里山日記

NPO法人「里山を守る会」における活動の内容。
その日にあった様々な出会いと、感じたことをつづりたい。

師走

2013-12-23 04:14:03 | Weblog

師走。

今年も残り少なくなった。 今までになく慌ただしく、落ち着きのない一年。 といった気がする。

農業においては春の降霜・強風による梨の被害、そのため大幅な減収となった。又、合鴨米の出荷が原発による影響で、既存の購入者が関西方面の有

機米に変更する傾向が依然続いており、これもまた販売額が低下している。そのため今、独自の販路を模索中である。

 「NPO法人里山を守る会」の事業量の増加に伴い、それに係る仕事が月の半分を超えることが多くなり、生業に集中できなかった。もとよリ覚悟の上で

あったが、改めて両立の厳しさを感じている。おそらく、この葛藤は退任するまで続くだろう。

マイナス要因が多くなると人の心は落ち込んでくる。そんな状況の中で明るいニュースもあった。長男の家族が来年、長女の小学校入学を機に家に戻る

ことになり、現在、敷地内に家屋を新築中で、新年は一気に賑やかになりそうである。

会員とそのお孫さんが里山で対面し、そんな時、いつもより張り切って活動している場面を幾度となく目にしているが、来年から自分がその立場に加入で

きる喜びを今からワクワクしながら想像している。

自分を取り巻く環境は常に刻々と変化し、まさに諸行無常の世界である。そのことに一喜一憂せず、己を失わず、高い目標に向かって行かなければなら

ない。 わかっているが、それがなかなか難しい。有難いことに1日がとても短く感じる。相当綿密に一日の計画を立てないと、ますます仕事がたまって

行くので、効率的な思考の訓練が始まっている。

不思議なことに里山に関する仕事というか労務に関して大変だという思いはあるが苦痛と感じることはなかったように思う。「里山の時は気合が違う。」と

妻が言う。 「同じくらい家のことも・・・・・・」と言葉は続く。 

里山に関する事務は極力早朝に行っている。 それでも家族にとっては随分のめり込んでいると感じているようだ。

私たちの活動はそれを体験した子供たちにどう影響を与えるのか、明確に現象や答えは今のところわからない。 ただ、子供たちと里山のおじさん、

おばさんたちの距離が縮まり、学校側も里山で見せる児童の生き生きとした姿に、何かがあると感じていることは確かである。

そして子供たちが里山を身近な自分たちの居場所としてとらえ、無意識に自然を感じる場所となっていることは間違いない。

今の子供たちが大人になった時、里山での体験や私たちとの交流が心の片隅に残り、また里山に行ってみようと思い立ってもらえたらとてもうれしい。

また、14年間の活動を通じて、里山を媒体とし、様々な団体がつながり、その多面的な利用を図ることにより、地域の活性化にも繋がると信じている。

退職後の生きがいづくり、環境教育の場、癒しの場 等、その可能性は無限である。

大事なことはそのような無限の可能性を秘めたこのような場所を整備保全する重要性を、行政も、地域住民もそして地権者も共有することである。そのた

めの負担をそれぞれがそれぞれの立場で負う覚悟も必要である。

 

さて、来年も様々な葛藤の中で前進したい。設立の情熱と夢を失わずに。  必ず神(仏)のご加護があると信じて。

 

 


あたご四季の会 

2013-12-17 05:53:17 | Weblog

12月14日は作業の後、各倉庫の整理、整頓。そして今年の打ち上げを行った。

いつものように、本日の作業内容の告示と各人の持ち場の確認を行う。

倉庫の整理、整頓。梨畑の鉄柱(パイプ)の確保と運搬。昼食づくり(そば、天ぷら)。下草刈班。間伐班。と分かれ、いざ出陣。

 作業班ごとに黒板に各自の名前が示される

 

又、今日は旧岩間の山間部を整備されている「あたご四季の会」の皆さんが五郎助山に視察のため来訪されることになっている。

過日、笠間市で開催されたグリーンフェステバル2013において里山を守る会の事例発表が行われたが、それを聞いて、私たちの活動に興味を持ったとい

う。 後日、事務局の方から私に電話があり、五郎助山を訪問し、詳しい話を伺いたいとのお話があり、快諾した。

10時来訪という約束なので、作業現場より20分前に戻った。 10時5分前、2台の車が五郎助山に入ってきた。会長以下8名の会員が降り立ち、偶然

居合わせた私は早速、自己紹介をする。 

すでに会員は今日の作業内容に沿って活発な動きをしている。遠くから聞こえるチェーンソーのエンジンの音、刈払機のエンジン音、近くはそばを切る

音、天ぷらを揚げる音、様々な音が混ざり合い、活発な活動の証でもあったが、来訪者にとっては耳障りに聞こえたかも知れない。

皆さんを、自前の木炭を熾し、暖かくしておいた囲炉裏の部屋(土間)に案内した。

  五郎助庵にて研修

当会からは中川、山下、山崎、日向野ユリ、そして記録係として大窪が出席し、山崎さんが進行役となって双方の自己紹介の後、活動の内容を資料をも

とにご説明した。

その後、五郎助山内を歩きながら、説明し、約1時間の研修を終了した。限られた時間内なので、十分な研修とはいかなかったと思うが、これを機会

に、双方の交流が深まれば幸いである。

 そば打ち風景

 整然と並べられたヘルメット

 山火事予防のため、無断の焚き火、焼き芋体験の禁止の看板を設置。

 

12月理事会にて、焚き火、焼き芋体験をする場合、当会に届出をし、指導者を配置することにより受け入れを決定。

詳細は次の通り

 

