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徘徊老人のひとりごと

地球上を徘徊する75歳のボケ老人のひとりごと

徘徊老人世界放浪昼寝旅ーインド・作家カーシーナート・シン氏に会うー4月8日

2012年04月16日 | 南アジア
ベナレスでは、もうひとつ、目的があった。
それは作家のカーシーナート・シン氏に会う事であった。

 これは、デリーでカーシーナート・シン氏がまだ存命(笑)であることを知り
 生きているうちに、お会いしなければと、急きょ、ベナレスに行く目的の
 ひとつに付けくわえた。

  カーシーナート・シン氏はヒンディー語作家で、30数年前、
  彼の作品が邦訳されている。
  邦題は『わたしの戦線』(出版社:めこん)荒木重雄訳 だ。

  その後、1981年に日本の「アジア・アフリカ作家会議」の招きで来日し、
 「被差別と文学」などについてシンポジウム(正式な題名は忘れた)などに
  参加し、大阪では解放同盟の人たちとも懇談した。
  その折、通訳として一緒に行動をともにしたのがワタシだった。

  ワタシのその後はもっぱら「仕事」に忙殺され、ヒンディー文学の世界とも
 疎遠になっていたが、今年75歳になられたカーシーナート・シン氏は
 今年の「文学アカデミー賞」を受賞し、
 彼の作品「カーシー・カ・アッスィー」は映画化されて、完成直前だった。

 前日、彼の勤務していたバラーナス・ヒンドゥー・大学のヒンディー学部の
 事務所に行き、彼の住所を尋ねると、快く教えてくれた。
 その足で彼の家に向かったが、「撮影立ち会い」で不在だった。

  そして、今日、空港に向かう前に彼の家を訪ねた。

  31年ぶりの再会に、彼は心から歓待してくれた。
    
   「31年たっても、お前、よくヒンディー語忘れないな~~~」
   「Aさんは元気か?出版社のKさんは元気か、Sさんはどうしてる?」
   「この前、作家のだれそれに会ったら、お前はどうしてるって訊かれたよ」
   矢継ぎ早の質問に
   インド関係から遠ざかっていたワタシとしては答えようがなかったが、
   31年の空白が少しずつ埋められてくるような気がした。
   「ご飯食べて行け」
   「泊まって行け」と言われても
    今日、旅立つワタシでありまして、
   「それなら、これを持って行け」と飾ってあったガネーシュの置物を
   呉れそうになったので、荷物になるから要らないと断り、
   「作家から頂くのは著作だけで、胸がいっぱいになります」などと
   ヨイショし、
   小説を2冊貰ったのでした。

    それでなくとも、昔からワタシはモノを貰うので有名でした。
   一般的に日本人はインド人知人の家を訪れる時、日本茶などの
   お土産を持参しますが、
   「S(ワタシのこと)は、なんにも土産を持ってこないで、逆に
    あっちこっちから土産を貰って帰る」と有名だったのです。

   さて、時間が来たので、カーシーナート・シン氏の家を辞す時
   奥さんも玄関まで見送ってくれ、カーシーナート・シン氏は
   待たせてあったタクシーに乗り込むまで一緒に付いて来て
   最後は両手でワタシの手を包み、
   「また、会おうな」と言ってくれたのでした。
   彼 75歳、 ワタシ 63歳。
   
   もう再会することはないであろう。

   こうして、ベナレスを最後に、インドでの2ヶ月の旅を終え
   デリー経由で次の旅先のネパール・カトマンズに向かったのでした。

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徘徊老人世界放浪昼寝旅ーインド・ガンジス河で精霊流しー

2012年04月16日 | 南アジア
実は、今回、インドを放浪するにあたって、ガンジス河で「精霊流し」をすることが
目的のひとつでもあった。

  昨年の1月に長兄が「食道癌」で死去、3月は東北大震災の津波で
  親戚が5人亡くなった。
  これらの霊の慰霊と亡くなった知人・友人たちの霊の慰霊も行いたかった。

   夕方、人力車でゴドリヤに向かった。
   

   折から、「満月」だ
   

  ガートに降りる際に、精霊流し用の飾り花船(葉っぱの中に花とろうそく)を
  5個買い求めた。
  おばちゃんの精霊流し売りは「10個にしてよ」と言うが
  意味があっての5個だから、意味も無く10個買う必要はない。

