森林ジャーナリストの裏ブログ

表ブログに書けない、書く必要もないドーデモ話をつらつらと。

合掌造りとアートスタジアム

2007-02-12 21:39:15 | ドーデモ体験談

今日は、昨日とは打って変わって、背広着て「生駒山系歴史文化フォーラム」へ。

今回は、私がしゃべる番ではなくて楽できたのだが、見ているだけでも腕や足の筋肉が痛い。でも、今日もメンバーは練習場づくりをやっているはずだ。

ちなみに建設している雨天練習場は、長さ30m、幅5m、高さも4m以上ある。
私は、てっきり細い間伐材を使った幅2~3m、屋根まで手が届く程度のものを頭に描いていたので、現場に着いて、巨木が並んでいるのを見て仰天した。80年生のスギも少なくない。それが12本並んで林立させるだから、なかなかの迫力だ。

これほど巨大になったのは、地主の要望(屋根の下を車が通れて、奥の木を伐採できるようにすること)もあるのだが、何やら吉野流・大艦巨砲主義?もあるような気がするなあ。
そばには小川も流れているし、完成した暁には、屋根の下でチェンソーアートに限らず様々なイベントもできるようになるのではないか。雨の日のキャンプとか音楽会とか、屋台並べてお祭もできる。ついでに事務所前には、デッキを築いて、喫茶コーナーを設け、川遊びする一角も整備する……と構想は膨らむ、膨らむ。

ところで、この建設には、スクールの生徒さんが二人手伝いに来てくれた。その一人はなんと岐阜からである。しかも彼は、元大工である。テキパキ動き、どこでも登る。彼がいなかったら、とても3日では建てられなかっただろう。
そして、この人は、合掌造りで有名な白川村出身で、本人も子供の頃は合掌造りの家に住んでいたという。そして大工としても、合掌造りの家を建てたり移築していたのである。巨大建築に慣れたプロだったのだ。(合掌造りに比べたら、今回の建築物なんてどおってことないけど。)

初日は私とともにメンバーのログハウスに泊めていただいたのだが、そこで合掌造りの興味深い生活をいろいろ聞かせていただいた。今では観光的な要素が色濃いが、本物の暮らしは一味違う。そして、その生活が崩れていく様も……。

私も、チェンソーやら皮むき機やドリル、フォークリフトも少しいじったし、乗って屋根の梁や垂木にボルト打ったりと、皆さんにいたわっていただきながら、いろいろ経験させていただきました。

ちなみに、この練習場、その名を「吉野アート・スタジアム」にしようかと言っている。ここでチェンソーアートを始め、激しいアートのバトルが繰り広げられるようになれば、吉野の名所になるかも?


練習場は建設途上

2007-02-11 23:55:35 | ドーデモ体験談

吉野のチェンソーアート練習場の建設から帰って来た。

実は、まだ完成していない。明日も行うし、屋根も葺いて完全に完成するまで、まだしばらくかかるだろう。
でも、私はリタイヤ(^^;)。明日には別件の用がある。

様々な話題があるが、ともかく一言で言えば、デカイ

とりあえず今日できたところの写真を見てくれ。


チェンソーアート練習場の建設

2007-02-10 00:48:14 | ドーデモ体験談

今日は、朝から吉野に行って、泊まり掛けでチェンソーアート練習場を作ることになっている。そこは携帯電話も使えないので、ブログへの書き込みは無理だ。

これまで使っていたのは、吉野山の近くのヘリポート。だから自由に使えるわけではないし、何よりサクラのシーズンは大変な渋滞となるため、チェンソーアートのためにたどり着くのが難しくなる。そのため自前の常設練習場を作ることになったのだ。

とくに今日から行うのは屋根づくりである。雨天でも練習可能にするためだ。

というのも、我々の事業はスクールであり、参加者は生徒であるとともにお客様。雨だから延期します、では済まない。何ヶ月も前から予定を組んでいる人もいるのだから。いわば練習空間の安定供給のための措置だ。

日本林業の最大の欠点は、木材を安定供給できなかったことだと考えている。今月は丸太100本出すけど、来月はゼロ、なんてことでは顧客の要望に応えられない。経営学的に言えば、チャンスロス、あるべき販売機会の喪失である。これは赤字に計上すべきだ。それが外材へ逃げられた原因である。
そこでチェンソーアート事業に置いても安定供給は、重要なテーマだ。会員制の倶楽部・愛好会ならば、雨天延期も仲間内の話で済むが、スクールはお客様を落胆させては成り立ちません。

ちなみに電話を引く予定なのは安全管理のためだが、同じ理屈である。事業には事業としての最低限の装置を用意しなければならない。

とはいえ、私に大工仕事ができるの? 何、ほかのみんなは強者だからさあ(笑)


