おとといドイツのテレビで「カイトランナー」が放映されました。
「カイトランナー」はドイツ語で読んだ本の中で最も感動した一冊です。
この本は2003年にアメリカで出版され、日本でも2006年に邦訳が出版されましたから読まれた方も多いかと思います。
映画化は2007年で映画の邦題は「君のためなら千回でも」に改題されています。
「カイトランナー」、つまり「凧の走者」がどういうことをするかは実際に小説を読んだり映画を観ないとよく想像できないのではないかと思います。
これは単に凧上げの時に走るということではありません。
「凧合戦」の時に二人一組で巧みに糸を操り他の凧の糸を切るのを競うのですが、対戦相手の凧の糸が切れて落下するのをうまく地上で拾い、それが「戦利品」となります。この落ちていく凧の落下場所の見当をつけ走っていくのが「カイトランナー」の役目です。12歳のアミールの親友ハッサンがいつもこの「カイトランナー」になるのですが、ハッサンが「ボクは君のためなら千回だって凧を取りに走るよ」と言うシーンがあり、これが映画の邦題になっています。
確かに小説を読んだ後で映画を観ると、自分のイメージと違う点があるのは否めませんが、とにかく主人公の二人の少年が可愛くて、可愛くて。
二人が肩を組む場面があるのですが、今の子供たちって仲間同士で遊ぶときに肩を組むなんてあるのかなあと思ったりしました。
私には弟が二人いるのですが、弟たちが小学校の低学年の頃、二人だけで隣町の映画館に映画を観に行ったことがあります。
お小遣いを渡され、映画が終わったら、10円で家に電話をかけてくれれば父が車で迎えに行くことになっていました。
電話がかかってこなかったので父が迎えに行ったら、二人が肩を組んでとぼとぼと車道を歩いているのが見えたそうです。
知らない間に10円も残さずすっかりお金を使ってしまって仕方ないので歩いて家まで帰ろうとしていたのだそうです。
「肩を組むなんて、やっぱり心細かったのだろうなあ」と後で父が苦笑していました。