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渡辺京二著 「逝きし世の面影」

2019-03-31 17:00:07 | 読書

先週、用事で日本文化会館に行った折、図書館で借りてきた本です。



図書館ではカバーは外されてしまいます。



この本は朝日新聞の識者アンケート「平成の30冊」にも入っていますが、一般に知られるようになったのは、NHK「プロフェッショナル仕事の流儀」で取り上げられた北海道のいわた書店の経営者、岩田さんがこの本のことを紹介されてからだと思います。

この本は江戸末期から明治にかけて日本を訪れた外国人の日本旅行記から、当時の日本が外国の人にどのように映っていたかをテーマ毎にまとめたものです。

外国人とは例えば以下の人々です。

オルコック:初代駐日英国公使

ウェストン:近代登山の開拓者(屋久島にウェストン杉というのがあったような気がします)

ハリス:アメリカ総領事  ヒュースケン:ハリスの通訳

モース:アメリカの動物学者、東大教授、大森貝塚の発見者として有名

これらはごく一部で後はケンペル、シーボルト、小泉八雲、クローデル、イザベラ・バードなど100人以上の著作を参考文献としていますから、大変な労作です。

その膨大な文献から13のテーマで外国の人々の印象を抜き出しています。



特に印象深かったのは第十章の「子どもの楽園」の項です。

当時の日本は物質的には決して豊かではなかったけれど、至るところで子供の笑い声が聞こえ、子供たちが集団で遊びに興じている姿を目にすることができたようです。

昨年、デュッセルドルフの恵光ハウスの地下で「子どもの楽園」の写真展が開かれていました。

当時のパンフレットが見当たらないのでどういう経緯での展覧会だったか忘れてしまいました。

残念ながら子供たちが笑っている写真はないのですが、その時の写真です。





そういえば私の子どもの頃も(少なくとも小学校低学年までは)学校が終わるとランドセルを玄関に放り投げてすぐ遊びに出かけ、近所の子たちと夕方まで遊んでいたことなどを思い出します。

それから第三章の「簡素とゆたかさ」も心に沁みる章でした。

物が溢れる現代では逆に「ゆたかさ」が感じられないのは何故なのだろうと思ったことでした。


コメント
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