森林ジャーナリストの裏ブログ

表ブログに書けない、書く必要もないドーデモ話をつらつらと。

行政の役割

2007-02-18 00:15:36 | 政策・行政関係

自治体の財政難や合併問題で、職員の資質や役割が語られることが増えてきた。

行政は、ある政策の実施のための手段として、まず法律(条例)の施行があり、次に金だった。法律で縛るのは限度があるため、一般には補助金や罰金をちらつかせて政策を誘導する。そのための許認可も含めて、仕事みたいなところがあった。とくに森林政策を見ていると、そんな手段が目立つ。

しかし、規制緩和に財政難が続くと、そうした政策誘導手段を失いつつある。

それでは、どうして政策を実現するのか。
私は、企画立案とコーディネート能力だと思う。悩める業界にすっぽり入っている人では浮かびにくい俯瞰した視点を持ってアイデアや方策を提案すること。異業種を結びつけたり、全体を見渡して舵取りしたり、建前は中立ゆえ、裁定するなどのコーディネート。これこそ、今後の行政職員の重要な資質になるのではないか。

それに加えて、交渉能力や説明能力、反対意見を抑える能力……も必要だ。そして合意形成を行う、いわばファシリテーターだ。森林には利害保持者(ステークホルダー)が多い。ここに活躍する舞台があるように思う。

指導者つまりインストラクターであるべき政治家も、現実にはファシリテーターとしての役割が多いように思う。利害対立を納めつつ、よりよい方向を示さねばならない。しがらみをぶった切る、なんて威勢のよいこといっている政治家は、単なるアホか危険ではなかろうか。