   
   もう、ガンガでは精霊流しが始まっている。

   ワタシはガートで昼に声を掛けておいた
   若いブラーフマンのドゥーベ君に会った。
   彼に、5個の精霊流しの意味を伝える。
   1個はワタシの一族、
   2個目は妻の一族、
   3個目は津波で亡くなったワタシの親戚とその津波で亡くなった人々、
   4個目はワタシの友人たち
   5個目はワタシの知人
   これらの霊を慰めるため精霊流しを行うのだと。

  ドゥーベ君は、うなずくと、ワタシをガンガの水際の石段に座わらせ
  1個づつ精霊流しを行う前に、精霊流しをワタシが手に持ち
  ドゥーベ君の唱えるサンスクリット語のお経を一行ごとに復唱する。
       ビシャバ・パーパ
       ビシャバ・ドゥカ
       なんたらかんたら

  ワタシの足をガンガの水が洗う。これも「沐浴」のうちにしようと思う。

    「祈り」は5個だから、5回行う。
    そして、5個目を流し終えると、
    5分間精霊流しの流れて行く様子を見つめ、
    思っていることをお祈りしなさい、
    私は上で待ってますと言って去った。  
   
   
   なにも考えなかったが、淀みでなかなか流れて行かない様を見ていると
   不覚にも涙が頬を伝った。
   なんの罪もなく亡くなったみなさんに対して
   ここにいるワタシは
   実に「ビシャバ・パーパ」(罪深い人間)なのだ。(笑)
   
   超異常現象か?画像にモヤのようなものが・・・・

   
    精霊流しを終えた証拠写真

   で、この後、まだまだお経が続く
   
    椰子の実を手に持ち、またお経の復唱をする。
    今度は亡くなった人たちではなく、生きている家族の平穏の
    為にもお祈りする。

    ここで「奥さんの名前は?」 
       「S子」
       「子供たちの名前は?」
       「子供はいない」
       「えっ!子供いないのですか?」
       「いいから、いいから、先に進め」
      と言う事で、無事「精霊流し供養」を終了
    
    で、やはり「タダ」と言う訳にはゆかないので、今日はそれなりの
    お布施を用意してきた。
    ドゥーベ君は「4000、3000、1000、お金がなければ
    タダ」とまで言った。
    今日だけは「タダ」は祖先や今精霊流しを行った御霊に申し訳が
    立たない! 
    で、1000ルピープラス習慣に従って100ルピー払った。

    なんだか、心が軽くなった気がした。
    ドゥーベ君に「明日、ムンダン(剃髪)するぜ」と言うと
    「本当ですか!見たいから明日も来てください。一緒にお茶でも」

    お布施の1000ルピーが妥当だったかどうかはワタシには分からない。

    ガンガでは、最近は毎晩「プージャー」(祈り)の集会みたいなのが
    行われ、まるで劇場化しているようだ。
      
     
     今夜は満月なので
     
     
      人ではいつもより多いそうだ。

    ワタシは宿に帰り「精進落し」でビールなど飲もうとしたが
    「胃」の調子が悪い。
    結局、食欲がないので夕飯も「パス」した。

    翌朝、散髪に行くため外に出た。
    なじみのリキシャワラー(人力車夫)が近寄って来たので
    「床屋に行きたいんだ」と言うと
    金は取らないから乗れをいうので乗った。
    「床屋はスタンダードとジェンツ・パーラーがあるが、どっちがいいですか」
    と訊くので、
    「もちろん、スタンダードさ」
    ワタシは「スタンダード」とは、一応、店の床屋だと思った。
    
     が、が・・・・
    リキシャワラーが連れて行ってくれたところは
     
     こんな道端の「床屋」でした!
     「ムンダン」(剃髪)ではなく、少し短めに散髪してもらった。
     剃髪などしたら、今度、生えて来る保障がないくらい
     薄い髪なのだから・・・・
     床屋は散髪代を「50ルピー」と言ったので
     30ルピーを渡して「本当は20ルピーなんだろ」と言うと
     苦笑いした。
     リキシャワラーは「旦那はプラーナー・ヘイ」
     (「古くからインドに居た人だからなんでも知ってるよ」くらいの意味)
     と言って笑った。   

