてはならない課題と思う。

 

 

 

 

 


久しぶりの大雪

2014-02-10 06:23:50 | Weblog

2月8日は久しぶりの大雪になった。

夜半からは台風並みの風も吹き、木々に積った雪は吹き飛ばされてしまうほどだった。

吹雪が去った翌日は快晴だった。吹き溜まりは50センチにもなっていた。

2月9日(日)は里山当番の日だ。この雪では誰も訪れる人はいないと思ったが、雪景色も見たかったので、庭の除雪作業をした後、4WDの軽トラックで

出かけた。 五郎助山の入り口にはすでに一筋のタイヤの跡・・・・・・ 誰かが来ている?

 近くに住む山下副理事長の車の跡であった。

五郎助庵が気になり、朝一番で様子を見に行ってきたとのこと。  さすがである。

五郎助山に近づくにつれ、あまりの景観の素晴らしさに、思わず、シャッターを押しまくった。

 遠くに五郎助庵が見える。

           夜半に吹いた風の為、木々には雪がない

                      トンボ池 

     ひっそりとたたずむガチャポンプ 

         

                                

         

              

                               

                  

             朝日が眩しい。

 

                 誰もいない里山を存分に満喫した。

自己満足に浸りながら、帰路に着くと

五郎助山の入り口付近の進入路をコジマ工業の社長自らショベルカーで除雪作業をしてくれて、ノーマルタイヤでも通れるようにしてくれました。

コジマ工業(株)は当会の賛助会員でもあります。 有難うございました。

                       

 

 


身近なみどり整備事業

2014-02-02 20:57:31 | Weblog

県助成事業、「身近なみどり整備事業」が五郎助山地内、約50アールの整備が始まった。

昨年に続き、駐車場の南と西に接続する山林を整備する。この場所を整備すると五郎助山のほぼ全てが整備され、中央に立って360度、視界が閉ざさ

れることなく、見通すことが出来るようになる。

これにより、来訪者の安全や、景観の向上も格段に向上する。 今回の場所も何十年と放置され、藤つるに覆われ先が見えない状況になっていた。

 

一人では到底やる気も起らない状況であったが、数の力は強い。 エンジンの音も力強く、果敢にやぶの中に入って行く。

 

間伐をする木を選ぶ作業に入る。

  

    樹齢60年の大木である。

                     いよいよ受け口を切る

  60年、五郎助山を見てきたクヌギの大木が倒れた   

  

               玉切り

                             作業集積    

 見事に整備された現場

 

この整備により約6ヘクタールの里山が出現した。

この場所を永遠に残したい。

しかし、私たちだけでは不可能である。私たちの思いを継いでくれる後継者と、それを応援してくれる人々が連綿と繋がらなくてはならない。

難しい課題であるが、その可能性を信じて、今年も前進したい。

子供達の心の故郷をなくしてはならないと思う。