私は、内澤旬子さんという人を知らなかった。
鎌田實著『がまんしなくていい』を読んだご縁で、内澤旬子さんを初めて知った。
多くの著作もあり、テレビ出演など、その活動は多彩なようだ。
鎌田實氏の本では、イラストルポライターと紹介してあった。
『がまんしなくていい』では、<がんになったら、わがままになれた>の項で、内澤さんを紹介しておられる。
内澤旬子さんの著作のうち、 『身体のいいなり』 (2010年、朝日新聞社刊)をアマゾンに注文し、入手した。
アトピー、腰痛、度重なる乳癌手術、治療の副作用など、内澤さんを襲った病いは凄絶だ。
まだ40代半ばの作者は、その過酷な病魔との付き合いを、冷静な筆致で書いておられる。
身体のいいなりに生きることについて。
上記の本を読みながら、私自身の生き方を考えさせられた。
私には、我慢が足りない、と。
すぐ弱音を吐いてしまう。そして心まで萎れてしまう。
今も、帯状疱疹の後遺症の不快を抱えているが、そんなものは本当に取るに足りないことだと、つくづく思った。
幼少のころ、私は腺病質体質といわれ、ジフテリアを患ったり、お多福風邪にかかったり、ひ弱だった。
18歳のとき、肺浸潤で10か月病臥した。
その後は、虫垂炎の手術で、人より長く、20日入院した程度で、勤めているとき、迷惑をかけることは少なかった。
歯痛はしばしば、目を病んだり耳を病んだり声帯を傷めたり、長く生きてきたので、一過性の病気はけっこうしているけれど。
強健とは言い難いが、更年期障害を意識することもなかったし、まずまず幸せに恵まれた方だろうと思っている。
もはや人生の残りは少ない。
病気を患っても、検査や治療はお断りしようと思っている。
痛みだけは、御免蒙りたいけれど。
内澤さんの本を読んで、いっそう検査や過酷な治療は拒否したくなった。
若いときであれば、耐える力もあり、よくなる可能性にかけたいと思うだろうけれど。
<近所に住む森まゆみさんがお子さんをつれて遊びに来てくださった際には呆れて、
「内澤さんのところは本が扶養家族なのね」といわれた。>(112ページ)
上記の引用文中に登場する森まゆみさんについて、どこかで聞いた名前だと思った。
そのはず、現在机上に置いて、折々読んでいる本『むかしまち地名事典』の作者だった。
著名な執筆者だから、「内澤さんのところは本が扶養家族なのね」などといった、気の効いた会話がさらりと出てくるのだ。
そのころ、内澤さんは、書籍の中に埋もれた生活だったらしい。
<…結局のところ病はすべてのひとのなかから無作為に無秩序に、つまりは罹った人間にとってはまるで不条理にとりつく。
どんなに生活に気を使ったところで罹るときは罹る。…>(147ページ)
これは真実だ。
が、不思議なことに、内澤さんは、38歳で乳癌と診断されてから、むしろ健やかに生きてゆかれるようになったのだ。
不思議な力。身体のいいなりに生きることの功徳!?
とにかく健やかに今を生きて活躍されているのはすばらしいことである。
老いの日々にも、<身体のいいなり>に生きることがプラスになってくれればありがたい。
しかし、それは疑問。
ただ、読書を通して、人と新たな<縁>を結べるのは、嬉しいことだ。
鎌田實著『がまんしなくていい』を読んだご縁で、内澤旬子さんを初めて知った。
多くの著作もあり、テレビ出演など、その活動は多彩なようだ。
鎌田實氏の本では、イラストルポライターと紹介してあった。
『がまんしなくていい』では、<がんになったら、わがままになれた>の項で、内澤さんを紹介しておられる。
内澤旬子さんの著作のうち、 『身体のいいなり』 (2010年、朝日新聞社刊)をアマゾンに注文し、入手した。
アトピー、腰痛、度重なる乳癌手術、治療の副作用など、内澤さんを襲った病いは凄絶だ。
まだ40代半ばの作者は、その過酷な病魔との付き合いを、冷静な筆致で書いておられる。
身体のいいなりに生きることについて。
上記の本を読みながら、私自身の生き方を考えさせられた。
私には、我慢が足りない、と。
すぐ弱音を吐いてしまう。そして心まで萎れてしまう。
今も、帯状疱疹の後遺症の不快を抱えているが、そんなものは本当に取るに足りないことだと、つくづく思った。
幼少のころ、私は腺病質体質といわれ、ジフテリアを患ったり、お多福風邪にかかったり、ひ弱だった。
18歳のとき、肺浸潤で10か月病臥した。
その後は、虫垂炎の手術で、人より長く、20日入院した程度で、勤めているとき、迷惑をかけることは少なかった。
歯痛はしばしば、目を病んだり耳を病んだり声帯を傷めたり、長く生きてきたので、一過性の病気はけっこうしているけれど。
強健とは言い難いが、更年期障害を意識することもなかったし、まずまず幸せに恵まれた方だろうと思っている。
もはや人生の残りは少ない。
病気を患っても、検査や治療はお断りしようと思っている。
痛みだけは、御免蒙りたいけれど。
内澤さんの本を読んで、いっそう検査や過酷な治療は拒否したくなった。
若いときであれば、耐える力もあり、よくなる可能性にかけたいと思うだろうけれど。
<近所に住む森まゆみさんがお子さんをつれて遊びに来てくださった際には呆れて、
「内澤さんのところは本が扶養家族なのね」といわれた。>(112ページ)
上記の引用文中に登場する森まゆみさんについて、どこかで聞いた名前だと思った。
そのはず、現在机上に置いて、折々読んでいる本『むかしまち地名事典』の作者だった。
著名な執筆者だから、「内澤さんのところは本が扶養家族なのね」などといった、気の効いた会話がさらりと出てくるのだ。
そのころ、内澤さんは、書籍の中に埋もれた生活だったらしい。
<…結局のところ病はすべてのひとのなかから無作為に無秩序に、つまりは罹った人間にとってはまるで不条理にとりつく。
どんなに生活に気を使ったところで罹るときは罹る。…>(147ページ)
これは真実だ。
が、不思議なことに、内澤さんは、38歳で乳癌と診断されてから、むしろ健やかに生きてゆかれるようになったのだ。
不思議な力。身体のいいなりに生きることの功徳!?
とにかく健やかに今を生きて活躍されているのはすばらしいことである。
老いの日々にも、<身体のいいなり>に生きることがプラスになってくれればありがたい。
しかし、それは疑問。
ただ、読書を通して、人と新たな<縁>を結べるのは、嬉しいことだ。