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徘徊老人世界放浪昼寝旅ーインド・ベナレス徘徊、その2-

2012年04月16日 | 南アジア
ベナレス(ワラナシ)の街では、毎日が祭りだ。

 ガンガに通じるゴドリヤ交差点界隈では
 ガンガの運ばれてくる葬送の列や、なにかしらの祭りの行列に出くわす。
    
    今日も祭りだ。
    
    太鼓を打ち鳴らし
    
    壺を抱えて
    
    
     行列は進む
    
     インド歴の新年の新月から14日目だかの満月の日なので
     なにかの祭りだ。行列はガンガに向かって進む。

  ワタシは夕方に再びガンガに来なければならないので、
  後をついて行くことは断念した。

   ゴドリヤ交差点から少し入った、中庭のあるレストランで
    
     昼食を取り、宿に戻った。
   
    
    

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徘徊老人世界放浪昼寝旅ーインド・ベナレス徘徊ー4月6日

2012年04月16日 | 南アジア
ベナレスにやって来た。
 ガンジス河のある街だ。
 ヒンドゥー教徒は、このベナレスにやって来て、ここで死に
 ガンジスの川辺で荼毘に付され、遺灰をガンジスに流されることを
 最上の「至福」「願望」とされる。

 それがかなわぬなら、せめても、ガンジスで沐浴し、その聖なる河の水(聖水)を
 家に持ち帰り、祭壇に飾ることにする。

 だから、この町にはインド中から信者が訪れる。

 ガンジスは日の出直前の沐浴から始まるが、ワタシは無理して出掛けない。

 初めての頃は、早起きして出かけたものだが・・・・・

 ガンジスには昼でも人がたくさんいる。

 ワタシは静かな雰囲気を好む(ホントかよ!)ので、市内ではなく、
 カントンメント地区にホテルを取ったので、ガンガ(ガンジス)に行くには
 ワラナシ市内の「ゴドリヤ」交差点まで人力車で行かなければならない。

  で、人力車で、このゴドリヤまでの道すがら、だんだん人が溢れ、
 その喧騒が、ワラナシに来たという気分にさせてくれるのだ。

  ゴドリヤからガンジス河に向かい、
    
     ガートに向かう階段を降りる。
     道端には「物乞いの人たち」がいる光景は何十年間かわなぬ風景だ。
     いや、ガンガ始まって以来の「伝統的光景」かもしれない。
    
    
    
     ガンガで沐浴する人々
    
    
    
    ガートの番傘の下ではブラーフマン(祭司をつかさどるカースト)の
    坊さんが、信者の要望に沿って「マントラ」(お経)を唱えたりする。
    上記写真では、一族が坊さんから「講和」を聞いている風景。
    
    で、「講和」を垂れているブラーフマンの坊さん。
    なんだか、リラックスしちゃったりして。
    でも、この坊さんは、お客さん(信者)をちゃんと日陰に座らせ
    自分は傘をさして、という、一応の「気配り」をしていたのでした。
    ちなみに「ベンガル語」の人たちでした。坊さんもベンガル語。

    日中は暑いので
    
    犬も「死んだふり」(笑)
    こら~~~、荼毘に付してガンガに流すぞ~~~!
    
    ガンジスでは、ありとあらゆる姿を見ることができる。

    上流には、「焼き場」のガートがあり
    
    
    荼毘に付sれるのを待つ女性の遺体
   
    その、すぐ側で、体を洗う人
    
     沐浴する人
    
    ドービー(洗濯人)のかたわらを水牛が泳いでゆく

    もっと、下流に行けば、マニカルニカ・ガートと呼ばれる
    大きな火葬場がある。河岸に何体も遺体が荼毘に付されている
    光景を見ることができる。ここは写真撮影禁止だ。
    
    火葬用の薪がたくさん積み上げられている。
    
    遺灰はガンガに流されるのだが、その前に、焼き場人夫たちは
    その遺灰に残っている金目のもの(指輪、金歯など)を
    水に流しながら、探しているすがたを目撃するはずだ。

    薪代も「交渉」だから、大変だ。薪が足りなくて「半生」だって
    ありえる。

    
    火葬が終わると、親族は「髪をそる」

    そんなガンジスの光景を間近に観ることができる、ゲスト・ハウスが
    ガンガのガート沿いに沢山ある。

    30年くらい前のガイド・ブックには「久美子の家」という
    ゲスト・ハウスが載っていたものだ。

    だが、最近の『歩き方』には「久美子の家」は載っていない。
    どうしたのだろうと気になった。(別に泊まったことがあるわけではない)
     
     ありました! 
     当時、久美子さんは20歳代後半だったから、今では50代後半か
     60歳代になったかですね~~~。
     沢山の日本人が、このゲストハウスに世話になったに違いない。

     
         
    
        

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