焼き芋体験(一般)の受け入、有料化について  (平成25年12月14日通達)

近年、落ち葉焚きなどが自由にできない状況の中で里山での焚き火、焼き芋の依頼が増えている。学校、ボランテイア団体の依頼はもとより、個人的な、あるいは仲良しグループなどからの問い合わせも増えている。しかし、経験不足による山火事の恐れもあるため、指導者(会員)を配置し、安全第一を基本に今回、個人・グループの申込を積極的に受け入れ、そのための規約を設ける。

 

申し込みを下記の条件付きで受け付ける。

(一 般)

第1項     申し込みは既定の用紙を用意し、FAX,およびEメールで受け付ける。

第2項     受け付けは予定の5日前までとする。

第3項     人数は3組(家族)おおよそ10名以上とする。

第4項     指導者(会員)を必ず配置し、安全を確保する。

第5項     指導者一人3,000円(半日)の指導・安全管理料を受領する。

第6項     指導者の数は参加者人数により、当会の判断で加増することができる。

第7項     消防署への届け出を当会が代行の時、1件1,000円の手続き費用を受領する。

第8項     焼き芋体験は午前中のみとし、天候により、当会の判断で中止できる。

※  芋は申込者が用意する。

 (会 員)

正会員の利用についても上記の規約を順守する。ただし第5項については適用しない。

 

管理者の義務

1、 当番となった会員は作業前に参加者に対し、安全管理を説明し、特に子供の安全を保護者に伝え、注意を喚起する。

2、 終了後の残り火を必ず確認する。

3、 用意された日報に、その日の記録をする。

 

 

 

 


第5回わんぱく自然塾

2013-12-09 06:53:42 | Weblog

12月8日(日)午前9時から第5回わんぱく自然塾が開催された。

今回のイベントは季節がら落ち葉で焼き芋、ドラム缶ピザという豪華版である。年末ということもあり、担当の熊さんが会員に呼びかけ奮発してくれたようだ。

西小の子供たちにはおなじみの落ち葉焚き&焼き芋であるが、他の子供たちにとっては初めての子もいるかも知れない。

例のごとく、焼き芋担当者は8時から熾火づくりに余念がない。

日向野ユリお姉さん?から、新聞紙に芋を包み、水にひたし、アルミ箔で包むまでを説明してもらった。

完成品を一輪車に積み、焼き芋の現場に運ぶ

アツアツに焼けた熾火にアルミに包まれた芋が並べられて行く。

その上に落ち葉がかぶせられて行く。

一段落したころ、このわんぱく塾の事業を行うための助成をしてくださっている「JT水戸支店」より、視察と事業確認に業務部長の佐久間さん、次長の鴨志田さん、そして担当課長の糸井さんの三人がJTの商品である飲み物、お菓子を子供たちにたくさん持ってきてくれた。

思いがけないプレゼントに子供たちも大喜びであった。

 JTの佐久間部長(ご挨拶を頂いた)

焼き芋が出来上がるまで、子供たちは自由時間となった。一人の男の子が興奮した面持ちで「スズメバチの巣を見つけた!」と私の所に来た。

周りの子供たちを誘い、現場に駆け付けた。クヌギのかなり高いところにそれはあった。すでに今の時期、蜂の姿は無く、安全だということを話した。

 

「よく見つけたねー。」みんなの前でほめた。照れる男の子。

こうした体験が、自然と子供たちの距離を縮め、自然に興味を持つきっかけとなるのでとても大事だ。

「沈黙の春」を書いたレイチェル・カーソンの言葉に「草花の名前をたくさん覚えることより、自然を感じることの方が何倍も重要である。」とのくだりがある。

本当にそう思う。 そんな視点で子供たちに接し会えたらいいと思う。

焼き芋の後、ピザも食べ、食欲の旺盛な子供たちに脱帽し、来年の再会を約して閉会に臨んだ。

 「来年も元気に会おう。」と山崎さん

来年も2月に野鳥観察会が予定されている。

 

 


筑西市子育てアドバイザー主催による親子で焼き芋体験

2013-12-04 05:29:52 | Weblog

12月3日(火) 晴れ  

筑西市子育てアドバイザー主催による親子で焼き芋体験が今年も五郎助山で行われた。 毎年、この時期になると、就学前のお子さんを連れたお母さんたちが集まり、落ち葉集めや、焼き芋体験をし、交流を図っている。

この日は風もなく、小春日和の絶好の焼き芋日和であった。

 総勢60名近い親子とサポート役のアドバイザー、市関係者が集い、親子で落ち葉を集め、焼き芋おじさんが待つ場所に「えっちら、えっちら」と運んだ。

このイベントも回を重ね、親と子のコミュニケーションとお母さんたちの情報交換の場としてしっかり定着した。 

 「これ、葉っぱ?」

 

お母さん自身が落ち葉を集め、焚き火をし、焼き芋を作るという体験が乏しくなっている昨今、とても貴重な場であり、

それに協力できることがとてもうれしい。

やはりこの場所は、次の世代に残して行かなければならない。

焚き火の周りにお母さんたちが集まった。「あったかいね。-」 「ほんと、あったかいねー」

思えば、落ち葉や、枯れ枝を燃やし、暖を取るという体験は、無くなってしまったかもしれない。思いっきり、そのあったかさを感じてもらいたい。

 「あったかいねー。」

焼き芋が出来上がるまで、しばしの休息。 思い思いの場所で子供と遊ぶ。

間もなく 「ほかほか」 の焼き芋が出来上がり、暖かい日差しの中で笑顔でほうばっていた。

また来てねー。