里山日記

NPO法人「里山を守る会」における活動の内容。
その日にあった様々な出会いと、感じたことをつづりたい。

平成27年度総会終了

2015-05-18 04:29:30 | Weblog

5月17日(日)午後2時から平成27年度第12回「NPO法人 里山を守る会」の総会が開催された。

筑西市 赤荻教育長をはじめ、関城西小学校 武井校長、関城東小学校 須藤校長、関城中学校 堀江校長、関城子ども園 箱守園長、そして大谷生涯学習課長、内藤農政課長 がお忙しい中、来賓としてご臨席頂いた。

また、会員の立場で 設楽 恵美子県議、大島 茂市議、森 正雄市議もご出席頂いた。

初めに、先日,急逝された山下高夫 理事に黙とうを捧げ、 瀬端昭弘氏を議長に選出し、議事が進行した。

第1号議案(平成26年度事業報告・平成26年度決算報告)2号議案(平成27年度事業計画・平成27年度予算案)3号議案(任期満了による役員改選)から4号議案(その他)まで慎重な審議の結果、可決、承認を頂いた。

平成26年度は林野庁からの補助事業約150万が特に大きい額となったが、平成28年まで3年間補助を受けられることとなった。主に里山整備に関する労務費の支給と整備に係る資材費の補助が主な内容である。

一方、JT(日本たばこ産業)の助成90万、農大跡地管理委託事業80万は平成26年度を持って終了する。

平成27年度の予算は6,769,753円である。

会費33万、賛助会費72万 合わせて約100万円が安定収入となるが、収入の大半は補助金頼みということになる。

今年度、市農政課の委託を受け、都市・農村交流事業の里山体験部門の企画を受託したが、行政よりこうした委託を受けることは当会の企画力、そして里山という場所が、魅力的な価値のあるものとの評価を受けたものと思っている。

今、地方創生を国を挙げて推進し、それぞれの地方の特色を活かした事業に多くの予算を付ける方針だと聞いている。筑西市は観光資源が少ないと言われて久しいが、私は里山(平地林)の環境も筑西市の立派な観光資源だと思っている。里山(平地林)の特色や自然体験を活かした企画力によって、都市部の人たちを呼び込めると思っている。ローカルな常総線と結びつけた自然体験ツアーも面白いと思う。

今後、行政に対しても里山と結びつけた様々な自然体験や観察会等のアイディア・企画を持参し、協同で筑西市の魅力を発信する場を持つべきだと思っている。

さて、3号議案(理事の改選)では3名の理事が退任し、同数の新理事が就任した。新理事の氏名、役職は下記の通りである。

平成27、28年度 理事

〔理事長〕 中川 行夫 

〔副理事長〕 金沢 登(丸山)・瀬端 昭弘(五郎助山)

〔理 事〕 竹澤 寛(会計)・佐藤 信勝(事務局長)・潮田 佳雄・中山 正博・関根 伸年(新)・中里 雄一(新)・宮本 忠雄(新)

〔監 事〕 笹木 勝 富田 隆

以上の顔ぶれである。

これからも、設立の理念、情熱を失わず前進する覚悟であるが、理事・会員の協力がなければ会の存続も、事業の継続も出来ない。私たちの活動がこれからの日本や地域の再生を担う、心豊かな青少年の育成という大きな理想に向かいそのことを確認し合いながら、迷わず、自信を持って前進したい。

 

 

 

 


山下さん、逝く

2015-05-15 03:32:13 | Weblog

5月14日(木)当会の副理事長である山下高夫さんの葬儀、告別式が結城JAホールで営まれた。68歳であった。

昨年の暮れに、体調不良を訴え、緊急入院し、診断の結果「突発性血小板減少症」とわかり、「間質性肺炎」も併発しているとのことだった。

早速、筑波大付属病院へお見舞いに伺ったが、突発性血小板減少症の方は改善したが、間質性肺炎による肺の機能が低下しているとのことだった。

退院しても酸素ボンベは手放せず、重い作業はできないかもしれないと肩を落としていた。

しかし、その後の経過は良く、仮退院も近いとの知らせを奥様より受けたので、定例作業の折、皆さんに報告。期せずして、安堵の声と拍手が起こった。誰もが山下さんの復帰を待ち望んでいた。

しかし仮退院の翌日、腹膜炎を発症し、再入院となり、手術も行った。一進一退の進捗状況が続き、今月8日、奥様より、「今日、最後の痛みどめを打つそうなので、本日であれば穏やかにお話が出来ると思います。」とのお電話を頂いた。

早速、役員に連絡を取り、4人で病院に向かった。「身内のものです。」とナースセンターに告げ、面会を申し込んだ。担当の看護士さんから「肺の機能が落ちていますので、長いお話はお控えください」という言葉に緊張を覚えた。病室に入ると、懐かしむような笑顔で私たちを迎えてくれた。娘さんが付き添っておられ、軽く会釈をして外に出られた、私たちと山下さんだけになった。酸素マスクを付けた病人である山下さんが私たちの訪問をねぎらってくれた。

「病室から見た今年の桜がとてもきれいだった・・・・ 」「五郎助山は今頃、新緑でいいだろうな・・・」 とぎれとぎれの会話ではあったが、元気で作業をしたころを懐かしんでいるかのようだった。 

途中、看護士さんが、会話が楽になるようにと酸素の量を倍に増やしてくれた。山下さんの両腕には半年に亘る闘病の後が残されていた。 私たちは、話題が見つからず、困ってしまった。

時々沈黙が続いた。「とにかく、また元気に一緒に五郎助山でやろう。待ってるからね。」と握手をし、病室を後にした。

病室を出る時、何度も何度も「ありがとう」と言ってくれた。(お別れの言葉だった。)