ダイビング業界

2007-02-09 15:12:05 | 林業・林産業

なぜかダイビング業界について調べてみた。

Cカードの発行枚数では、累計130万人のダイバーがいるそうだ。ただし、最近は海外でCカードを取る人も増えているので、推計では200万人にもなるという。そして女性の方がわずかながら多い。

実際にダイビングを今でも続けている人は、その何割かだろうが、やはり大きな数字だ。ただし、ここ十年以上は右肩下がりで落ちているらしく、かつては年間10万人近くが新たに始めたが、今では6万人そこそこになっている。

驚くべきは、ダイバーのお金の使う量だ。直接的なダイビング関連だけでなく、それに要した交通費や食費も含めているが、なんと平均で年間38万円にもなる。単純計算では7600億円産業ということになる。業界上げてなら、何兆円かになるんじゃないか。

しかも、過去1年間、一度もダイビングをしていない人でさえ、年間3万円程度は使っている。どうやら雑誌の購入など、情報収集のためらしい。

この数字を、チェンソーアートに当てはめたらどうなるだろう。
現在は全国で約1000人とされているが、今後も増えていくだろう。しかしダイビングほど女性には人気がない。潜在的なチェンソーアート・カーバーは、とりあえず10万人はいるのではないかと睨む。

そのうち2万人までに、ここ10年間くらいで増やせないか。

一人が使う金を年間20万円とすると、40億円。このお金の争奪戦だな。


告白! 記事の盗用

2007-02-08 15:16:50 | 仕事関係

新聞社で記事の盗用疑惑が広がっている。
朝日新聞の写真部の記者やら山梨日々新聞の論説委員やら……。

最近はインターネットで他社の新聞もすぐ読めるから、参考にするつもりで、そのまま真似てしまうのだろう。

それにしても、下手くそだ、と思う。誤解を招くかもしれないが、ほかの記事を真似るにしても、もう少し自分の文章にできなかったのだろうか。文章が違えば、文意は同じでも何ら問題にならなかったはずだ。この記者らは、自分の文章に自信がなかったのに違いない。相手の記事の方がよい表現方法を使っていると思ったのだろうか。盗用うんぬんの前に、それだけで記者失格だ。

 

またまた誤解を招くのを覚悟で書くと、私も記事の盗用はよくやる( ̄^ ̄)。

盗むのは、昔の自分の文章。私のように狭い分野を専門にしていると、同じようなテーマで依頼が来ることが少なくない。あるいは同じテーマで改めて書く必要ができることもある。
そこで、昔の自分の記事をコピー&ペースト。(これこそワープロの得意技だ。)

それからが仕事の始まり。いかにその文章を換骨奪胎して別の文章にするか。同じ人間が同じネタで書くのだから、知らずに書いても同じ言い回しや構成になることがあるが、それを意識的に変える。順序や時制を変える、修飾語を変える、数字を新しいデータに変える、巻頭に新しい事例を付ける、展開を変える、あげくに論点を変える。もちろん締めも変える。

どこから見ても前の文章とは違うぞ、と思えるまでにするのが大変だ。気がついたら、結論までまったく違うようになっていたりする。前のと逆の結論じゃないか!と気がついても、それはそれでよし。白紙から書くより時間がかかったりする。

これくらいしないと、もし、前の記事とよく似ていると言われたら、それは自分の実力が足りなかったことになる。だから完全否定する(笑)。

幸い、まだばれたことないなあ。

 


TVニュースで国産材の特集

2007-02-07 01:12:43 | 時事ネタ

近畿地方だけだろうが、2月6日、毎日放送の夕方のニュースの特集で、国産材の復権が取り上げられた。

まず林ベニヤの舞鶴合板工場では、ロシア材などの入荷が減って、国産材へシフトしていること。

次に兵庫県の宍粟市で、木材の伐採現場で丸太の木口にICタグを付ける実験を行っているところ。

最後に、兵庫県加美町で行っている木材直接販売制度。施主が直接山に入って、自分の家にする木を選び、目の前で伐採するものだ。そして家が建つまで追いかけた。

こうして並べると、たしかに国産材が復権しつつある様子がうかがえる。新しい試みが次々と行われて、みんなチャレンジ精神旺盛だ。久しぶりに明るい林業関連のニュースだぞ。

……実は、この取材先は、みんな私の紹介である(^o^)。ICタグの実験は、ちょっと無理したけど、関係者がよく協力していただけた。
それに自分の家を自分で選んだ一家、本当に喜んでいる。笑顔満面、あまりに似合っているのでヤラセか、と思うほど、テレビ的にオイシイ絵だった。

