里山日記

NPO法人「里山を守る会」における活動の内容。
その日にあった様々な出会いと、感じたことをつづりたい。

野鳥観察会

2019-02-26 04:55:48 | Weblog

2月23日(土)AM10:00 恒例となった野鳥観察会。今年も石井省三氏(日本野鳥の会茨城県副会長)を講師にお迎えし、開催した。

当日、雨の予報もあり、気をもんでいたが、杞憂だった。見事に晴れ、風もなく、春を思わせる絶好の観察日和となった。

参加者はスタッフを含め、40名(定員30名)となった。 初参加者も八名おられた。

今回の特徴は、成人の方が多く参加され、ご自分の双眼鏡を持ち、そのいでたちから野鳥に詳しい雰囲気を醸し出していた方もいらした。

自然博物館の小幡先生が届けてくれた双眼鏡(35台)を参加者にお渡しし、石井先生より、使い方の説明があった。

先生ご自身が作成されたこの地域でみられる野鳥の写真と解説が載った冊子を各自に配布し、五郎助庵をいざ出発。

五郎助山を囲む外周道路がそのコースとなった。約2時間の観察会である。

大勢の人間に驚いたのか、野鳥はなかなか姿を見せてくれなかった。 先生は野鳥はもちろんであるが、道端にある野草についても興味ある話を盛り込

同行者の耳を引き付けた。しばらくコースをたどると誰がが、「あ、カケス」だ。と声を発した。「どこだ!、どこだ!」と指さす方向へ、一斉に

双眼鏡を向ける。

人よりも先に見つけたときの快感がこの観察会の醍醐味でもあるようだ。

私の双眼鏡も茶色いカケスを捉えていた。カケスはしばらく姿を隠さず、同行者の目を楽しませてくれた。

次に「コゲラがいる!」と誰かが小さな声で叫んだ。

また一斉に双眼鏡を手にする。捕まえた!。コゲラは止まった木の幹の周りをぐるぐる回りながら、くちばしを幹に当てていた。

まもなくもう一羽のコゲラも現れ、同じようにぐるぐる回る。

つがいかもしれない。参加者の欲求不満はいくぶん解消されたようだ。

時計を見ると12時少し前になっている。五郎助庵で里山カレーを作ってくれている女性スタッフに電話する。(準備OKとの返事)

石井先生に合図し、きびすを返し、スタート地点に戻って行く。

五郎助庵に着くと、ビンゴゲームが待っていた。先生が作ったカードに、野鳥に関するクイズの答えを埋めて行く。出題者は石井先生だ。

スタート時に先生から野鳥に関するお話しがいろいろあったが、そのお話しの中に答えがたくさんあった。

見事ビンゴとなった方にはカレーのお替りが出来ると先生がおっしゃった。(え、聞いてないな?)それとなく厨房に入り、カレーの量を確認したら、

(多めに作ってあるので大丈夫)との返事があったので安心した。

今回初めて参加していただいた成人の方に五郎助山のパンフをお渡ししながら、是非、当会にご加入くださいとお誘いした。

5月には植物観察会も予定しており、そのご案内もお送りするとお伝えした。

ささやかな縁から一生の縁が生まれることもままあるので、こうした縁を大事にしたい。

天候に恵まれ、楽しい観察会となった。

 


第6期「わんぱく自然塾」 卒塾式

2019-02-13 06:45:04 | Weblog

2月10日(日) 第6期「わんぱく自然塾」の卒塾式が開催された。 前日の雪が残ることを予想し、開会時間は午後1:30に変更された。塾長の指示により、各班の担当者が前日に塾生の保護者にその旨の連絡をした。

そして当日。 予想通り、昨日の雪はほぼ消え、快晴で、風もなく、素晴らしい卒塾式日和となった。 

スタッフはAM11:00時集合。本番に向けての準備に取り掛かった。 記念植樹の掘り上げ、根巻き。 ドラム缶ピザの熾火づくり、それぞれ分担して作業に当たった。

PM 1:00 続々と塾生たちを乗せた保護者の車が駐車場に入って行く。駐車場から会場まで歩いて2~3分。この間、里山の風景に刺激され、塾生としての自覚が湧いてくる。

今日が塾生として最後の里山となる。 1年間、後輩たちをサポートしてくれた「里山名人」(中学1年生)の二人も応援に駆けつけてくれた。

私と谷貝(公)宮本、竹澤は記念植樹となる「イロハモミジ」「山桜」を掘りだし、根巻きをする作業に入った。毎回、2本の記念植樹を行い、それぞれに塾生の名を刻んだプレートを設置している。 

これまでは塾生たちが自ら掘り出し、植樹場所まで運んだが、今回は雪の影響で卒塾時間を短縮したので掘り出しはスタッフが行うこととなった。樹高3メートルを超える記念樹の掘り出しは中々大変だ。交代で掘り上げ、根巻きをした。植樹は塾生たちが行う。

ドラム缶ピザの担当は、田崎、三須、森の三人である。 あったかくていいなと思うが、実際は熱くて大変な仕事である。 早くピザが焼けるよう予め、容器を暖めておくことが重要なのだ。

受け付けが済んだ塾生や保護者にピザ焼きドラム缶を見てもらった。 鉄骨屋さんに頼むと簡単にできるので、是非、家庭でもピザを焼いてもらいたい。

いよいよ開塾式だ。1班、2班はピザづくり、3班、4班は記念植樹。その後交代となる。

私たちは植樹担当なので1,2班を引き連れ、植樹の場所に移動した。 現場に着くと谷貝会員より「さて、君たちが植樹するこの木はどんな種類かわかるかな?」と塾生に向かって問う。

とたんに静かになった。

しばらくして誰かが「も・み・じ?」と言った。「正解!」。 正確には 「イロハモミジ」と言います。  

「どこでわかった?」「枯れた葉っぱがモミジの葉に似てたから・・・」

こんなやりとりがとても大切で、「気づき」はよく観察している証拠で、なぜ気づいたかを聞き出すことも重要だ。それを聞いていた周りの塾生たちにも良い刺激を与えてくれる。

イロハモミジに水をやり、杭を立て、風で揺れないように固定して終了した。

五郎助庵に戻ると、1,2班の塾生はピザのトッピングに熱中していた。それぞれ個性の強いトッピングだ。

1,2班が記念植樹のため、森に向かった。戻った3,4班がピザづくりに挑戦する。

各自で作ったピザがいよいよドラム缶窯に投入された。5,6分で次々に焼きあがる。すべてのピザが焼き上がり、全員で「いただきまーす。」

どの顔も笑顔で満ちている。自分でトッピングし、自分で焼いたピザの味は格別のようだ。スタッフも一緒に頂く。

焼きたてのピザはうまい!

お腹が満たされたころ、いよいよ卒塾証書の授与である。

一人一人に幸田塾長より証書が手渡された。神妙に受けとる塾生。ニコニコしながら受けとる塾生。個性豊かだ。

次に三年連続参加し、「里山名人」となった六名に私から「認定書」を授与させていただいた。

4月から中学1年生になって、第7期塾生のサポーターとして参加してくれること願っている。

午後4時、卒塾式は滞りなく終了し、一年間にわたる「わんぱく自然塾」は閉塾した。

参加してくれた子供たちの心に、この一年間の体験がどのように残り、どのように作用するのだろう・・・。

共に活動した友達の顔が浮かぶだけでもよいと思う。その背景には必ず里山の風景もあるはずだから・・・・。