里山日記

NPO法人「里山を守る会」における活動の内容。
その日にあった様々な出会いと、感じたことをつづりたい。

今年も天候不順

2015-04-23 04:53:31 | Weblog

4/22で今年の梨の授粉作業が終了した。今年、桜の開花が例年より早く、晩生の品種から開花する梨は、我が家では4/5日に晩生「新高」の授粉作業が始まり、記録的に早い授粉作業になるとの予測が出ていた。また、短期間に全ての品種の授粉作業が重複し、授粉用の花摘みが間に合わないのではと、危惧する声も多かった。

 自然栽培の梨園 

ところがその後の天候不順で、結局例年並みの開花に落ち着いた。雨の合間を縫っての授粉作業となったが、毎年のように繰り返される天候不順に、とてもくたびれた。スイカ農家は授粉がうまく行かず、着果数が激減したと聞いている。

毎年のように聞かれる天候不順。今年4月の降水量はこれまた記録的という。

梨はこれからも雹や晩霜の被害が懸念され、収穫まで気が抜けない。近年、病気の予防にも多くの経費がかかり、ここ数年で栽培農家、栽培面積が激減している。梨の名生産地として名を馳せた当地であるが、その衰退は著しい。旧関城地区における農家の若い後継者はおそらく10名に満たないのではないだろうか・・・

 花粉の授粉作業  (幸水)

 

いま世界の人口が70億人を超え、将来100億人になることが確実となり、水、食料不足が目前に迫っていると、ある国際機関では警鐘を鳴らしているが、ピンとくる人は多くない。

先日、中国での牛肉の消費が格段に多くなり、国内の輸入牛肉の相場にも影響が出始め、それにつれて国産の牛肉価格が高騰しているとの報道があった。また、飼料となる大豆の調達が中国の大量買い付けにより、困難となり、価格の高騰の一因にもなっているとの報道もあった。

肉を作る家畜を飼うと約7倍の穀物が必要との試算もあるらしい。

そのためか、企業ではこれからアグリビジネスの時代が来る。ということで、企業の新規農業参入が増えているという。しかも多額の資本を投下し、温室を建設し、コンピューター制御の肥料、LEDの照明で通年栽培が可能という。

食糧増産や、パルプ生産のために広大な熱帯雨林が開墾され、それが地球のバランスを壊し、異常気象を引き起こし、穀物の収量低下を招くという、負のスパイラルとの指摘もなされているが、地球環境を壊しているのは人間であることは間違いない。

ちょっとこの辺で、一休みして、みんなで地球のことを考える必要がありそうである。

ひとかじりの梨を生産する私にとってはあまりに大きなことなのでこの辺でやめにしよう。

 

 

 


第3期わんぱく自然塾スタート

2015-04-13 05:46:42 | Weblog

昨日、(4/12)第3期わんぱく自然塾、開塾式が五郎助山で行われた。幸いお天気にも恵まれ、絶好の開塾日和となった。スタッフは午前8時に集合であるが、7:30分、五郎助山に着いた。

前日から、塾長代理の宮本さんが事務の殆どを準備してくれたが、会場の整備が残っていた。ほどなく記録担当の関根さんも到着し、会場となる冒険広場を黙々と掃き清めはじめた。私は子供たちが座る椅子を並べる。8:00にはスタッフ全員が集合した。各自、打ち合わせの通り、持ち場に着き、準備OKである。

 

今回の応募者は市内7校より16名が応募してくれた。前回、参加者25名の内、13名を占めた関城西小の児童は今回5名にとどまった。(今回参加すると8名が3年連続となるため、遠慮したのかもしれない)一方、前回参加者0であった地元関城東小からは4名が参加。大田小2、下館小1、村田小1、また、河間小2、竹島小1、からも初めての参加を頂いた。20校ある小学校から今回までに11校から参加を頂いたことになる。

 自己紹介(学校名、学年、名前)

今回、初参加が10名、2回目が5名、3回連続が1名、男子9名、女子7名である。4月から翌年2月まで年間6回の自然体験プログラムに沿って、市内の小学生(4年生から6年生)が五郎助山を舞台に交流を深めることになる。

 

