連れ添いバトル

なにかと夢さんを指図したがるオバサンだった。
そんな彼女は3年間の闘病を経て他界した。

オバサンの肝の太さは何時もと変わらず

2016-11-22 | 高齢生活・健康

枕元の携帯がけたたましく鳴った。「地震だ!」直後に激しく揺れ出した。
水のボトルが激しく落下。急いで机や本棚の周りを確認。「大丈夫そうだ・・」
「これは相当大きいな・・」震度3はしょっちゅうだが、それより揺れが大きい。
直ぐにテレビを点ける。アナウンサーの声が緊迫した状況を伝えている。
「また福島か・・」何とも言えない無念さに胸が痛む。

オバサンは起きた気配が無い。地震に慣れ過ぎているのは少し危ないぞ・・・
カーテンを開けて外を見る。薄暗い中どこも電気は点いていない。「俺だけか・・」
外が明るくなった。やがて階段を下りて行くオバサンの足音。いつも通りの時間だ。
食事の時間を見計らって階下に下りて聞いてみる。「知ってたわよ、震度4だって」

テレビはどこも地震のニュースばかり。さすがに朝のドラマも中止。
「地震はどうしようもないでしょ?」自然の力には勝てないとオバサンは言う。
「今日は晴れるからやっちゃわないとね」ご飯を食べながら張り切っている。
「今日で大きいのが終わるのよ」カーテンの洗濯はまだまだ続いているらしい。
今日は何も予定が無い夢さん。丁度良い折りだし部屋の掃除でもするか?
肝心な、それこそ「ここいちばん」の時にしか、君の出番は無いと心得るべし。