森林ジャーナリストの裏ブログ

表ブログに書けない、書く必要もないドーデモ話をつらつらと。

朝拝式

2007-02-05 23:28:46 | 田舎・田舎暮らし

吉野の川上村で執り行われた朝拝式に参列してきた。

この朝拝式、説明すると永くなるが、南北朝の後に続く後南朝と呼ばれる皇胤一統の儀式である。南北朝統一後も、再び南朝の時代を狙って、京の御所を襲って神器のうち玉を奪った。ところが、それを狙った赤松一族の襲来により、二人の皇子が暗殺される。そのため、皇子の兜や鎧を祀って、天皇の元旦の儀式とされる朝拝式を今も催しているのである。なんと、暗殺から550年間、途切れることなく続いた。

実は、今年は村内二カ所で行われていた儀式を一カ所に統合し、当時敵と戦った土豪の末裔しか参列できなかったところを一般に開放した。そして村の文化財として維持することにした。その経過では、村内でかなり激しい議論があったようだが、過疎化などに対応するにはそれしか手がなかったのだろう。

この儀式について触れたいことは山ほどあるが、ともあれ、山里に550年間朝廷儀式が続いていたことに圧倒された。田舎の底力を感じる。果たして、薄っぺらな大都市は、この歴史に対抗できる何を持っているのか? 

ただ今年は、一般に開放した結果、(私も含めて)550年の歴史始まって以来?という大人数が押しかけた。そしてカメラやビデオが乱舞し、おいおい、それでは式典を邪魔してるじゃないか、無礼だろ! と思えるような所作も少なくなかった。

一般化するということは、そういう面もある。田舎が田舎の矜持を持って生き残るために必要なことは何か、考えこんでしまった。

写真は、朝拝式に列席した各地区の代表。口にサカキの葉を加えていることに注意。