3回目、2回目の児童に班長になってもらったが、これも貴重な体験だと思う。

自然の中で、友達と遊ぶ、そこに経験豊富な大人がさりげないサポートをする。そうした場が地元にあることを多くの保護者や子供たちに知ってもらいたい。

今回、塾長代理となった宮本さんと市内20校の小学校を回ったが、3回目とあって、ようやく各学校の先生方にも「わんぱく自然塾」の目指す意義を理解されてきたように感じた。名刺と四季報を持参し、「里山を守る会と申しますが・・・」と告げると、殆ど笑顔で迎えられるようになった。

校長室に通され、しばし、自然体験の重要性についてのお話ができる機会も増えた。とてもありがたいことである。20校で対象(4年生~6年生)となる児童数は約3000名に上る。しかし定員30名を満たすにはまだまだ時間がかかるかも知れない。

しかし、必ずその時が来ると信じて、焦らず、地道に、進んで行くのみである。

今回の参加者はとても順応が早く、初日に早くも新しい友達が出来たという子が何人かいた。突出した数の学校がないということがむしろ好影響を与えたのかもしれない。

 「始めまして」というゲーム。(参加者の緊張した心をほぐし、相手を知る)

 ゲンジボタルの幼虫を観察し、ホタル川に放流する

  

 6月上旬に幻想的なホタルに出会うかもしれない。

この後、30分かけて五郎助山を散策。途中、炭窯の説明や、木々や草花の解説、間もなく姿を現す キンラン、ギンラン、クモキリソウ

の話や、珍しい山桜の木がある場所まで歩き、ゆったりとした時間を過ごした。

休憩の後、自由時間30分。ターザンロープ、ハンモック、空中ブランコ、思い思いの遊具で遊ぶ。

「あー はらへったー」「わたしもー」 時間は12:00丁度である。

カレーの臭いが流れてきた。  「お昼でーす」 という声が五郎助庵の方から届いた。

手を洗い、自分で好きなだけ ご飯とカレーを皿に盛る。

 「いただきまーす」

この日、飯村さんと山中さん(男性)が腕によりをかけて作ったカレーは瞬く間になくなった。お代り自由ということで、いつもより食欲を増した子供たちの食いっぷりに脱帽。

一人の男の子が 「こんなにおいしいカレーが出るなら4期も申し込んじゃうかな。」 と言った。

 (食べた食器は自分で洗う)

お天気にも恵まれ、和気藹々のうちに「第3期わんぱく自然塾]はスタートした。

 

 

 

 

 

 


私たちの目指す方向

2015-04-06 04:19:02 | Weblog

いよいよ新しい年度がスタートした。私たちのNPO法人も16年目に入る。

平成12年に「里山を守る会」としてスタートし、純粋なボランテイア団体からNPO法人に変わったが、内容は今でも、ほぼボランティアである。

この事業の継続、発展を探るため先進のNPO法人、主に各地で活躍する自然学校を研修地に選び、研鑽を積んでいるが、中々、道のりは遠い。 今年度、永年同志として苦楽を共にした仲間も理事を退任することになった。

永遠にこの事業の中核として参加することは不可能であり、常に新しい血を入れないとその組織は衰退し、やがて消滅してしまう。

16年間で事業の量は確実に増え、周りの評価、認知度も上がったが、スタッフの労力は年々増加している。それに応えるべく、賛助会員の

増強、イベントの有料化を進め、わずかな交通費の支給を実現したが、まだ、ボランティアの域を脱していない。

給料を払える自然学校をめざし、奮闘してきたつもりであるが、まだまだ道のりは険しい。

自然と人間との共生を軸に、様々な自然体験のプログラムを作り、私たちが目指す、感受性豊かな子供の育成や環境保全に興味のある若者は

多いはずであるが、それを一生の仕事として家族を養える給料を出せるNPO法人にはなっていない。

「テレビゲームやケータイから離れ、子供に様々な自然体験をさせたい。」「安心して子供を預けられる団体はないか」こうしたニーズは確実にあり、質の高いプログラムを提供できる団体に成長してきたという自負もある。

ボランティア部門と、質の高いイベントの有料化部門を分け、法人として生き残れる道を進めなくてはならない。

この事業は将来の日本の子供たちに絶対に必要な事業と確信するからである。

そのためには優秀な後継者を育成し、設立の精神と情熱を失わず、継続可能な財源の確保を常に考えなければならない。