もちろん、現実はそれほど楽観視できるほどではないが、風向きが変わりつつあることを知らせる効果があることを願う。


花粉症怒りの矛先

2007-02-06 17:03:59 | 森林モノローグ

記録的な暖冬のせいだろうか、山のスギは花の膨らみが目立つような気がする。
量はともかく、開花は早く、花粉の散布も早まるかもしれない。

花粉症の人には辛い季節だろう。そこで、この辛さの恨みをどこにぶつけるのか。

かつて拙著の読者から来たメールは、花粉症に関して私の記述への反論であった。細かな部分は省くが、ようするに花粉症の原因はスギ花粉が増加したことであって、山村より都会の方が花粉が舞いやすいのは、地面が舗装されているから。だからスギが悪い、というものである。

別に私は、花粉症の原因物質がスギ(またはヒノキ)花粉ではないとは書いていない。直接症状を引き起こすのは花粉であって、アレルゲンはスギ花粉であることは認めている。ただ、その陰にディーゼル微粒物質やら、寄生虫防護反応過敏などがあるかもしれない、と紹介しただけだ。問題は、原因物質が何かということよりも、その怒りの矛先をどこに向けるか、である。

一般の人は、直截にスギに向ける。そしてスギを伐るべきだ、とのたまう。先のメールでも、山元には結果責任があるのだからスギを伐るべきだと主張していた。
ほかにも、植林政策を進めた国の責任を追求するものも多い。

だが、それなら、こうした矛先はどうだ。

①花粉症になる体質であるあなたの遺伝子と身体が悪い。

②ちゃんと研究して特効薬を開発しなかった医学・薬学界が悪い。

③都会にコンクリートとアスファルト舗装をした政策。舗装を剥がすべきだ。

先のスギおよび山元責任説を④、国の政策説を⑤として、さあ、あなたならどれを選ぶ?

私? 私は①だ(笑)。これは神が人類に与えた試練である。
ちなみに、私も花粉に無傷ではない。春先は、いつも目がかゆい。


朝拝式

2007-02-05 23:28:46 | 田舎・田舎暮らし

吉野の川上村で執り行われた朝拝式に参列してきた。

この朝拝式、説明すると永くなるが、南北朝の後に続く後南朝と呼ばれる皇胤一統の儀式である。南北朝統一後も、再び南朝の時代を狙って、京の御所を襲って神器のうち玉を奪った。ところが、それを狙った赤松一族の襲来により、二人の皇子が暗殺される。そのため、皇子の兜や鎧を祀って、天皇の元旦の儀式とされる朝拝式を今も催しているのである。なんと、暗殺から550年間、途切れることなく続いた。

実は、今年は村内二カ所で行われていた儀式を一カ所に統合し、当時敵と戦った土豪の末裔しか参列できなかったところを一般に開放した。そして村の文化財として維持することにした。その経過では、村内でかなり激しい議論があったようだが、過疎化などに対応するにはそれしか手がなかったのだろう。

この儀式について触れたいことは山ほどあるが、ともあれ、山里に550年間朝廷儀式が続いていたことに圧倒された。田舎の底力を感じる。果たして、薄っぺらな大都市は、この歴史に対抗できる何を持っているのか? 

ただ今年は、一般に開放した結果、(私も含めて)550年の歴史始まって以来?という大人数が押しかけた。そしてカメラやビデオが乱舞し、おいおい、それでは式典を邪魔してるじゃないか、無礼だろ! と思えるような所作も少なくなかった。

一般化するということは、そういう面もある。田舎が田舎の矜持を持って生き残るために必要なことは何か、考えこんでしまった。

写真は、朝拝式に列席した各地区の代表。口にサカキの葉を加えていることに注意。


「島へ。」から「村へ。」

2007-02-04 11:11:02 | 田舎・田舎暮らし

島へ。」という隔月刊の雑誌がある。

現在発売中の3月号に、記事を書いた。森とも林業とも関係ないが、このブログで紹介したことのある五島列島の黄島についてだ。よければ見てほしいが、それ以上に注目してほしいのは、この雑誌そのものだ。

一見、「島旅」の観光案内雑誌のように見える。実際、そんな記事もある。が、編集長によると違うのだそうだ。この雑誌は、島の情報を扱い、島おこしを応援する雑誌をめざして発刊されたという。

実際、今号の特集も、「ステキな島家探し」であり、「島の求人と不動産」を扱っている。島への移住者を増やそうという、田舎暮らしの中でも島暮らしを提唱しているわけだ。だからネットも通じて、島の特産物も扱う。視点は、極めて島側にある。

