里山日記

NPO法人「里山を守る会」における活動の内容。
その日にあった様々な出会いと、感じたことをつづりたい。

社会貢献活動に協力

2015-01-20 05:40:26 | Weblog

去る1月17日(土)水戸保護観察所の職員10名が来訪し、会員と一緒に五郎助山で落ち葉をさらい、枯れ枝を拾い、里山整備の体験に汗を流した。

改正更生保護法が6月に施行され、保護観察対象者の一部に「社会貢献活動(ボランティア)」が義務付けられるのを前に、その推進役となる保護観察所観察官、西地区保護司会、そして筑西市更生保護女性会関城支地区の方々、市福祉課が参加し、約1時間、保護観察対象者が行うであろう里山整備体験を自ら体験した。

 道具の使い方を説明する会員 

昨年の10月ころに地元の保護司であり、会員でもある田崎満男さんから、来年6月から更生保護法が改正となり、裁判所から決定を受けた保護観察対象者に一定期間のボランティア活動が義務付けられ、受入先との協議が必要となり、その多くは病院や福祉施設等の屋内でのボランティア活動になるだろう。

そこで自然環境の保全に取り組んでいる当会の特色を生かし、野外でのボランティア活動の場として、協力を願えないだろうか?という提案があった。

早速、理事会に諮り、内容を説明したが、保護観察者(犯罪者との認識)と会員が一緒に作業をするいうことが理事の不安を増幅させたのか、賛非両論が拮抗し、結論が出なかった。

後日、田崎さんに理事会に来ていただき、再度、この制度の趣旨、具体的な内容などをお話頂、軽度の犯罪や非行を犯してしまった未成年者が対象になるだろうとの見解に、理事の理解も深まり、罪を犯してしまった青少年がその立ち直りの機会を当会の活動の中から見出してくれたなら、青少年の健全育成を目的とする当会の理念とも重なり、協力しようとの空気が強くなっていた。

昨年12月、受入先として適所、適任であるか調査のため、水戸保護観察所の藤村邦弘統括保護観察官、野口監察官、蘇武観察官らが田崎さんの案内で事前に五郎助山に来訪され、中川、山下、金沢、両副理事長、山崎事務局長 オブザーバーとして中山会員が加わり、具体的な話し合いが行われた。

その中で、山崎事務局長から「保護観察対象者がやる前に皆さんも実際に体験した方がいいのではないですか。」という発言が飛び出し、思いがけなく「ごもっともなお話で、水戸に帰り、その方向で進めます。」というご返事が藤村統括観察官から返って来た。「瓢箪から駒」ではないが予期しない事態がここから始まった。

具体的な実施の日取り、その内容が話し合われ、話が進んで行く中で、「これは、画期的なことだぞ・・」と気が付いた。おそらく保護観察官にとってもその対象者が行う作業を自らが体験し、対象者の心と同化する機会を持つということは初めての事ではないだろうか・・・

その日は1月17日(土)と決まった。水戸観察所の職員は当然休日である。自宅から五郎助山までマイカーで来ることになる。遠い方は東京だそうだ。当然、地元保護司も参加。更生保護女性会も作業の後のカレー作りに参加。それを聞いた市福祉課も参加することとなった。

そして当日、風もなく小春日和となり、絶好の実施日となった。本日までの経過を田崎さん、藤村統括観察官よりお話があり、各自自己紹介に移った。女性保護監察官が3名いらした。観察官は男性ばかりと思っていたが、女性も罪を犯すのである。その更生にはやはり女性保護観察官であろう。

作業は落ち葉掻き、枯れ枝の整理であるが、「熊手」、「もっこ」の使い方を示し、普段 ペン、鉛筆以上の重たいものを持たない?(失礼)方々にとっては新鮮な運動と感じたのか、とても積極的に、熱心に作業に取り組まれ、見違えるようにきれいになった。

一段落したので、キンラン、ギンランの群生地を案内した。開花する5月にもう一度、この場所に訪れてほしい とお願いした。

そしていよいよ参加者全員で更生保護女性会と里山女性会の合作「愛情カレー」の昼食である。この日定例作業日で参加した会員も加わり、盛大な昼食会となった。

その後 風も出てきたので場所を、薪ストーブ、炭火で温められた囲炉裏のある部屋に移り、今日の振り返りを行った。

 (食事の後、今日の振り返り)

この事業に関係する団体が急きょ集まり、盛大なスタートを切ったが、本番はこれからである。竜頭蛇尾にならないよう、また、初めての取り組みなので試行錯誤を繰り返しながら、進めることになると思うが、肝心なのは保護観察対象者の立場で取り組むことだと思う、と 率直に申し上げた。

(実際、これからその対象者を迎えるにあたって、細かい詰めを行わなければならない。浮かれてはいられない。) 

期待と不安を乗せて、「里山を守る会」の新たな取り組みが船出した。

 

 

 


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4 コメント

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すばらしい事ですね・・・。 (土浦 さくらい)
2015-01-20 14:35:20
  新しい取り組み、すばらしいですね。皆様方のご苦労は
大変なものと思います。頑張って下さい。
Unknown (ゆきじい)
2015-01-20 18:05:32
未知の世界に飛び込む心境です。

関係者と慎重に進めたいと思います。
Unknown (おおくぼ)
2015-01-21 07:58:50
なるほど,
これまでの経過がよくわかりました。

今回の取り組みについて
作業部会での経過報告の際,
わからないことが多々ありましたが,
先入観をもたずに協力しようと思い,
詳しく質問することなくこの日を迎えました。

実際に「船出」をともにすることで,
逆に背景をよく知ることが大切と実感しました。

そして,保護観察官や保護司の方々の温かい人柄に触れ,
これからかかわっていけることを
うれしく思いました。

社会貢献活動が始まったら,
社会復帰を目指す子たちに,
若い力で里山をきれいにしてもらって,
一緒においしいご飯を食べたいですね。

改めて説明を致します (ゆきじい)
2015-01-21 19:49:48
スタート前に改めて全ての会員に詳しい経緯の報告とこの事業に協力する意義をお話したいと思います。

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