2日後(5月10日午後5時10分)永眠。

13日の通夜式、14日の告別式、両日とも20名以上の会員が参列してくださいました。有難うございました。

 

山下さんは「里山を守る会」創設後1年目に入会してくれたと思う。谷貝さんの紹介で入ってくれた。山下さんはお婿さんであるが、義理の御父上は私の父と同級生、義弟(故人)は私と同級生であり、個人的にもよく存じ上げていた。

家が五郎助山から近距離ということで暇を見つけては五郎助山を巡回し、子供たちの安全に気を配ってくれた。

私が理事長就任と同時に副理事長をお願いし、五郎助山の整備、管理責任者となり、会の運営をはじめ私を今日まで支えてくれた恩人である。

片腕をもぎりとられた思いであるが、山下さんはきっと私たちを高いところから見守り、応援してくれると信じている。

山下さんに叱られないよう、この場所を次の世代に繋ぐため、会員一致団結して理想に向かい、頑張ろう。

 


植物観察会&天ぷら(西小5,6年)

2015-05-10 04:40:16 | Weblog

5月7日(木) 今日は恒例の関城西小学校5,6年生の里山授業があった。春の植物の種類を調べ、その中から食べられる山草を見つけ、自ら摘んで、天ぷらにして食べてみるという授業である。

ほぼ10年ほど前より、当会が学校に提案し、新たな授業の中に取り入れられたが、子供たちには人気が高い里山体験授業である。ただの草と思っていた植物が、以外にも食べられ、様々な味を楽しむ授業は世間から見ても、とてもユニークである。

丁度、キンラン、サシバギンランが咲き出し、可憐な姿を子供たちに見せてくれた。

 五郎助山到着。 

会員より、採取する植物の種類が実物を持って説明され、各班ごとに採取かごと採取する植物の拡大写真が配られた。

各班、目指す植物をゲットすべく、五郎助山に散って行く。

 「あ、ギボウシ 見っけ!」

ギボウシ、お茶の葉、タラの芽、ノビル、ウコギ を見つけるのだが、サカキの葉をお茶の葉と間違え、一生懸命その若葉を摘んでいる班を見つけた。「おいおい、それはサカキという木だよ」「お茶の木は向こうにある背の低い木だよ。」

確かに似てはいるが、こんな勘違いが至る所で起きる。 採取した山草を、詳しい会員が更に選別し、天ぷらに揚げて行く。

保護者の方も8名ほどお手伝いに来てくれた。約130名分の天ぷらを揚げることは容易ではない。3つの大なべで1時間以上かかるのである。

その間、子供たちは、五郎助山に咲き出したその他の植物を、遊歩道に沿って、会員の説明を聞きながら歩く。丁度、キンラン、サシバギンラン、アマドコロ、ホウチャクソウの群落が見られて幸運だった。

一周り、五郎助山を歩き、集合場所に戻ると、休憩の後、30分の自由時間が先生より告げられた。

早速、蜘蛛の子を散らすように、思い思いの遊具に駈け出した。

 ターザンロープに群がる。 ハンモック

 天ぷらの現場はおお忙し!(保護者の応援)

待望の天ぷらが揚がった。バイキング形式で2列に並び、揚げられた山草を順番にお皿に取り、塩で食べる。お手伝い頂いた保護者の皆さん、先生方も試食タイムである。

 

 

自由時間の時、一人の男子児童が「僕は大きくなったら里山の会員になるんだ!」と言った。突然のことで面食らったが、「えーほんと、うれしいなー。是非たのむよ。」と答えた。

また、昨年キャンプに参加した女子児童より、「今年のキャンプを二泊三日にしてください!」と申し入れがあった。丁度居合わせた茨城新聞の記者も驚いていた。子供たちが自然体験を通じ、確実にたくましくなってきた証と思う。

五郎助山という場所が、遊びを通じた学びの場所、自然を感じ取る場所、いや、それ以上の何かを子供たちに与えてくれている気がした。

 

 

 

 

 


総会近づく

2015-05-03 03:21:14 | Weblog

「平成26年度、第12回総会」が5月17日(日)午後2時から河内公民館大ホールで開催される予定である。昨夜も理事会で役割分担、議案の精査を行った。

本年は任期満了による理事改選の議案も上程される。「里山を守る会」創設のころから一緒に苦楽を共にした同志の方もお二人退任されることになった。副理事長を長く務め、私の片腕として助けてくれた山下さん。現在体調を崩され、入院中であり、残念ながら総会への出席は叶わないかも知れない。もうお一人は、女性会員第1号の日向野さん。私が会に勧誘した経緯がある。女性会員の加入で、作業後の昼食が楽しみとなり、会員の絆を深めるきっかけになった。また、精力的な賛助会員の勧誘、時には事務局長として、わたしを助けてくれた。 

どちらも地元の方で、昔から気心が知れて、気の置けない方であった。これで創設以来の役員は私と会計を担当している竹澤さんだけとなった。一番若かった二人が残った。

あれから16年。私も孫を持つ身となった。いずれ私も退任する日が来る。いつの間にか私のライフワークになった里山活動。創設期から今日に至るまでこの活動の意義に疑問を抱いたことはない。むしろその思いは益々強くなっている。

この活動をストップしてはならないとしみじみ思う。 里山で遊ぶ、屈託のない子供たちの笑顔が私たちに勇気を与えてくれている。私たちの思いを繋いでくれる後輩を育成し、この活動に関係するすべての方々の更なる理解と支援をこれからもお願いし続けていかねばならない。