
「介護診療報酬引き下げ」という日本のニュースを目にしたときから疑問に思っていました。
これで「超高齢化社会」に突入した日本は増え続ける「要介護者」にどう対処していくつもりなのだろうか?
日本の介護保険制度はドイツの介護保険をモデルに導入されました。
といっても全く同じ制度というわけではなくいくつかの点で違いはあります。
違いの一つは日本では40歳以上が被保険者と年齢制限があることです。ドイツにはありません。
ドイツでは40歳以下であっても(子供でも)「要介護」の認定を受ければ介護保険の適用対象になります。
もう一つの大きな違いは在宅介護でドイツでは現物給付だけではなく現金給付も認められていることでしょうか
現物給付というのは専門の介護福祉士にケアをしてもらうことですが、現金給付ですと例えばお姑さんのケアを
お嫁さんがしている場合、お嫁さんに現金で収入が入るということです。
私の友人もドイツ人のお姑さんが要介護1度の認定を受け、同居はしていないのですが、お買い物やちょっとしたお手伝いをしています。彼女に対してお姑さんは100ユーロを介護保険の現金給付(要介護度1だと多分200ユーロ位だと思うのですが)から支払っています。ただこれは軽度の要介護の場合には可能ですが、重度になるとやはり専門の介護職の方でないとケアは難しいとはいうことです。
ドイツと日本では国民性の違いや嫁姑の関係も異なるのでドイツの介護保険モデルをそのまま導入するの難しいとは思います。
ただ日独両国共、高齢化社会で今後介護費用は益々増加することでしょう。
介護保険の財源確保のため先ごろ、ドイツでは保険料率が値上げされました。
日本の今回の措置は高齢化社会への適切な対応策とは思えません。
確かに日本では介護保険関連の事業者の悪徳ビジネスが指摘されたこともあるので、
そうしたことも考慮にいれての今回の改定になったのだとは思います。
でも「引き下げ」で介護の質を確保できるのか、十分な介護職員を確保できるのかといった説明が不十分なような気がします。
いくら財政がひっ迫しても社会保障費を削るようでは「先進国」とはいえないと思います。