森林ジャーナリストの裏ブログ

表ブログに書けない、書く必要もないドーデモ話をつらつらと。

林内作業車

2007-02-26 10:18:50 | 林業・林産業

和歌山県龍神村で、林内作業車を見せていただいた。一部では、ジャガーの愛称で呼ばれている。

これは、今、各地でブーム?なのだそうだ。ウィンチが付いていて、これで斜面に置かれた丸太を引き上げ積み込む。約1立米詰める。幅1mくらいしかないうえクローラー(キャタピラ)のため、急傾斜でも昇り降りできる。だからこの作業車のための作業道を開削するのも簡単で、なんとユンボで500円/mでOKという。

幅1,5m程度の作業道なら、林内を乱すことも少ない。林齢50年以上ならば、木と木の間に通せるだろう。愛媛の業者が開発して、福岡でも生産するところが現れ、四国や九州では、かなり出回っているらしい。リモコンでも動かせるので、一人で作業を進めるのに便利だろう。

林業機械と言えば、ハーベスタやフォワーダなど大型の高性能機械が頭に浮かぶ。しかし、これらの機械は、日本の山では使い勝手が悪く、あまり使われていない。補助金で購入したまま眠っているところも多いはずだ。
また、リョウシン号と呼ばれる小型作業車(軽トラくらいで、グラップルが付き、2トンくらい?乗せられる)も登場しているのだが、売れずに生産中止になった。

その差は、やはり価格だという。この林内作業車は、150万円から200万円。リョウシン号は500万円。この価格だと、トラックやフォワーダなどと競合してしまう。ちなみに高性能機械は何千万円のものもある。
使い勝手は、小さな方が小回りが効くし、森林土壌への影響力も少ないだろう。

今、新生産システムなどで大規模な素材生産が行われているが、そこでは大型林業機械が使われた結果、森林土壌はかなり酷いことになっている模様だ。クローラーが土を踏み固めて、そこが水道になってえぐれるからだ。

だが、この小さなものなら、ダメージは小さいのではないかと思えた。なんでも集材後は2年くらいで使わなくなるという。そこで、放置する前に植林したらどうか、という提案があるそうだ。密に入った作業道が、やがて複層林になるかもしれない。