森林ジャーナリストの裏ブログ

表ブログに書けない、書く必要もないドーデモ話をつらつらと。

米百俵の精神

2007-02-15 01:26:44 | 政策・行政関係

私は、このところ古いフレーズをよく口にする。

「米百俵の精神」を持て! である。

そう、小泉前首相が就任直後に口走って、結構ブームとなり有名となった。だから5年以上前になる。たしか長岡藩だったか、財政が苦しくて飢え死にする人も出る中、ようやく譲ってもらった米百俵を食べたらその日でオシマイになる、だから金に換えて教育に投資した、という話だ。その日の食事を削って教育に力を注ぐ精神を示す。

今考えてみたら、飢えに苦しんでいる人を前に酷いこと言う家老だと思わぬでもないが、日本の国は古くから教育に熱心だったことは間違いない。漫画「ドラゴン桜」にも、明治政府が苦しい財政を割いて、東京帝国大学を設立する話が載っていた。

日本の林業界に今必要なのは、この「米百俵の精神」ではないか、と言っているのだ。今や経営意欲のある山主は少なく、経営ノウハウを持たない林業関係者ばかりになった。しかし目先の食い扶持が欲しくて補助金求めているだけでは、何も生み出さない。間伐促進事業は、失業対策事業ではないのだ。まともな経営をする林業家を育てないと、日本の林業、ひいては森林に未来はない。そのために必要なのは、教育だろう……。臥薪嘗胆、今を耐えて未来の人材を育てよう、ということで、「米百俵の精神」なのである。

さて、以前から叫んでいた森林ビジネス塾が具体化し始めた。昨日は、その打ち合わせがあった。

内容的には、いわゆる起業塾だ。ただし、受講生に林業関係者を想定しているところがミソ。起業ネタを教えるのではない。起業精神を教えるのだ。そして森林関係のネタで起業することで、地域を活性化して、それが林業、ひいては森林の正常な管理につながることを狙っている。

私は、そのコーディネーターといった役割だが、講師陣の選定をしなくてはならない。これが結構悩む。面白い人はたくさんいるのだけど、それらの人に何を語らせ、何を教えさせるのか、そして全体を通したカリキュラムも考えないといけないことになる。

思えば若いころ、もぐりの教師をしたことがあり、底辺校の生徒たち相手に苦闘したことがある……おっと、この経歴は、秘密であった(笑)。