おとらのブログ

観たもの、見たもの、読んだもの、食べたものについて、ウダウダ、ツラツラ、ヘラヘラ書き綴っています。

第9回翔之會

2024-08-30 22:32:39 | 観たもの
 こっそり贔屓の鷹之資さんの勉強会「翔之會」でございます。今年で9回目だそうです。ワタシは7回目からの参戦です。昨年は浅草公会堂でキャパがありましたが、今年は国立能楽堂、席数が少なくなったので、切符が取れるかどうか心配しましたが、チケットWeb松竹で何とかgetしました。ただ、正面ではなく脇正面、真横からの観劇となりました。

 演目と配役です。
  一、二人三番叟
      中村鷹之資
      野村裕 基

   琵琶弾き語り
   一、扇の的
      長須与 佳

  一、棒しばり
      次郎冠者:中村鷹之資
      太郎冠者:尾上左 近
      曽根松兵衛:中村錦之助    

 「二人三番叟」は演奏が能楽の囃子方で、笛、小鼓、大鼓のみでした。三味線や唄はありません。鷹之助さんは歌舞伎舞踊(藤間ご宗家の振り付け)、野村裕基さん(萬斎さんのご子息)はお能だったそうです。当然、違っていたようなんですが、横から見ているせいもあってあまりよくわかりませんでした。ま、ワタシの見る目の未熟さっちゅうのもあったとは思いますが。それと三味線や唄がないと、演奏が何となく単調(ではないと思いますが。これもワタシの未熟さ故です)で、ちょっと気を失っていたせいもあると思います。お二人の違いはわかりませんでしたが、鷹之資さんの舞はやはり素晴らしく、体幹の凄さに圧倒されました。とにかくブレないんです。能楽堂と言う厳粛な空間で見るとまた格別で、鷹之資さんの真っ直ぐな気性が十二分に発揮されていたと思います。

 「二人三番叟」が終わると葛西聖司さんが突然登場されました。最前列の客席に座ってらしたようで、いきなりマイクを持ってお話を始められてちょっとビックリしました。そこで「二人三番叟」のお二人の違いも解説してくださって、「それ、先に言ってほしかった…」って思いました。聞いていたら、ちゃんとそこに注目したのに、ね。

 続いて長須与佳さんの尺八と琵琶の演奏と琵琶の弾き語りがありました。昨年の「刀剣乱舞」でごいっしょされたご縁だそうです。琵琶の弾き語りは那須与一の物語で、結構面白く聞きました。

 ここで40分の休憩があって、最後の「棒しばり」です。真横から見るなんてことはないので、ちょっと新鮮でした。ここでも鷹之資さんの舞踊を堪能できました。最初の棒の踊り、棒をグルングルン振り回すのですが、すごい高速で、バトントワリングですか?って思ったくらいです。それが、きれいに円を描くんです。これも体幹の凄さなんでしょうね。両手を棒に結わいつけられた後も、軽やかに大らかに踊られます。そんなお背が高いわけではないのに、とても大きく見えます。左近ちゃんとのイキもぴったりでした。左近ちゃんも舞踊はお父様の松緑さんからビシバシと鍛えられているので、踊りの上手さがいっしょ、同じレベルなのでいいんでしょうね。錦之助さんの大名も若いお二人を見守るような感じで舞台が温かく感じました。

 保っちゃんもご覧になって劇評を書かれています。大絶賛です。ぜひお読み下さい。その中で、鷹之資さんの現在の立場についても触れていらっしゃいます。
「この若さで、この才能でなぜもっとそれにふさわしい活躍の場が与えられないのか。自分の会はむろん大事である。しかしそこでしか活躍出来ないでは困る。それを思って暗澹としたのは私だけだろうか。一観客としてその不満を抑えることが出来なかった。」
「不遇だとつい誘惑に駆られるだろうが、才能のある彼に本質を崩して欲しくない。不遇不満を抑えても正道を歩いて欲しいし、同時に鷹之資が正道を歩く様な企画を立てて欲しいと痛切に思った。」

こういうこと、あまり書かれないと思うのですが、今の鷹之資さんの処遇によほど腹が据えかねたのか、珍しいことです。でも、これ、お客さんもみんな思っていることで、松竹株式会社のおエライさんはここよく読むようにってマーカー引いて渡したい!って思いました。

 国立能楽堂です。
 
 
 
 
 
  ↑ワタシが座った脇正面です。

 《オマケ》
 千駄ヶ谷って初めて降りた駅でした。駅前にありました。
 
 津田塾大学
 
 国立競技場
コメント (4)
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