８月８日から梨の出荷が始まった。昨年より３日ほど遅い出荷となった。 私はＪＡ関城選果場に出荷しているが、４月２４日の降雹で出荷量が大幅に落ち込む予想だ。農家にとってはなんともやるせない思いである。私のところは幸い大きな被害は免れたが、約半数の仲間が甚大な被害を受け、近年にない減収となることは間違いないようである。
今年も昨年同様異常な暑さで、梨の色づきが悪い。（昼夜の温度差が少ないと色づきに影響する）価格はまずまずであるが、いつもより小玉で、これも出荷量を低下させる原因になっている。市場から担当者が来訪し、福島産の桃の話が出た。山梨産の桃と比べて７割も安いとのことである。まさに風評被害であり、これから出荷が見込まれる梨も余り期待できないとのことであった。福島の農家の皆さんの心情を思うと同じ農家としてやり場のない怒りを覚える。
原発の風評被害はいつまで続くのか？ 先の見えない不安があれからずーと続いている。現地では離農を決意する人たちが増えていると言う。一方で祖国日本の愛の手が見えてこない。この国を本当に信用してよいのか？
去る７月２９日（金）古河市子供週末活動支援事業推進協議会主催による自然体験の場に五郎助山が選ばれ、子供５２名、引率１０名の総勢６２名の皆さんが大型バス２台で五郎助山に到着した。バスは近くのJA梨選果場に駐車し、担当の山下副理事長がお出迎えをし、会場となる五郎助山までご案内した。
当日はあいにくの雨模様であったが子供たちはいたって元気である。すでに６月の頃に申し込みがあり、慎重に計画がされていたので決行ができて本当に良かったと思う。子供たちは2班に別れ、魚釣り、ネーチャーゲーム、ピザ焼きをそれぞれ体験する予定になっている。前日まで第二回里山キャンプだったので会員には連続３日出勤という方もいる。
事前の打ち合わせどおり各担当者は自分の持ち場に着き、てきぱきとその準備を進めている。古河市からの要請は今回で２回目となるが、参加者は前回の２倍に増えたので受け入れ側としても真剣である。早速注意事項をお話した後、魚釣り班２５名、ネーチャーゲーム班２５名に別れ、いよいよスタートである。釣り体験の竿はトンボ池のふちに自生している篠竹を切って釣り竿にしたものである。糸、針、餌は古河市で用意し、会員が慣れた手つきで子ども達に糸の結び方、餌の付け方を教えている。あいにく雨がぽつぽつ降りだした。
ほとんどの子供たちは釣りの経験がないという。果たして釣れるのか？
一方ネーチャーゲームの方は山の中で静かに進行していた。まず、子供たちの緊張をほぐす為、簡単な動物当てゲームをしていた。会員が数ある動物カードの中から無作為に絵を選び、後ろの襟に洗濯ばさみでカードをはさむ。そして「私はこういうものです。」と周りの子ども達にそのカードに書かれた絵を見せる。その動物のヒントを子供たちからもらい、ついにはその動物を当てるというゲームである。
２,３回繰り返した後、やってみたそうな顔をした子を指名し、その子の後ろ襟に洗濯ばさみでカードを付けた。「私はこういうものです。」「ふーん。」思わず笑いが漏れた。仲間がやることでがぜん、積極的になった。子ども達に笑みが戻ったころ、今度は全員の後ろ襟に動物カードを付け、一人一問の質問をお互い相手に問い、わかるまで次から次へ相手を求めて質問し合う。わかったら指導者の会員のところに来て自分の動物をそっと告げ、正解だととその動物カードは胸につけ直し、まだわからない友達にヒントを出してあげる。森の中は子供たちの声でいっぱいになった。
さて魚釣りはどうなっただろう。トンボ池では小雨の中、皆カッパを着て静かに釣り糸をたれている。ところどころに置いてあるバケツをのぞいて驚いた。どのバケツも小魚でいっぱいなのだ。「こんなに釣ったの？」「うん。」と小４の女の子が答えた。「すごいなー、あなたは釣りの経験があるの？」「ううん、初めて。」
後で知ったがこの日一番の子は２３匹釣ったそうだ。しかも初めての釣り体験。今日のこの小雨交じりの天気と、グルテンの餌が大漁につながったようだ。「釣りなんてかんたんだね。」そんな風に思われても困るのだが・・・・
お昼近くになり、ピザのトッピングの時間だ。自分達で作ったピザを里山のおじさんが特製のドラム缶で焼く。チーズもとろけてとてもおいしそうだ。初めての里山体験、夏休みの思い出の一ページになれば幸いである。
古河市から五郎助山に到着
この日はとにかくよく釣れた。
ドラム缶ピザの釜戸係りの会員（とにかく熱い）
おいしいピザに舌鼓
ネーチャーゲームの風景