それなら「村へ。」という雑誌も作れないかな、と考えてしまった。全国の村を結ぶ情報誌である。平成の大合併を通じて、568あった村も、今や198に減った。おそらく、今後は強制合併もあるだろうから、もっと減るだろう。

その貴重な村をつなぐネットワークがあってもよい。村であることに稀少価値が生まれる可能性だってある。今でも政治レベルの全国村ナントカ連絡協議会はあるかもしれないが、それではダメなんで、一般読者、つまり市民の村ファンを取り込まないといけない。民間主導の、村の外部からの村おこし応援である。

でも「島へ。」も経営は、厳しいそうだからなあ。苦戦覚悟で発行を続けるという。
「村へ。」も覚悟がいる。


折込チラシに耕運機

2007-02-02 13:41:44 | 政策・行政関係

今日の新聞に入っていた折込チラシを見ていると、なんと耕運機があった。

もちろん一般紙である。そして配布地域は、一応住宅都市を標榜している生駒市だ。一般市民に耕運機を売り込むとは! と驚きかけたが、よく見ると、小型ばかり。手押しの素人でも扱える原付である。馬力も2~4馬力程度。

なるほど、最近は家庭菜園を拡大したような市民農園が増えている。棚田などに農地を借りている市民も増えてきた。彼らを狙った広告なのだ。わずかな面積でも、全部クワだけで耕すのは大変だし、人力では難しい硬いところもある。それに趣味の農業だけに、コストパフォーマンスを考えずに購入する人も少なくないのだろう。

同じことを林業ではできないか。いや、チェンソーを折り込みチラシで売るようになったら怖いな。電気チェンソーだって、無理か。

 

私は、基本的には市民農園レベルの趣味の農業を冷やかに見ている。プロ化しない趣味の農業では、農村部は救われないと思うからだ。

が、最近は少し考え方を変え始めた。彼らは、なるほど生産量は少ないが、数はいるだけに集団化すれば形になる。ただでさえ農地が荒れ、農業者が減っているのだから、戦力化の手だては考えられないだろうかと考え出した。

一つの方策は、市民農園で生産した野菜などを出荷させることだ。直売所だけでなく、ちゃんと集荷して一般市場にも出す仕組みを作る。塵も積もれば、ではないが、ちゃんと取引レベルまでの質量を揃えるのだ。趣味の農業生産物ゆえの買手も現れるだろう。

同じことを林業界でも考えている。今や専業林家は少ないが、日曜林家、あるいはボランティア的な市民林家は増えている。彼らに作業をさせるだけでなく、出荷もさせる。主に間伐材だろうが、ほかにもアイデア次第で山菜や林床植物・昆虫、樹皮などいろいろありえるだろう。
それを集荷して、ちゃんと売りさばくシステムを作れば、案外軌道に乗るのではないか。買い取り価格は、安くてもよい。それで生計立てるわけではないし、買い取られるだけで生き甲斐になる。趣味なのだから。それなら商品化もやりやすい。

すでに農家でも、家庭菜園は増えている。それを集荷する業者もいるそうだ。
林家も、一晩の飲み代稼ぎに1日間伐材5本ほどの出荷を受け付ける窓口を作り、それで量を確保するなり販売ルートを整備できないだろうか。


黒炭を白炭にする方法

2007-02-01 15:03:33 | 森林資源

以前、黒炭を白炭にする方法を発明した人にあったことがある。島根県仁摩町の尾土井博さんという人だ。

黒炭を白く塗る……のではなくて、黒炭を1200度の高温窯でもう一度焼いて、白炭、つまり備長炭と同じような硬さと安定した燃焼するような炭に変化させるというものだった。仁摩のある地方は石州瓦の産地だが、その瓦用の窯が利用できるらしい。

私は感激して、これこそ21世紀の製炭技術だ、と思った。なぜなら、この2度焼きは、機械化した窯で行えるからだ。つまり量産しやすい。(黒炭はどうして焼く、という問題は残るが。)中国産白炭の供給が細る中(本当は輸出禁止なんだけど、今のところは入ってくる)、備長炭の自給につながるだろう。

このことを記事にもしたが、その後は音沙汰なく、うまく商品化できていないのか、と思っていた。ところが、そうでもないようだ。今や石州炭と名付けられて、着々と研究が進んでいるらしい。

http://blog.goo.ne.jp/f-kawamoto/e/045a1d5991c99733158bdcbba7df2ca7

木炭にも、まだまだ可能性は残っている。
問題は、この製品を商品にすることだ。そのためのビジネスプランがいる。

そんな森林ビジネス塾構想が進んでいるのだが、それについてはまた改めて。