ぶらぶら人生

心の呟き

<人恋ふは…>

2013-07-27 | 身辺雑記
 永田和宏『近代秀歌』 (岩波新書)を読み始めた。
 いつもの習いで、まず<はじめに>を読み、<あとがき>を読んだ。
 <あとがき>の後に、<100首索引(50音順)>と<本書で100首に取り上げた歌人>が添えてあった。
 便利である。
 取り上げられた歌人の項を読んでいて、どんな歌人なのか歌も歌風も思い出せない歌人が二人あった。

 北見志保子と松村栄一。

 この本は、近代の秀歌(落合直文から土屋文明まで)の中から100首が選ばれ、10のテーマ別に、編集されている。

 「第一章 恋・愛 ――人恋ふはかなしきものと」から読み始めた。
 <人恋ふはかなしきものと>のサブタイトルを見たとき、私は、このフレーズを歌っていた。

   ♪ 人恋ふは―
     かなしきものと
     平城山(ひらやま)に
     もとほりき―つつ
     堪へがたか―り―き

     古(いにしへ)も―
     つまを恋ひつつ
     越えしとふ
     平城山のみ―ちに
     涙おと―し―ぬ    

 えッ? これは短歌? と思った。
 いつの頃、どんな形でこの歌を覚えたのか、思い出せない。
 誰の歌とも知らず、歌っていたのだ。

 この歌の作者こそが北見志保子さんなのであった。
 驚きであった。

                 
          本に掲載の写真より


  人恋ふはかなしきものと平城山(ひらやま)にもとほりきつつ堪へがたかりき
  古もつまを恋ひつつ越えしとふ平城山のみちに涙おとしぬ


 という短歌だったことを、この本で初めて知った。
 平井康三郎によって作曲されたということも。


 この一章は、当然の如く、与謝野晶子の歌で始まり、山川登美子、その次に上記の北見志保子と続き、前田夕暮北原白秋岡本かの子原阿佐緒川田順の歌が取り上げられている。
 私も暗誦した歌、明らかに読んだ記憶のある歌ばかりである。

 新たに知ることも多く、読み進むのが楽しみだ。
 今、第三章まで読んだところである。
コメント
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