里山日記

NPO法人「里山を守る会」における活動の内容。
その日にあった様々な出会いと、感じたことをつづりたい。

ネーチャーゲームリーダー講習会二日目

2014-10-30 18:42:44 | Weblog

10月26日(日)リーダー講習会二日目である。

午前8時から授業開始だ。7:40分には全員揃った。大窪さんが挽きたてのコーヒーを全員に味わってもらおうと、奮闘している。

かぐわしい香りがあたりを包み、これを飲み乾さないと一生後悔する気分になった。授業開始が迫っていた。「コーヒーを頂いてから始めましょう。」と石崎先生の粋な計らいで、じっくり味わうことが出来た。

さて今日の日程は午前中、実習が3時間、講義1時間である。二日目の様子はスタッフブログに詳しく書いてあるので、私は1日目で心に残った「カメラゲーム」について報告したい。二人一組になり、片方が写真家、もう一方がカメラ役である。

 写真家の石崎先生、カメラ役の仙波さん

カメラ役の人は目を閉じる。写真家は自分の撮りたい場所へカメラ役を丁寧(安全)に誘導し、距離、角度を決める。レンズは両目、シャッターボタンは肩である。

軽く肩をたかれたらシャッター(目)を開け、3~5秒後に再び1回たたいてシャッターを閉じる。カメラ役は被写体と思われる風景や物体を記憶し、次の場所に移動し、もう一枚撮る。

私は大窪さんとペアーを組み、カメラ役になった。目をつぶり、優しく手を引かれた。(何年振りだろう。)ゆっくりと大窪さんのお気に入りの場所に誘導された。「はい、ここで~す。」腰をかがめ、顔の角度を修正させられた。

「は~い、撮りま~す。」軽く肩をたたかれる。目を開けた。一本のクヌギと前方に醤油樽があった。クヌギには丁度目の高さに うろ(くぼみ)があり、その延長線上に樽の穴(出入口)があった。

「木のくぼみと樽の穴を重ねて撮りたかったの。」と大窪さん。

彼女の意図を充分に察した私はこの映像を忘れないよう、しっかり脳に焼き付けた。

スタート場所に戻り、今度は彼女がカメラ役である。私はトンボ池の淵に彼女を優しく誘導し、一本の実を付けた木を撮った。

どのペアーも思い思いの場所でカメラ役を案内し、真剣にシャッター(?)を押している。

全員が集合し、それぞれ相手が撮った写真をプリント(カードに絵を描く)する。そしてお互い交換し合い、気づいたこと、感じたことを話し合う。

  写真家(中川)カメラ(大窪さん)が撮った写真(絵)「こむらさき」

釣りに来ていた顔見知りの小学生が「ゆきじい、何やってるの?」「写真を撮ってるの。」「ふ~ん。」確かに傍から見ると異様な光景かも知れない。しかし、不思議にその世界に浸ると全く違和感がなかった。自然に同化した気分なのだ。

二日目の「わたしの木」も印象に残った。私は再び大窪さんとペアーを組み、私が選んだ木に案内した。最初は目隠しをし、木肌や 太さ、根の張り、などを手で触れて感じる。その木に対する思い、感じたことを彼女に伝えた。

元の場所に戻り、今度は目隠しを取り、その特徴に当てはまりそうな木を探す。彼女はゆっくり、しかし迷わず、その木の方へ歩いて行った。木肌を撫で、根の張りを確認する。「この木ですね。」自信を持ってわたしに問う。「そうです。どこで確信しましたか?」「木肌と、この部分のギザギザです。」この木は成長過程で何かに巻かれ、その名残と思われる傷に似たギザギザが残っていた。彼女にはそのギザギザが心に強く残っていたのだ。

 わたしの木 

実習が終わり、セルフサービスのお茶や、コーヒーを頂いた後、講義に移った。午後には筆記試験もあるので皆さん熱心に石崎先生の講義に集中している。

 石崎先生の講義に耳を傾ける

午後から最後の実習が行われた。この後、「シュアリングネイチャー」というテキストをもとに講義が行われ、振り返りとまとめが行われた。

その後、いよいよ2日間の実習と講義を総括した筆記試験が行われた。さすがに張りつめた空気が流れ、サポーターの私たちも無言になった。

30分ぐらい経過しただろうか。答案用紙を採点する石崎先生から言葉が発せられた。「全員合格です!。」ほっとした笑顔が受講者から漏れ、緊張が一気に解けた。

晴れてネーチャーゲーム・リーダーが一挙に6名も誕生したのである。今まで孤軍奮闘していた大窪さんにとっては我がことのように嬉しそうだった。

受講者の中には自分の子供とネーチャーゲームが出来ることを想像して、思わず涙ぐむ方もいた。

この二日間、私もサポーターとして参加し、先生の計らいで、時には受講者と一緒にゲームに参加し、日常とは違う、ゆったりとした時間を過ごさせていただいた。

そして改めて、子供と自然をつなぐ「自然案内人」としての心構えを学んだ気がする。シュアリングネーチャー(自然を分かち合う)の意味をもう一度かみしめ、子供たちに対面したいと思う。

 本当に楽しい、有意義な二日間だった。石崎先生、仙波さん。有難うございました。

 全日程が終了し、全員でパチリ。

 

 

 


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2 コメント

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照れますねぇ~~ (おおくぼ)
2014-11-01 07:44:23
自分がたくさん登場して,
ちょっと赤面。
丁寧にとりあげていただき,
ありがとうございます。

コーヒーは心をこめて淹れましたが,
皆さんに飲んでいただき,うれしかったです。
ニホンミツバチの蜂蜜も至福の味でした。


初めて受講するみなさんと心底仲良くなるには,
自分も同じ受講者の立場に立って,という思いもあり,
フレッシュアップ受講させていだだきました。

実は,私も試験を受けるんだと思って,
2日間気を張っていましたが,
答案用紙を配るとき,
「大窪さんはいいよね。一度受かってるもんね。」と石崎先生に言われ,
「いいで~~~す」と即答。
ほっとしましたが,
試験を受けるつもりで必死で講義を聞いたので,
勉強になりました。

孤軍奮闘と書いていただきましたが,
ゆきじい,ひらじい,宮本さん,柴さん,幸田さんなどなど,
たくさんの皆さんに助けられてきたことを実感しています。


それにしても,石崎先生は偉大です。
ゆったりした雰囲気,
とびきりの笑顔,
楽しい話術,
随所にちりばめれられた温かい心遣い。

是非,「里山を守る会」会員の皆さんにご紹介し,
自然体験活動と子どもたちの育ちについて,お話を伺いたいです。





ネーチャーゲーム後の講義もいいかも (ゆきじい)
2014-11-01 16:21:24
そうですね。幼児期、少年期の自然体験が子どもの心にどう影響するのか、心理学者としての先生のお話を聞きたいですね。

子供を持つお母さんたちにネーチャーゲームを体験して頂いた後、先生のお話が聞ける機会を設けてもいいですね。

ぜひ、実現したいですね。

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